この日、乗りこんですぐに大きな差異を感じたのは、ルーフから響く雨粒の打音がXVよりクロストレックのほうが圧倒的に静かであることだった。動き出す前から「もしかしていいクルマになってる?」と思わせる。聞けば、ルーフの振動による音の収束を早めたということで、狙ったわけではないが、結果として雨粒の音も響きにくくなったとのこと。これも地道な改良の成果である。
XVに対してクロストレックのAWD仕様で比べると車重は60kgの増加となる。搭載する水平対向4気筒2.0L+10kWモーターのe-BOXERエンジンは、スペックで知る限り性能数値はXVのものとまったく変化はない。さらにリニアトロニックと称するCVTのギヤ比も、最終減速も変わらない。
それでいながらWLTCモードにおける燃費は、XVの15.0km/Lに対して15.8km/Lと向上を果たしているということは、エンジン制御およびCVTとの統合制御、さらに走行抵抗の低減などがなされたものと思われる。ちなみに、AWDよりも車重が50kg軽いFWDのWLTCモード燃費は16.4km/となる。
パワートレーンのスペックは不変でも、主として振動騒音低減のための改良が施されており、操縦性にも大きく影響するエンジンマウントも、XVの樹脂マウントからアルミハウジング液体封入式に変更されている。
全般にフラットな路面のクローズドコースで、短い距離、時間での試乗だったため、その環境下で知れたことをお伝えすると、まず音に関しては、タイヤが水を跳ね上げるスプラッシュノイズが、とくにリア側が少し抑えられたように思えたのと、ロードノイズを含め、耳を圧迫するようなこもり音が減っているようには感じた。
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