なんで高額車がこんなに売れる!? 絶好調アルファードを買ってる人って誰?

2022.12.25 07:00
この記事をまとめると
■いまトヨタのミニバン、アルファードが人気
■2020事業年度締め年間販売台数では10万6579台を記録
■どのようなユーザーがアルファードを選んでいるのだろうか?
トヨタ系ディーラーの全車取り扱いでオーナーがさらに増えた
  トヨタのなかでもアルファードは名実ともに人気モデルといっていいだろう。2020事業年度(2020年4月から2021年3月)締め年間販売台数では10万6579台を記録。さらに収束する気配すらない生産遅延とそれに伴う納期遅延のなか、そしてモデル末期ですでにオーダーストップしているなかでも、2022年1月から11月までの累計販売台数は5万6111台(月販平均5101台)となっている。2020事業年度締めでの年間で10万台強という販売台数は、2020年5月からのトヨタ系ディーラー全店での全車取り扱いスタートが大きく貢献しているのは間違いないだろう。それまでトヨペット店専売だったアルファードもトヨタ系ディーラーならどこでも買えるようになった。
  トヨタ店ではクラウンユーザーのなかから「アルファードに乗り換えたい」という人が続出していたとのこと。年配のクラウンユーザーなので、大企業幹部や自営業者で所得に余裕のある人が多く、“孫を乗せて家族でドライブに行きたい”とか、“仲間とわいわいゴルフに行きたい”といったことが理由として多かったようである。ただ2020年5月まではトヨタ店ではアルファードは扱っていなかったので、ある意味我慢してもらっていたのが、アルファードが扱えるようになり、一気に乗り換えが進んだようだ。
  カローラ店やネッツ店では、ノアやヴォクシーからの乗り換えが目立ったようだ。ネッツ店ではアルファードの兄弟車であるヴェルファイアが専売モデルとなっていたのだが、セールスマンに話を聞くと、客筋がいまひとつよくないとのことであった。フェンダーからはみ出すようなタイヤに履き替えてから納車してくれとか(つまり違法)、透過率が違反レベルのウインドウフィルムを納車時に貼って欲しい(これも違法)などと要求されることも少なくなかったようだ。ヴォクシーユーザーのなかには敏感にそのようなところを感じ取り、ヴェルファイアとは距離を置く人も目立ったようだ。
  支払い総額で500万円超えるのも珍しくないモデルだが、富裕層ばかりが乗っているわけではない。年齢層もバラバラで現役子育て層も重要なユーザーである。そのような幅広いユーザーを集める最大の理由が残価設定ローンの存在である。
短期間でアルファードからアルファードに乗り換える人も!?
  残価率が50%を超えるだけでなく、いまは現行車の新規オーダーはストップしているが、受注をとっていたころは50万円、60万円引きも当たり前であり、大幅値引きで残価設定ローンを利用すると、ノア&ヴォクシーにチョイ足しするだけでアルファードが手に入ることになっていた。リセールバリューはノア&ヴォクシーを軽く超える高いレベルを維持しており、短期間でアルファードからアルファードへ乗り換える、“アルファード転がし”も横行、最盛期には転売するとお釣り、つまり利益が出たこともあったそうだ。ホワイトパールか黒系ボディ色で、SCパッケージもしくは特別仕様車を選んでおけば、まずリセールバリューで心配することはなかった。しかしボディカラーで紹介したものを外すと、大きくリセールバリューダウンしてしまっていた。
  ただここへきて懸念材料もささやかれている。現状では多くの新車でレベルに多少違いはあるものの、納期遅延が発生している。
  アルファードの売れ筋グレードでは、5年乗っても240万円ほど最終支払月分としてローンの支払いが据え置かれていることが多い。車両を返却したり、トヨタ車へ乗り換えるほかに、引き続き支払いを続け乗り続けることもできる。ただ支払い延長期間は2年となっており、2年間で240万円を返済するとなると、月々の支払い負担が相当なものとなり、現実的とはいえないレベルとなる。
「いままではトヨタ車への乗り換えを前提にして話を進めてきましたが、トヨタ車は人気車ほど納期遅延が日本車のなかでも深刻です。それだけでなく、いつ納車になるかもわからないため、残価設定ローンで乗っているアルファードユーザーの一部では、納期遅延が長引く現状では、新車への乗り換えがスムースに進まず、単純に車両を返却して一時的だったりしても移動手段を失うユーザーが目立ってくるのではないかとの話もあります」とは事情通。
  そのため、2022年になってからは、納車直後にすでに次の乗り換えについて相談するセールスマンもいるとのこと。
  KINTO(トヨタの個人向けカーリース)の取り扱い対象車ならば納期が早くなるとのこと。たとえば、クラウンクロスオーバーの2.5リッターHEV(ハイブリッド車)では、トヨタディーラーで契約すると、調べた時点では2023年8月中旬以降が納車目途とのことなので、8カ月ほど待つことになるが、これがKINTOで申し込むと3.5カ月程度に納期が短縮される。馴染みのセールスマンもいて、マイカーのメーカーや担当店舗を変えたくないという人は、KINTOでいったん乗り換え、それまで乗っていたクルマを完済前に売却(買い取り額で残債を相殺できるようなタイミングを見図る)できるように調整したほうがいいかもしれない。そしていままでつきあいのある店舗をメンテナンス窓口としてリースアップまで乗り続け、そのあとは再び当該店舗で新車を購入するといった対策も有効かもしれない。

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