【試乗】「神経直結」……はガチだった! ホンダZR-Vは走りも使い勝手も高レベルで「アリ」な1台

2022.12.21 07:00
この記事をまとめると
■ホンダの新型SUVとなる「ZR-V」のe:HEV 4WDに公道試乗した
■4WD機構は後輪をプロペラシャフトを介して駆動する馴染み深いシステム
■乗り心地はマイルドで一般道でも高速道路でも操縦性は良好だった
存在感のあるスタイリングに注目が集まるホンダZR-V
  ZR-Vは、CR-Vとヴェゼルの中間に位置するホンダのミッドサイズSUVです。ヴェゼルがフィットのプラットフォームをベースにしているのに対し、ZR-Vはシビックベースとなっています。
  特徴的なのはそのエクステリアデザイン。向こうのほうにかすかにホンダのDNAは感じられるものの、一連のホンダデザインとは異質なムードを醸し出しています。グランドコンセプトが『異彩開放』であり、デザインコンセプトは「異彩を放つ存在感あるデザイン」というから、狙いどおりのデザインに仕上げられているということ。
  もうひとつの特徴が走りの性能。コンセプトは「神経直結 軽快かつ快適な走り」。神経直結というのは、頭で考えた操作がそのままクルマの動きになってくれる≒自分がコントロールしているという実感を走りのチューニングとして作り込んでいるということでしょう。そういえばプラットフォームを共有するシビックも「爽快シビック」なんてコンセプトだったから、走りのテイストは似ているのでしょうか。
  搭載するエンジンは、2リッターエンジンを搭載したハイブリッドe:HEVと1.5リッターVTECターボ。それぞれにFFと4WDが用意されており、4WDはモーター駆動ではなくプロペラシャフトを介してギヤで駆動するタイプ。
  今回試乗したのはe:HEVの4WD(グレードはZ)でした。装着されているタイヤがヨコハマのプレミアムコンフォートタイヤであるアドバンdBV552。
  静粛性と乗り心地を重視したタイヤです。SUV用タイヤではなく、セダン用コンフォートタイヤを装着しているところもZR-Vの変わった(≒個性的な)ところだと思います。
プロペラシャフトによる前後輪の連動感が好感触
  走り出してまず感じたのはその静かさです。モーター駆動だから当たり前ともいえるのですが、モーター駆動で静々と走り出す感覚と滑らかで静かなタイヤの転がり感が、これも「異彩」を実感させる個性的な乗り味だと感じました。
  また、このe:HEVのパワーユニットは(バッテリー残量によりますが)街中や郊外路ではエンジンが頻繁にかからないように制御されているようで、EV感覚のモータードライブ感覚を演出しています。パワー(トルク)感もモーター出力184馬力/315Nmとあって十分に力強く、ストレスのない加速性能を発揮してくれます。
  乗り心地は良好でした。一般道でも、高速道路でも路面のあたりがマイルドで、しかも細かい凹凸を良く吸収しています。それでいて操縦性も良いと思いました。カーブではロールが少なめで気持ちのいい旋回感があります。サスペンションストロークをあまり多くとっていないようで、ロールを少なめに抑えていることもオンロードでの操縦性を良く感じさせている理由なのだろうと思います。
「神経直結 軽快かつ快適な走り」の達成度も悪くないと思います。神経直結といってもレーシングカーのようなシャープな操縦性というよりはグッと穏やかなもの。ただ、ハンドルを切る速さや切る量に応じで素直にクルマが向きを変えてくれる印象です。応答の遅れもほとんど感じられません。
  4WDのパフォーマンスについて試していないので断言はできないのですが、同じ4WDシステムのヴェゼルで滑りやすい路面を使って試乗したときのことを思い返すと、後輪への明瞭な駆動感、前後輪の連動感の良さなど、プロペラシャフト付き4WDならではの良さ、前後輪駆動配分の電制カップリングのセッティングの巧みさなどが感じられ、低μ路でのドライブを楽しいと感じさせるものでした。この4WDシステムがほぼそのまま搭載されているわけですから、ZR-Vの4WD性能にも大いに期待できると思います。
  ボディ幅は1840mmあるので、それほどスリムとは言えませんが、ロールを少なめに抑えたサスペンションは、ハンドル操作に対するクルマの動きに曖昧さが少なく、正確に車幅を把握しやすいので、街中でもボディサイズを持て余すことはありませんでした。
  試乗会では、まず個性的なデザインや走りのパフォーマンスの高さに感心させられたのですが、じつは実用性の点でも使い勝手のよさを持った、さまざまな面でよく練られたクルマに仕上がっていると思いました。

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