整備を生業としているだけに、これまでさまざまな症例と向き合ってきた目黒代表。今もっとも危惧しているのは、エンジン関係のトラブルだという。
「純正部品が値上がりしている昨今、エンジンを壊すととにかく高く付きます。シリンダーブロックが割れてしまったケースなどは最悪です。価格云々以前に、純正ブロックが納期未定で、発注から1年以上が経過しても入荷しない状況です。そのため、本体を損傷するような深刻なトラブルを抱えると、最低でも1年以上は作業ができません」
そうならないための「予防整備」として、どのような対策が考えられるだろうか?
「まずはクルマの健康診断を定期的に受けることです。年に一度、できれば半年に一度は点検を受けることをお勧めします。いわゆる一般の法定点検に加えて、GT-R特有の不具合をひと通り診断することで、トラブルを未然に防ぐことができます」
「型式別で言うとR32は唯一バッテリーがエンジンルーム内にあるので、配線やターミナルが傷みやすい傾向にあります。エンジンの力が抜けた感じになるときがあるとか、ハイキャスのワーニングランプがたまに点くという場合はターミナルの劣化が疑われます。それらは電圧不足による症状なので、バッテリーやオルタネーターを交換しても改善されません」
「R33は第2世代では一番不具合が少なく、R34で目立つのは点火系のトラブルです。パワートランジスタ内蔵のコイルが採用されているため、熱の影響で壊れやすいです。R32やR33でもR34のコイルを流用している場合は注意が必要です」と目黒代表は語る。
ほかにも固有のトラブルはあるというが、とくに注意を払ってほしいのは「距離ではなく年数」だという。
「タイミングベルトは10万kmごとの交換がメーカー指定となっているのは知られていると思います。しかし、実際にはタイミングベルトが切れるトラブルはごく稀で、恐いのはプーリーのベアリング破損です。ベルトを換えてからまだ2、3万kmだからと安心していても、3、4年くらいあまり乗らずに放置されている場合はベアリングが錆ついています」
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