“V10ランボ”の完成形 ランボルギーニ「ウラカン テクニカ」の究極進化

2022.12.14 14:30
ランボルギーニはミッドシップスーパーカーの世界にAWD(四輪駆動)を広めたメーカーとしても知られている。新型車のデビューではまずAWDモデルが登場し、あとから2WDモデルが追加されることが多い。一般的なセダンでも、AWDが多くなったヨーロッパ車の傾向を先読みしていたようにすら感じられる。
「ウラカン」の最新の話題といえば、車高を上げたオフロード仕様のAWD「ウラカン ステラート」だが、2022年の春に世界でお披露目された現行モデル、2WDの「ウラカン テクニカ」も再注目を浴びている。スタビリティが高いAWDに対し、後輪のみを駆動する2WDは、軽い身のこなしや鋭いハンドリングなど、スポーツカーとしての個性が際立つモデルだ。
ランボルギーニは同年末でガソリンエンジンのみを搭載したモデルの生産を終了し、電動化への道を歩み始めると宣言した。そのためウラカン テクニカは“最後の2WD、ピュアなガソリンエンジン車”といわれている。初代のデビューからすでに8年が経過し、「究極進化を遂げたウラカン」は果たしてどのようなモデルなのか?
ひと目でテクニカだと判別できるのは専用のフロントバンパー形状である。フロントマスク下半分の黒いグリル形状が、細く枝分かれして車体の両端まで届き、これまでにないワイド感を演出している。だが、本質は見た目以外の部分にあるといっていい。テクニカというサブネームは“技術”であり、ランボルギーニの技術的進化を表現している。5.2リッター・V10エンジンは、最強のサーキットモデルである「ウラカン STO」の最高出力と同じ640ps。前後のボンネットがカーボン製になるなど、軽量化にも余念がない。
また、エアロダイナミクスもウラカンのモデルライフを通じて進化してきた部分だ。テクニカのダウンフォースは、前身ともいえる「ウラカンEVO 2WD」と比べ35%もアップしている。エアロといっても目に付くのは、決して大きいとはいえない固定式のリアスポイラーだが、フロントのインテークから取り込んだ空気を、効果的に前後のブレーキ冷却に生かすなど、眼に見えない部分も技術的に進化した。
低いドライバーズシートに座り、V10エンジンを始動させると、一瞬の“雄叫び”のあと荒々しくアイドリングを始める。走り出してわかるのは、操作系のダイレクト感だ。可変レシオのステアリングが廃止され、駆動はリアのみ。圧倒的なスピードには電子制御も多数介入しているはずだが、それを感じさせない純粋さも進化の一環なのだろう。
サーキットに狙いを定めたウラカンSTOのようなモデルは、サスペンションが非常に硬く、公道を普通に走らせていると楽しさと同じくらいつらく感じる時もある。だがウラカン テクニカの乗り心地はソフトで、長距離移動にも堪えるインテリジェンスの持ち主であることはちょっと驚きだった。とはいえ、自然吸気のV10エンジンはスロットル一踏みで8000回転まで一気に吹けあがって快音を奏でる。動力性能を極限まで高めつつも、レーシーにとがらせ過ぎないハイパフォーマンスモデルとして成立しているのである。
フロントにはミニマムなラゲッジスペースを備えているが、当然のことながらキャディバッグを載せることはできない。載せるとすれば助手席に横たわらせる必要があるわけだが、そのことで究極のスーパーカーの価値が損なわれるとは考えにくい。生産は2023年末までといわれているので、まもなく注文は締め切られてしまうはず。後世に残るピュアなガソリンエンジンのランボルギーニを手に入れるラストチャンスのカウントダウンは始まっている。
ランボルギーニ ウラカン テクニカ  車両本体価格: 3000万円(税込)ボディサイズ | 全長 4567 X 全幅 1933 X 全高 1165 mmホイールベース | 2620 mm車両重量 | 1379 kgエンジン | V型10気筒 DOHC 40バルブ排気量 | 5204 cc変速機 | 8速 AT最高出力 | 640 ps(470 kW) / 8000 rpm最大トルク | 565 N・m / 6500 rpm0-100km/h | 3.2 秒最高速度 | 325 km / h
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Text : Takuo Yoshida

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