何ものにもかえがたい個性 ボルボ「S90」の持ち味とは

2022.12.15 11:28
ある自動車メーカーの資料によると、高級車と呼ばれる乗用車のうち約6割以上をSUVが占めるようになっているという。確かに背の高いSUVは見晴らしがいいし、車内も広い。キャラクター的にも、週末にゴルフ場へ行くようなスポーティなライフスタイルによく似合う。
一方で、SUVが増えた街中でシュッとしたセダンを見かけると、きちんとしたスーツを着こなしている人のようなスタイリッシュさを感じることも確かだ。SUVが増えれば増えるほど「セダンが“粋”に見える」という方は間違いなくいるはずで、そんな方に紹介したいのが、ボルボのフラッグシップサルーン「S90」だ。
ちょうどメルセデス・ベンツ「Eクラス」や、BMW「5シリーズ」に匹敵するサイズ感だが、こうした強豪に囲まれていても決して埋没することのない、ほかでは得難い個性を持っている。どこが個性的なのかを説明する前に、ラインアップと変更点をお伝えしたい。ボルボはそれぞれのモデルのグレード構成見直しを進めており、上級仕様の「アルティメット」と標準仕様の「プラス」という2つのグレードで展開することになった。ただしS90に関しては、ファインナッパレザー(高級な原革を使用)のシートなどを装備した「アルティメット」のみで、日本に導入されるのは、プラグインハイブリッドとアルティメットを組み合わせたグレードとなる。
パワートレーンは、48Vのマイルドハイブリッドから外部電源から充電ができるプラグインハイブリッドに変更された。両者の違いを簡単に説明すると、マイルドハイブリッドはモーターだけで走るEV走行はできないが、プラグインハイブリッドは可能。ちなみに国土交通省審査値(等価EVレンジ)だと、充電満タンの状態で81kmのEV走行ができるという。特徴的な個性として挙げられるのが、このプラグインハイブリッドシステムである。Eクラスにも5シリーズにもプラグインハイブリッドは設定されているが、決定的な違いはEクラスや5シリーズが後輪駆動であるのに対して、S90は4輪駆動であるという点だ。フロントに積むエンジンが前輪を駆動し、リアに積むモーターが後輪を駆動するという仕組みになっている。また、Googleのオペレーションシステムを採用しているのも特徴で、スマートフォンに話しかけるように「OK、 Google」と呼びかけると、目的地設定や音楽のセレクトを音声で操作できる。
目的地を設定してスタートする前に、もう一つセッティングを変更しておきたいところがある。タッチスクリーンで操作できる車両セッティングのページでは、細部の調整が行えるが、なかでもワンペダルドライブをするかしないかは、ドライブフィールに大きく影響する。これは単に速度を調整するだけでなく、停止までが行える。一度ワンペダルドライブに慣れてしまうと、減速するたびにアクセルペダルからブレーキペダルに踏み変える動作が面倒に感じてしまう。いきなりアクセルペダルをオフにすると、減速Gが急激に立ち上がるので、同乗者がいる場合には注意が必要だ。大事な方が同乗する場合は、じわじわとアクセルペダルをオフにする練習を積んでおくことを推奨したい。
モーターだけで走るEV走行はもちろんのこと、エンジンとモーターがコラボして走るハイブリッドの状態にあっても、室内は実に静かだ。エンジンが始動してEV走行からハイブリッド走行に切り替わるような場面でも、不快な音や振動は感じない。そのあたりは、2016年からプラグインハイブリッド車を市場に投入しているから、ノウハウが蓄積されているのだろう。 市街地では、低速から力を発揮してレスポンスにも優れるモーターが主役、高速道路ではこの領域だと効率がよくなるエンジンが主役。そして充電の状況を鑑みながら、急加速をしたいときなど必要に応じて互いをアシストする。
「いまモーターがアシストしている」といった作動状況は、インパネの表示を見なければ、ドライバーも気づかないほどシームレスだ。乗り心地は、鷹揚でゆったりとしたアメリカ車っぽさが6割、しっかりとしたヨーロッパ車っぽさが4割といった絶妙なセッティングで、車内が静かなことと相まって長距離でも疲れない。クルーズコントロールは、ほぼ親指のワンアクションで設定が完了することから使いやすい。作動もスムーズで、高速道路でのロングドライブが多いゴルファーにはうれしい。荷室や後席が広いのはFF(前輪駆動)がベースになっているからだろう。エンジンの動力を後輪に伝えるためにドライブシャフトなどの部品が不要で、その分スペースに余裕が生まれるからだ。これも、ゴルファーにとっては見逃せないポイントだ。
ゾクゾクするようなスポーツセダンとは性格が異なり、品のいいインテリアに囲まれて走るこのクルマは、“走るラウンジ”といった趣だ。同じ車格のクルマはたくさんあるけれど、どれも直接のライバルにはあたらないような気がする。地味な存在に感じるかもしれないけれど、S90には何ものにもかえがたい個性がある。
ボルボ S90 リチャージ アルティメット T8 AWD プラグインハイブリット  車両本体価格: 1059万円(税込)ボディサイズ | 全長 4970 X 全幅 1880 X 全高 1455 mmホイールベース | 2940 mm車両重量 | 2100 kgエンジン | 直列4気筒 DOHC ガソリンターボ+モーター排気量 | 1968 cc変速機 | 8速 AT最高出力 | 317 ps(233 kW) / 6000 rpm最大トルク | 400 N・m / 3000 - 5400 rpm
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Text : Takeshi Sato

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