【試乗】MTがなくてもハイブリッドでも楽しい! フィットRSは手の内に入る躍動感に感動できる1台だった

2022.12.05 17:00
この記事をまとめると
■フィットに「RS」が追加
■先代モデル以外にもホンダには数多くの「RS」モデルがあった
■専用の足まわりやエンジンを搭載しており「RS」の名には恥じない仕上がりになっている
ファン待望の「RS」がついに仲間入り
  フィットに「RS」が加わった。
  フィットのデビューは2001年、その後2007年に2代目、2013年には3代目と、次々と手を加えてフルモデルチェンジを繰り返し、現行の4代目が誕生したのは2020年だ。
  そうしたフィットにRSが登場したのは2代目からで、3代目もRSは継続してラインアップ。しかし4代目のデビュー時にはRSの設定がなかった。そして2022年、ついに新型フィットにRSが追加となったのだ。その走行性能の高さはより高く評価されていた4代目フィットだが、RSが設定されるのに、ベースモデルに遅れること2年もの歳月が流れた。
  という意味では、キビキビと走るコンパクトハッチを好むユーザーのハートを刺激する待望のモデルとなる。
  そもそもホンダがRSを設定したのは1974年のことだ。初代にシビックに走りを売りにしたモデルとして設定。タイプRのような激辛スポーツとは対象的に、限られたパワーを必死になって叩きつけ、懸命に走るスタイルを盛り込んでいる。
  目の覚めるようなタイムを記録するわけではない。ハイパワースポーツの後塵を浴びることもある。だが、このコンパクトなボディを左右に翻してコーナーと格闘するのは楽しいのだ。
  新型フィットRSに設定されたパワーユニットはe:HEVとガソリンモデルの2種類。e:HEVのモーターパワーは80kWから90kWに増強されている。発電の役目もするエンジンは70kWから78kWに強化されている。それゆえに、先代よりも加速感は力強い。ガソリンモデルもベースモデルのマイナーチェンジを受けた影響で、排気量は1.3リッターから1.5リッターとなった。
  だが、新型で印象的なのは絶対的な速さではなく躍動感である。RS専用のドライブモードには「スポーツ」が設定された。その名のとおり、走りはアップテンポになる。低回転域からレスポンスの遅れなく加速する。CVT風のラバーフィールは限りなく抑えられている。
「RS」の名に恥じないパフォーマンスを発揮
  印象的なのは、ステップ感覚である。エンジンが高回転で安定し、速度が後追いするような、感覚とのずれはない。まるで内燃機関と多段ミッションを組み合わせたかのように、速度が高まるのに合わせて、階段を登るように回転がステップするのだ。なにも聞かされなければ、これがハイブリッドだと気づく人は稀だろう。
  エンジンサウンドも心地よく唸る。いたずらに鼓膜を刺激するような音質ではまったくないが、ビートの効いたサウンドは躍動的なのだ。
  ステアリング裏に組み込まれた左右のパドルは、ギヤを選択するものではない。減速セレクターであり、右側を引くと回生力が弱まり、左側を引けば逆に回生力が強くなる。それによって減速感をチョイスすることが可能だ。ワインディングを軽快なリズムで駆け回るには都合がいい。
  操縦性能も躍動的だ。足まわりは締め上げており、無駄なロール感は皆無。外輪にフル荷重を与えようとしても、ボディはそれほどロールしない。やや強引なコーナリングに挑んでも、常にフラットな姿勢をキープするのだ。FF特有の、リヤの内輪を高々に上げたような姿勢にはならない。RSの名に恥じないのだ。
  それでいて、ロール軸が前傾したような攻撃的な感覚である。微小舵角からヨーが高まり、大舵角に至ってもキープされる。わずかなハンドルを操作でグイグイとコーナーを突き刺そうとする。まさに、元気なコンパクトハッチを走らせているような感覚に浸れるのである。
  それでいて意外だったのは、乗り心地が極端に悪化していないことだ。サスペンション剛性が高いことは明らかだが、路面の突起に突き上げられても、バウンジングが少ない。トンと突き上げられても、スタッと収束する。その点でも姿勢は常にフラットなのだ。
  RSという攻撃的なネーミングになっても、日常性も備えている。これなら、日頃の通勤通学でも苦痛はないだろうし、それでいてワインディングを軽快に駆け回る。まさに、1974年にデビューしたシビックRSを彷彿させる1台だ。
  伝統は息づいていた。

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