ホンダのハイブリッド車を紹介! 中古車購入時の注意点も

2022.11.24 13:00
この記事をまとめると
■ホンダのハイブリッドモデルを紹介
■過去にはスポーツモデルもラインアップされていた
■中古モデルには注意点が存在する
ホンダ独自のハイブリッドシステムを採用
ホンダのハイブリッド車の特徴について
そもそもハイブリッド車とは?
  ハイブリッド車とは2つ以上の動力を備えた車両のことを指します。
  現在販売されるハイブリッド車はガソリンで動くエンジンと電力を用いるモーターの動力源を備えていることで、一般的にはエンジンとモーターを組み合わせた車両を意味します。
ホンダのハイブリッド車はe:HEV
「e:HEV」と呼ばれるハイブリッドユニットは、基本的にエンジンにより発電した電力でCVTに内蔵されたモーターを駆動するシリーズ式ハイブリッド。
  ただし、走行状況によりエンジンで駆動したほうが効率的なシーンでは、直結クラッチによりエンジンのみでの走行も可能。さらにエンジンの動力にモーターアシストを加えるパラレル式の要素も併せ持つのが特徴です。
新車で購入可能なホンダのハイブリッド車
フィット
 価格:159万2800円〜266万4200円
  ホンダ独自のセンタータンクレイアウトを採用し、同クラスのコンパクトカーより圧倒的に広い居住空間を手に入れたことで初代から人気車種となったフィット。現行モデルは2020年に登場した4代目となります。
  ただ4代目は歴代モデルと比べると人気はイマイチ。人気回復を目指し2022年10月にマイナーチェンジが行われました。
  マイナーチェンジではフロントグリルや前後バンパーのデザインを変更。
  新たにスポーティーグレードのRSが追加されました。RSは開口部が大きい専用グリルを装着し、他のグレードと差別化を図っています。
  ガソリン仕様はエンジンが1.3リッターエンジンから1.5リッター直4エンジンへ変更。また、e:HEVはモーターの最高出力が14馬力プラスとなる123馬力に向上し、低速域からの加速力が増しています。
フリード
 価格:227万5900円〜327万8000円
  現在販売されているフリードは2016年にデビューした2代目。フルモデルチェンジしたばかりのトヨタ・シエンタが9月に7785台の販売台数を記録したことに対して、フリードは7763台。販売を開始してから約6年経ちますが、いまだ高い人気を維持しています。
  パワーユニットは初代同様、1.5リッター直噴ガソリンエンジンと1.5リッターエンジン+モーターのハイブリッドを用意。
  ハイブリッド仕様に積まれている1.5リッターエンジンは最高出力110馬力を発揮するLEB型で、29.5馬力を発揮するH1型モーターを組み合わせます。
  トランスミッションは7速デュアルクラッチに電気モーターを組み合わせたi-DCDを搭載。
  このモーターは新開発されたもので、世界で初めて重希土類(レアアース)完全フリー化したものです。
ヴェゼル
 価格227万9200円〜329万8900円
  2013年にデビューした初代が大ヒットしたヴェゼル。2021年にフルモデルチェンジで登場した2代目も初代ほどではないものの、販売的には成功を収めています。
  2代目は初代とは大きく異なる水平基調のエクステリアを採用。ボディと同色のフロントグリルも個性的で上質さが備わりました。
  パワーユニットは1.5リッター直4エンジンとモーターを組み合わせたハイブリッド仕様と1.5リッター直4ガソリンを用意。ハイブリッド仕様はフィットハイブリッド(※マイナーチェンジ前)をベースにエンジンを高出力化。モーターの出力も高められています。
  ユーティリティ性能にもこだわっており、とくに後席の広さは先代同様ゆとりあるスペースを確保しました。
ステップワゴン
 価格:299万8600円〜384万6700円
  6代目となる現行型が2022年に登場したステップワゴン。新型も歴代モデル同様に広い室内空間を構築することを目指して開発されました。
  現行モデルの大きな特徴がエクステリアデザイン。初代や2代目に回帰したかのようなシンプルでプレーンなデザインを採用。スクエアで“カタマリ感”がある外観は「躍動感」や「イカツさ」を重視したミニバンが多いなか、新鮮さを感じます。
  新型のパワートレインは先代同様、ハイブリッド仕様のe:HEVと1.5リッターターボエンジンの2タイプ。
  e:HEVのWLTCモード燃費は19.6〜20.0km/L、同市街地モードが19.3〜20.4km/L、同郊外モードが20.5〜21.3km/L、同高速道路モードが19.1〜19.2km/L。国産ミニバンのなかでも優秀な燃費性能を誇っています。
シビック
 価格:319万円〜394万200円
  ホンダが自動車メーカーとして世界中から認知されるきっかけとなった初代シビック。
  2021年に国内販売が開始された現行モデルは11代目となります。
  先代とは違い、セダンが販売されずハッチバックのみがラインアップされた現行モデルは1.5リッターガソリンターボエンジンと2022年に追加されたハイブリッド仕様を用意。
  ハイブリッド仕様はフロントグリルなどが専用デザインとなります。
  ハイブリッド仕様のe:HEVは新開発された直噴式の2リッターエンジンと、モーターを組み合わせた新設計のシステム。走行用バッテリーも新開発したリチウムイオン式を搭載し、先代モデルと比べてEV走行時間を伸ばすことを可能としました。
  11代目はガソリン、ハイブリッド仕様とも軽快な走りや操作性を備えたことで、シビックファンを中心に高い人気を誇っています。
CR-V
 価格:336万円〜455万8400円
  2022年8月で生産終了、現在は在庫販売されているCR-Vは2016年に国内販売が開始された5代目です。
  現在の主力マーケットは北米となるCR-Vですが、全長4605mm、全幅1855mm、全高1690mmとそこまで巨大なボディではありません。ただ、室内空間はゆったりしており、3列シートを備えた7人乗り仕様も用意されています。
  パワーユニットは1.5リッターダウンサイジングターボと、2リッター直4+モーターのハイブリッド仕様をラインアップ。
  北米市場ではすでに6代目が販売を開始していますが、SUVの新ブランドZR-Vが新たに国内投入されるため、新型CR-Vが国内販売される可能性は低いでしょう。
インサイト
 価格:335万5000円〜356万4000円
  狭山工場の閉鎖によりすでに国内仕様の生産が終了しているインサイト。ただ、在庫販売は続けられているため、まだ新車での購入は可能です。
  インサイトはファストバッククーペスタイルを採用し当時、世界最高の燃費性能を備えていた初代は1999年にデビューしました。
  続いてプリウスに対抗するため5ドアハッチバックとなった2代目が2009年に登場。
  現在販売されている現行モデルは2018年に国内デビューした3代目となりますが、2代目までとは違って主要マーケットは北米市場。現地では国内販売より半年以上前から販売が開始されました。
  先代シビックをベースに開発されたことでリヤフェンダーやピラー、ウインドウなどを共用していますが、ダイナミックなフォルムのシビックと比べて水平基調にこだわり、落ち着いた佇まいを表現。北米仕様とは違って日本仕様は格子グリルを採用し、精悍な表情を身につけています。
  インサイトには1.5リッター直4エンジン+モーターを組み合わせたe:HEVを搭載。ボディサイズは全長4675mm、全幅1820mm、全高1410mmと全幅こそやや広めですが、日本での使用も問題ないサイズとなっています。
アコード
 価格:465万円
  インサイト同様、すでに国内仕様の生産は終了し在庫販売のみとなっているアコード。
  現行型は10代目となるモデルで、国内では2020年から販売が開始されました。
  アコードの主要マーケットは日本ではなく北米となりますが、海外向けアコードが国内でそのまま販売されているわけではありません。北米仕様にはターボエンジンなどもラインアップされていますが、日本仕様のパワーユニットはハイブリッドのみが用意されています。
  アコードに搭載される「e:HEV」は2リッター直4エンジン+2モーターで、大排気量のマルチユニット並のトルクを発揮。「スポーツ」「ノーマル」「コンフォート」と3つのドライブモードを備え、変速はレバーではなくシフトボタンで行うことも特徴といえるでしょう。
  北米では11代目アコードがデビューしましたが、国内仕様のアコードがいつ販売されるかは現在未定です。
スポーツモデルに5ナンバーのワゴンモデルも!
中古で購入可能なホンダのハイブリッド車
シャトル
  2022年11月にラインアップ落ちしたシャトル。数少ない国産ワゴンのなかでもさらに貴重な5ナンバーサイズだったことで、現在は廉価モデルのみが販売されているカローラ・フィールダーが唯一の国産5ナンバーワゴンとなりました。
  シャトルはフィットシャトルの後継モデルとして2015年にデビュー。パワーユニットは1.5リッター直4ガソリンと、1.5リッターエンジン+モーターのハイブリッドが用意されました。
  シャトルの大きな特徴は、5ナンバーサイズにもかかわらず広大な室内空間を有していること。フィットゆずりのセンタータンクレイアウトを採用し、クラスを超えた居住性を実現しています。
  ラゲッジルームも570Lの大容量を誇りました。その広さはゴルフバッグを楽に4つ搭載できるほどで、ゴルフをされる方ならその広さは想像がつくでしょう。
オデッセイ
  2021年に生産終了となった5代目オデッセイ。4代目までのオデッセイより全高を高めたことなどで、実用性は大いに高められました。
  5代目は2016年にハイブリッド仕様を追加。モーターのみで走行する「EVドライブモード」、エンジンで発電した電力を使用しモーターで走行する「ハイブリッドドライブモード」、エンジンで前輪を駆動する「エンジンドライブモード」と3つのモードを備えています。
  ガソリンエンジン、ハイブリッド仕様ともにオデッセイの伝統とも言える走りの良さはミニバンにおいては際立っており、とくに専用サスペンションを装着するアブソルートは軽快感を味わうことができました。
NSX
  2022年10月に販売を終了した2代目NSX。バルブ経済に日本が沸いていた1989年に登場した初代の販売中止から約10年後となる2015年に、ハイブリッドユニットを搭載する新世代スポーツカーとして復活を果たしました。
  2代目のパワーユニットはミッドシップに配置した3.5リッターV6ツインターボと、3つのモーターを組み合わせたハイブリッドシステムを搭載。
  エンジンの最高出力は507馬力、3つのモーターを合わせた出力が122馬力とスーパースポーツカーらしいパワフルなパワーユニットを備えました。
  また左右前輪に配されたモーターが独立して自在に駆動する「SH-AWD」により、爆発的な速さと優れた旋回性を実現しています。
  2代目は2021年に出力を増しより加速性能を向上させたタイプSを発表。国内では30台限定の販売となり、このモデルが2代目の最終モデルとなりました。
グレイス
  3代目フィットをベースに開発されたコンパクトセダンのグレイス。ユーティリティ性能が高いフィットをベースに仕立てているため、グレースの居住スペースもゆとりある空間を実現。4.5mを切る全長しかないセダンとは思えないほどの広さです。
  デビュー時は1.5リッター+モーターのハイブリッド仕様のみが用意されていましたが、デビューから1年後には1.5リッター直4ガソリン車を追加。
  搭載されていたハイブリッドは「i-DCD」と呼ばれる電気モーターを内蔵したデュアルクラッチトランスミッションを備えるシステムで、燃費性能はもちろん優れた走行性能を両立することを目的に開発されました。
  2017年のマイナーチェンジで先進運転支援システム「ホンダ・センシング」を装備するなど改良が進められましたが、2020年に販売終了。グレイスの名も消滅しました。
CR-Z
  2010年に新世代のコンパクトスポーツカーとしてデビューしたCR-Z。
  日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞するなどエコとスポーツカーを両立したことで話題を集めましたが、販売的には失敗。モデルチェンジは行われず、1代でブランドが消滅してしまいました。
  CR-Zに搭載されたパワーユニットは1.5リッターエンジンにモーターを組み合わせたハイブリッドユニット。低燃費を実現しつつ、2リッター車並みの加速を実現したこのユニットは、スポーツカーらしい走行性能を可能としています。
  モーターに組み合わされるエンジンはLEA-MF6型1.5リッター直4。インサイト搭載の1.3リッターエンジンからストロークを延長して排気量を拡大したほか、SOHCのまま4バルブ化。最高出力84馬力(CVT仕様は83馬力)を実現しました。
レジェンド
  1985年に登場した初代以降、ホンダのフラッグシップセダンの座を務めていたレジェンド。
  2022年に国内販売が終了しました。
  最近まで販売されていたレジェンドは5代目となるモデルで、最大の特徴は2代目NSXと同じハイブリッド・AWDシステムを搭載していたことでしょう。
「スポーツ・ハイブリッド SH-AWD」と称されたハイブリッドシステムは、3.5リッターV6エンジンとCVTに内蔵されたモーター、そして後輪を駆動する2つのモーターで構成。システム最大出力は382馬力を誇ります。
  また先進支援運転技術「ホンダ・センシング」や、各種快適装備も満載。ホンダのフラッグシップセダンにふさわしい内容を備えていました。
クラリティPHEV
  FCV(燃料電池車)のフューエル セルとともに販売されていたのが、プラグインハイブリッド(PHEV)仕様のクラリティ。
  1.5リッターエンジン+モーターのパワーユニットを搭載し、2018年に国内での販売を開始しました。燃費は28.0km/L、EV走行は114.6km(ともにJC08モード)と実用性も十分。EV走行距離ではプリウスPHVの68.2km(JC08モード)を大きく上回っていました。
  また床下に搭載したバッテリーの配置を工夫したことで、後席足元の広さを確保。シート表皮にプライムスムースを仕様したことなどで上質さと機能性を両立しています。
  すでにクラリティは両タイプともに2021年に生産終了。PHEVの販売年数はわずか3年と短命に終わりました。
編集部おすすめのホンダのハイブリッド車はインサイトとシャトル
  いままで紹介したハイブリッド車のなかでおすすめしたいのは、特に個性的な2台。
  まず紹介文でも触れたようにホンダ車のなかでもとくにスタイリッシュな外観を備えるインサイト。実用性も十分で、なにより大人が似合うセダンとして、その佇まいには魅力を感じます。
  もう1台は11月に販売が終了したシャトル。貴重な5ナンバーステーションワゴンだということに加え、ユーティリティ性能の高さは他に類を見ないほど。実用性が高いことが大きな魅力です。
  趣味性という面ではやや魅力が劣りますが、利便性を重視するならシャトルはいまでも国産車随一の実力を誇ります。
ハイブリッドの中古車選びの注意点
バッテリーの劣化に注意
  中古車の購入を考える場合、気になるのが走行距離。当然、ハイブリッド車の場合も年式が同じであれば走行距離が短いほうを選びたくなりますが極端な低走行距離の車両は要注意。
  ハイブリッド車に搭載されている駆動用バッテリーは長期間乗らない状態が続くと自然放電が発生。性能が著しく劣化している場合があります。
  バッテリーの状態を走行距離で判断することは難しいのですが、バッテリー交換済みの車両を探す、購入前にバッテリーの状態をチェックしてくれる店舗で購入する、または車両に備わる燃費計をチェックしその記録を元に燃費が悪化していないかを確認する、などによりバッテリーの状態を事前確認のうえ購入しましょう。
リコール対策済みかを確認
  また、先代フィットやヴェゼルのハイブリッド仕様を中古で買おうと思っている場合は、リコール対策済みかどうかを確認する必要があります。
  先代フィットおよびヴェゼルのハイブリッド仕様は度重なるリコールが発生。デュアルクラッチトランスミッションやECUの制御プログラムなど、異なる原因で複数回のリコール対応が行われています。
  購入前、これらのリコールがすべて対応されているかどうかを記録簿や販売店を通して確認しましょう。
まとめ
  シビックタイプRと軽自動車を除けば、すべての車種にハイブリッド仕様を用意しているホンダ。ハイブリッド車のフルラインアップを構築しつつありますが、システム自体もトヨタのTHSや日産のe-POWERとは異なる興味深いユニットです。
  e:HEVがどのように進化するのか、また軽自動車にハイブリッドが搭載されるのかなど、ホンダのハイブリッド戦略が今後どうなるのか楽しみです。

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