「お金」のためにも「安全」のためにも得しかない! クルマの新品タイヤは「慣らし」が超重要だった

2022.11.13 13:00
この記事をまとめると
■タイヤは高価な消耗品だ
■クルマにタイヤを装着したら慣らし運転をするようにしたい
■慣らし運転の方法や効果について解説する
タイヤの慣らしは性能を引き出すための重要な作業
  クルマは買ったらずっと使える商品ではなく、消耗品の塊といった面もある。
  エンジンを積んでいるクルマであれば燃料補給は必要であるし、エンジンオイルなどの油脂類も定期的な交換が必要だ。そのほかブレーキやワイパーといった部品も消耗品である。
  今回、注目したいのは消耗品のなかでも高価な部類に入るタイヤだ。
  ゴムによって路面を掴んでグリップするという構造から、走れば走るほどタイヤは減っていく。トレッド面と呼ばれる路面と接地する部分の溝がだんだん浅くなっていくのは、それだけタイヤ表面のゴムが削れてしまっている証拠だ。
  そして、一定以上の摩耗が進むとタイヤは本来の性能を発揮できなくなり、交換時期となる。厳密にいえば、溝があったとしてもゴムが経年劣化するものなので、仮にガレージで何十年も大事に保管していたクルマであっても、安全に走ろうと思ったらタイヤを新しくしなければならない。
  前置きが長くなったが、あなたはタイヤを交換したときの「慣らし運転」を意識しているだろうか。
  モータースポーツを見ていると、新品タイヤにするとすぐさまグリップが上がるような印象を持つかもしれないが、市販タイヤの性能を引き出すためには慣らし運転が重要だ。
  慣らし運転が必要な理由は大きく3つある。
  もっとも重要で、タイヤの寿命を長くするのにもつながるのは、タイヤ表面のコンディションを整えるための慣らし運転だ。
  一般にタイヤ表面には製造時に必要なワックスがついた状態になっている。慣らし運転でワックスを剥がしてやることでタイヤは本来の性能を発揮できるようになる。
  ワックスを剥がすというと、クルマを左右にローリングさせて走らせると素早く剥がれるように思うかもしれないが、それはNG行為だ。右に左に激しくステアリングを操作して、タイヤをいじめるような走らせ方は、タイヤ内部に大きな負担をかけてしまう。
  タイヤというのはホイールと組み合わせて、適正なエアを入れることで理想的な形状になるよう設計されている。そのため、ホイールと組み合わせた直後は内部構造が適正な位置になっていないことがある。
  その状態で、タイヤが変形するような大きな力をかけると正しい形状に仕上がらないことがある。目で見てわかるほどの変形が起きるようなことは滅多にないが、少しのズレは長い時間が経つと偏摩耗といったカタチで可視化される。要はタイヤの寿命が短くなってしまうのだ。
  この段階での慣らし運転には、ホイールとの密着度を高めるという狙いもある。タイヤとホイールはエアによって圧着され、少しずつ変形することで結果的に落ち着いてホイールと一体になっていく。
  密着度が高まる前に激しくタイヤをこじるような走りをすると、しっかりとタイヤとホイールが一体化しない状態となってしまう。こうなるとトレッド面の接地状態も悪くなり、偏摩耗につながってしまうこともある。
  いずれにしても、タイヤとホイールを組み合わせた直後は、慣らし運転をすることが欠かせない。
ドライバーが新品タイヤに慣れることも重要
  その方法だが、多くのタイヤメーカーでは80km/h以下で100km程度の走行とされている。つまり、タイヤを交換した直後は、いきなり高速道路を走ったりせず、市街地走行をするようにしたい。
  当然ながら、慣らし運転の際はタイヤが大きく変形するような走らせ方は避けたい。急ハンドル・急ブレーキといった操作はNGといえる。もっとも、必要以上に気を遣う必要はなく、基本的にはおとなしく100kmほどの距離を走ればいいだろう。
  また、タイヤがホイールに馴染んでいくときに空気圧が下がってしまうこともある。新品タイヤの慣らし運転をしているときは、こまめに空気圧を確認して規定値をキープするようにしたい。
  さて、タイヤの慣らし運転が必要な理由として、タイヤ自体のコンディションを整えるため、ホイールとの一体感を高めるためというふたつの理由を記してきたが、もうひとつドライバーが新品タイヤに慣れるためというのも大事な理由だ。
  サマータイヤが減ってきたので、新しいサマータイヤに変えたとき、表面のワックスが取れてくると基本的には交換前よりグリップが高くなる。こうしたケースでは性能が上がるわけだから危険なことは起きづらいが、サマータイヤからスタッドレスタイヤに換えた直後は、舗装路でのグリップ性能が落ちていることが多く、同じ感覚で走ると思ったように止まらない・曲がらないなんてこともあり得る。
  新しいタイヤにドライバーがアジャストするためにも「慣らし運転」を活用したい。
  なお、タイヤの慣らし走行というと新品タイヤに入れ替えたときに意識しがちだが、じつは新車を購入した際にもタイヤは新品状態である。クルマの慣らしと同時に、タイヤの慣らしも意識しておくといいだろう。

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