子どもハートに突き刺さったのは伝説の国産スーパーカー! 【いつか乗ってやる! 子どものころに憧れたクルマ〜山本晋也編〜】

2022.11.03 11:40
この記事をまとめると
■自動車コラムニストの山本晋也氏が憧れたクルマを振り返る
■スーパーカーブームのころにはすでにクルマ好きではあったが欲しくはならなかった
■モーターショーで見て衝撃を受けたクルマを愛車として迎え入れることに成功した
スーパーカーに憧れはあったが欲しくはなかった!?
  モータージャーナリスト、自動車評論家といった肩書で活躍されている方々は、子どもの頃からクルマ好きで、それが高じて自動車に関わる仕事についている……そんなイメージが強いかもしれません。自動車コラムニストと名乗っている筆者も、いつの頃か記憶にないくらい昔からクルマには興味があったような気がしています。記憶が曖昧なので明言はできないのですけれど。
  クルマへ興味を持つことになった原体験といえるのが1970年代に日本を席捲した「スーパーカーブーム」です。
  筆者は1969年生まれ、元号でいうと昭和44年男です。スーパーカーブームの真っ只なかに小学生でした。ご多分に漏れずフェラーリ512BBだとか、ランボルギーニ・カウンタックといった名前を必死になって覚えたものです。
  マセラティ・メラク、ロータス・エラン、ポルシェ924など、いま考えればスーパーカーというにはパフォーマンスが微妙なクルマであっても、リトラクタブルヘッドライトというだけでスーパーカー認定していたのも小学生の基準だったからでしょうか。
  とはいえ、そうしたスーパーカーに対して「いつか乗ってやろう」という感情はまったく湧きませんでした。自分にとってはヒーロー物のテレビ番組に出てくる主人公の愛車と同じようなフィクションの乗り物という認識だったのです。
  そうしたなかで、もっとも魅かれたのは日本が生んだスーパーカー「童夢・零」でした。全高98cmと平たいウェッジシェイプのフォルムは小学生には刺さりまくったのです。残念ながら童夢・零は量産に至らなかったのですが、いまでも欲しいと思う1台です。
  そうしてスーパーカーブームでクルマ好きの道へ誘われたものの、中高生の時代はクルマ大好きというわけではありませんでした。モビリティへの興味といえば、通学に使っていたママチャリくらいで、それもちょっとしたステッカーチューンくらいで満足するというレベルだったのです。
  そんな自分が再びクルマへ興味を持つキッカケとなったのが、1985年に登場したダイハツ・ミラターボTR-XXでした。スポーティとは無縁と思っていた軽自動車にエアロパーツをつけ、ターボエンジンをアピールするエアインテークがボンネットに追加されたスタイルが高校生だった自分にはズキューンと刺さったのでした。
  TR-XXの訴求カラーだった赤黒2トーンが刺さったのは、もしかすると「デ・トマソ」のイメージをそこに感じたからで、それはスーパーカーブームの呪いだったのかもしれません。
衝撃を受けたコンセプトカーは自身の愛車にまでなった
  そんな高校生が同時期に憧れたのはAE86カローラレビンでした。1985年頃には、まだドリフトムーブメントはなく、ハチロクは手頃なスポーツクーペといった位置づけ。高校を卒業したらバイトして買えるかも、などとリアルな妄想が膨らんだものです。
  そして、なぜがハチロクについてもパンダカラーと呼ばれる白黒2トーンが憧れでした。ボディ形状的には3ドアハッチバックより2ドアクーペのほうが好みでしたが、それよりもパンダカラーであることのほうが自分にとっては重要だったのです、不思議なことに。
  インターネットもなかった当時ですから、中古車の情報源は雑誌が中心という時代。また、先輩や友人といったつながりも中古車を見つけるには重要なネットワークでした。正直、そうしたなかで、憧れたパンダカラーのハチロクとの出会いもあったのですが、結局縁がないまま時間は過ぎていきました。
  そして、成人を迎えて最初に開催された東京モーターショーで衝撃の出会いがありました。それがマツダ・オートザムのブースに飾られていた「AZ550」です。のちにオートザムAZ-1として発売されることになるマイクロスーパーカーは、リトラクタブルヘッドライトと赤黒2トーンという自分の大好きな要素を持っていたのです。
  市販されたときにはヘッドライトは丸型の固定式となっていましたが、赤とガンメタの2トーンカラーに、正統派ガルウィングドアの組み合わせは、自分の理想が実現した1台と感じたものです。
  仕事の関係もあって、AZ-1の兄弟車であるスズキ・キャラ(もちろん赤いボディカラー)を手に入れることができたのは20代半ばのことでした。ようやく憧れが現実になったのです。
  学生時代に憧れたショーカーの量産版を愛車にするという体験は、自動車コラムニストとしての自分には欠かせない体験でした。もっとも、AZ-1(キャラ)の乗り味は非常にスリリングで、乗りやすいとは言い難いものでした。それも「あばたもエクボ」となっていったのは惚れた弱みだったのかもしれません。

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