N-BOXはバカ売れもN-VANは大苦戦!? ハイゼット&エブリイに大差を付けられるも「負けじゃない」と言えるワケ

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2022.10.14 17:30
この記事をまとめると
■軽バンの三大モデルといえるハイゼットカーゴ、エブリイ、N-VANだが売り上げでN-VANは他2台に大きく劣っている
■N-VANはパッケージングで他2台よりも不利で、ホンダはセミキャブスタイルの軽バンを用意すべきとの声もある
■かつてホンダが用意していたセミキャブスタイルの軽バンに比べるとじつはN-VANはかなり売れている
二強一弱状態となっている軽バン市場
  トラック以外の軽商用車のことを「軽バン」と呼んで、趣味のクルマとして愛でるという文化が盛り上がっている。最近ではスズキからスペーシアベースが登場したことも、軽バン市場に刺激を与えている要素だ。
  そんな軽バンの三大モデルといえるのが、ダイハツ・ハイゼットカーゴ、スズキ・エブリイ、ホンダN-VANだ。このなかでN-VANは売れていないという指摘を目にすることもあるが、はたして軽商用車の販売状況はどうなっているのだろうか。
  まずは、全軽自協による2022年度上半期(4月~9月)の販売統計データから軽バンを抜き出して整理してみよう。
  1位 ダイハツ ハイゼットカーゴ 4万4209台 2位 スズキ エブリイ 2万8318台 3位 ホンダ N-VAN 1万4810台 4位 日産 NV100クリッパー 1万1620台 5位 トヨタ ピクシス 2897台 6位 三菱 ミニキャブバン 2129台 7位 マツダ スクラムバン 1914台 8位 SUBARU サンバーバン 1859台
  ちなみに4位以下のモデルはハイゼットカーゴもしくはエブリイのOEM車。ピクシスとサンバーがハイゼットカーゴのOEM、NV100クリッパーとミニキャブバン、スクラムバンはエブリイのOEMだ。
  それらを合算して独自にランキングを計算すると次のようになる。
  ハイゼットカーゴ系 4万8965台 エブリイ系 4万3981台 N-VAN 1万4810台
  ハイゼットカーゴ、エブリイともOEMを含めると半年で4万台以上を売っているにもかかわらず、N-VANは1.5万台以下。シェアだけでいえば軽バン市場は二強一弱といえる。
  その理由として、N-VANはN-BOX系のFFプラットフォームを採用していることによるパッケージ面での不利なところが指摘される。ハイゼットカーゴやエブリイはエンジンの上に運転席を置くFRベースのセミキャブスタイルで、全長が同じ軽自動車であればFFよりもセミキャブスタイルのほうが荷室を広くできるのは事実だ。
軽バン市場の勝敗は電動化でどこが主導権を握るかに注目
  こうした結果を見て、ホンダはFFベースのN-VANを出すのではなく、他社と同じようなセミキャブスタイルの軽バンを用意すべきだ、という声もある。たしかに2018年夏にN-VANがデビューする以前、ホンダは軽バン・カテゴリーにはアクティやバモスホビオというセミキャブスタイルのモデルを用意していた。
  ただし、かつてのアクティがダイハツやスズキのライバルモデルと互角に戦っていたかといえば、そうではないのもファクトである。たとえば2017年度上半期のキャブオーバーの軽バン販売の数字を振り返ると以下のようになっていた。
  スズキ エブリイ 3万4549台 ダイハツ ハイゼットカーゴ 2万8252台 ホンダ アクティバン+バモスホビオプロ 4007台
  ホンダの軽バンは、勝負権がないほど不人気だったのは明らかだ。ホンダがセミキャブスタイルの軽バンを諦め、FFベースのN-VANにしたからといってライバルをキャッチアップできていないのも事実だが、アクティ時代に比べれば販売シェアにおいて大きくプラスになっていることもまた事実である。
  結論をいえば、アクティ時代以上にN-VANを売っているということは評価すべきであって、ライバルの後塵を拝していることを批判するのはお門違いといえる。アクティの状況を考えれば、ホンダはセミキャブスタイルの軽バンを出すべきという主張に勝機は感じられない。
  ホンダはハイゼットカーゴ&エブリイというライバルに真正面から立ち向かうのではなく、違う路線で勝負をかけている。その結果として冒頭でも記したようにスズキがスペーシアベースという似たようなコンセプトのニューモデルを出してきたということは、ホンダの戦略が有効であることの証左といえるだろう。
  なお、軽バンについては一気に電動化する未来も予想されている。すでにダイハツとスズキが共同開発を進めている電動・軽バンについては2023年度にも登場することがアナウンスされている。ホンダも2024年には軽商用EVをローンチするということを発表済みだ。
  もはやガソリンエンジン車で軽バン市場の勝敗を考えるフェイズは終わっている。たしかにハイゼットカーゴは2021年末にフルモデルチェンジしたばかりであるが、軽バンの電動化において、どちらが主導権を握るかに注目すべきタイミングだ。

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