「楽しい」の感覚は人それぞれ! それでもあえて「走りが楽しい」と推せる国産車5選

2022.10.08 10:00
この記事をまとめると
■運転するのが楽しい国産車をピックアップ
■KPCを搭載したマツダ・ロードスター990Sは運転の楽しさに没頭できる
■そのほか、WRX S4やシビック、フェアレディZ、GT-Rなども運転が楽しい
人馬一体の走りが楽しい軽量スポーツカーのロードスター
  運転の楽しさに優劣をつける意味はない。日本人としてはじめてF1レーサーとなった中嶋悟は、かつて、「軽トラックさえ運転を楽しめる」と語ったと伝えられる。走りをどう体感するかで楽しさは生まれ、また楽しいという感触は、人それぞれの価値観や見方から異なるからだ。
  それでも、最初に浮かぶのは、マツダのロードスターだ。ことにKPC(キネマティック・ポスチャー・コントロール)と呼ぶ電子制御を搭載した990Sは、上級車種を選ぶ理由を薄れさせるほど、運転の楽しさに没頭させる魅力がある。
  KPCとは、後輪サスペンションのアンチリフト設計を活かし、加えて旋回内輪のブレーキを適正制御することによって車体の傾きを抑え、旋回中の姿勢を安定させる機構だ。ハンドルをわずかに切りはじめたときから前輪が的確に進路を定め、旋回中も進路のぶれが少なくカーブ出口を目指せる。
  マツダは、KPCの制御と関係はないというが、直進性も落ち着きを増し、走行全体に安定し、安心が高まり、運転に没入できるのだ。KPCは、ロードスターの上級車種にも採用されているが、効果をもっとも実感できるのが990Sであり、装備に追加の必要が無ければ、廉価な990Sでロードスターの魅力を存分に味わえる。廉価車種なので、ロードスターへの身近さも高まる。
  つぎに、印象深いのはホンダ・シビックだ。3ナンバーの前輪駆動(FWD)車で4ドアセダンでありながら、ガソリンターボ車、ハイブリッドのe:HEVを問わず、壮快な運転を味わえ、5ナンバーの2ドアクーペ的な走行感覚がある。
  FWDでありながら、タイプRだけではなくシビックという4ドアセダンすべてでこの感触が得られるのも、50年という歴史に支えられ、積み重ねられた技術の成果ではないか。
  SUBARUは、BRZでFR(フロントエンジン・リヤドライブ)のスポーツカーに取り組んでいるが、2代目となったいまも成熟にはまだ道程がありそうだ。一方、WRX S4をサーキットで運転したとき、完成の域に達したと感じられる運転感覚に夢中になった。
  1972年にレオーネのエステートバンで4輪駆動(4WD)をはじめて採用し、3年後の1975年に乗用の4ドアセダンに4WDを設定して以降、磨き続けたAWD(全輪駆動)がWRX S4をここまで導いたのだと感動した。完熟の走りには年月が必要なことを教えてくれる一台だ。
  シビックもWRX S4も、いまはやりのSUV(スポーツ多目的車)ではなく、クルマの基本形といえる4ドアセダンで運転を楽しませるところに、実用性と走りの両立を叶えるセダンの価値を改めて我々に教えてくれる。
日産の2台のスポーツカーは日本の誇り
  そして外すことのできないのが、日産のフェアレディZとGT-Rだ。最新のZとGT-Rは公道で運転していないが、Zはテストコースで試乗することができた。1969年に初代が誕生して以来、アフォーダブル(身近に手に入れられる)スポーツカーの価値を守り続けたZは、新型で7代目となるが、スポーツカーらしい高性能さと手の届く値段との両立で、やはり完成の域に達した一台といえるのではないか。
  あいにく雨模様のテストコースであったが、安全に高速運転を楽しめた。53年に及ぶ歴史が、この完成度をもたらしたのだろう。
  GT-Rは、最新の2022年仕様を運転したことはない。だが、2007年に日産GT-Rとして誕生して以来、日本の超高性能GTとしての圧倒的な走りは、その真価に変わりはないはずだ。そして、年を重ねるごとに洗練さを増してきた。
  いまでは1000万円を超えるが、機会があれば、初代が開発目標とした「時速300キロで普通に会話のできる」性能が、どれほど異次元であるかを体感する価値はあるだろう。
  米国で絶大な支持を得るZと同じように、世界に比肩するGT(グランド・ツーリング)として、日本の誇りとなる超高性能車だ。

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