まさかの総距離300km超え! 激レアな「幸運の黄バイ」とは? 女性パトロール隊員&社員に聞いた知られざる「首都高の秘密」

2022.10.07 17:20
この記事をまとめると
■「女性ドライバー応援キャンペーン」が開催
■首都高の女性パトロール隊員と女性社員の方からお話を伺うことができた
■この記事では首都高の秘密やパトロール隊員の仕事について解説する
首都高の総延長距離は約327km!
  東京都心から神奈川、千葉、埼玉を結んで網の目のように延びている首都高速道路。東京にクルマで来た人なら、一度は走ったことがあるのではないでしょうか。そんな首都高速道路の安全を守っているのが、首都高パトロール株式会社。実際に首都高をくまなく走り、異変がないか、落下物など事故の原因となるものはないかなどを見て、何かあれば対応する巡回業務をはじめ、カメラなど多様な交通管制機器を駆使して、情報収集と適切な対応を指示する管制業務など、首都圏の交通大動脈となる首都高を常に守ってくれています。
  そんな首都高パトロールに、女性隊員が活躍しているのをご存じでしょうか? 今回はA PITオートバックス東雲とOKISHU(吉田由美/まるも亜希子)の共催となったイベント「女性ドライバー応援キャンペーン」で、首都高の女性パトロール隊員と女性社員の5名に貴重なお話を聞くことができました。
  まずは、意外と知らない「首都高ってどんなところ?」。なんと総延長距離は約327kmもあり、まっすぐ伸ばすと東京から愛知くらいまであるんです! 1962年12月に首都高が初めて開通した時は、京橋~芝浦までのわずか4.5kmだったというから、この60年で72倍以上に伸びたということになります。1日に通るクルマの台数は、約94万台。その安全を守るために24時間365日、多くの方が日々仕事をしてくれています。
  続いて、女性パトロール隊員も自ら運転して首都高を走り、業務に当たっているパトロールカーといえば、黄色いランドクルーザー。LEDの回転灯が車両のあちこちに取り付けられていて、夜間でもしっかり認識できるようになっています。カメラも複数が取り付けられていて、走る情報収集車ともいえるのだそう。サイレンは現在は電子サイレンですが、1960年代は機械式のモーターサイレンを採用しており、足もとにあるスイッチを踏むことで連続して鳴らしていたというから、かなり進化していますね。
  また、見かけたらラッキーなことがあるという都市伝説まで出ているのが、首都高の山手トンネルでしか見ることのできない、通称「黄バイ」。これは白バイにも採用されている400ccのバイクに、ほぼ同様の回転灯やスピーカーなどを装備したパトロールバイクで、9台保有するうち6台が山手トンネルの入り口、中間地点、出口に分かれて配備されています。
  というのは、山手トンネルは約18.2kmと道路トンネルとしては日本一の長さを誇り、世界でも第2位の長さ。そのため、トンネル内で事故や火災などが起こった際にバイクの機動力を活かしていち早く駆けつけ、お客さまを安全に早く避難させるための処置を行うために配備されたもの。民間としては初めて、警察と消防以外で緊急指定を受けた二輪車となっているんです。回転灯とスピーカーが前に2個ついているのは白バイと同じですが、黄バイの特徴はスピーカーが後ろにもついているというところ。避難するために先導する際に、後続車両にも声が届くようになっているのです。また、両脇についている黄色いボックスには、道路規制ができるような発煙等やライトといった道具のほか、命をつなぐための最低限の水や食料も積んでいるのだそう。頼もしいですね。
パトロール隊員は1日平均110件もの事象に対応
  さて、では首都高でパトロール隊員が対応する事象の件数はというと、なんと年間約40,000件(2021年度)。1日平均にすると約110件にものぼります。そのため、首都高ではさまざまな安全対策を行なってきており、事故が起こりやすい合流やジャンクション、出入り口付近までの標識を改善。たとえば分岐までの距離表示板は分岐まで700m地点、500m地点に設置したり、標識を車線レイアウトがわかりやすいイラストに改良して、自分がどの車線を走ればよいのか、ひと目で分かりやすくなっています。
  また最近では、歩行者などが出入り口から首都高へ誤って入ってしまうことが増えており、立ち入り対策も強化。一部の出入り口では、歩行者などが入ろうとするとセンサーが検知し、「危険ですから立ち去ってください」といったアナウンスが流れるようになっているとのこと。女性隊員からは、「もし歩いている人を見かけたら、警察へ110番するか、道路の通報ダイヤル#9910へ知らせてほしいです」とのことでした。
  そして、事故や故障などで出動した際に、「女性隊員でよかったな」と感じたエピソードを教えてもらったところ、事故処理などが長時間になるとトイレに行きたくなる方が多く、「女性が来てくれたので言い出しやすくて助かりました」と言われることがあったそう。女性ならその気持ち、わかりますよね。
  また、管制室でお客さまからの事故や故障の通報を受けた際には、パニックになっている場合が多いので、なるべくゆっくりとした口調で応対し、心を落ち着けてまずは安心してもらえるように、話し方や速さに気をつけているという女性隊員も。仕事の随所に女性らしい細やかな心遣いがあふれていると感じるエピソードでした。
  首都高を自分で運転するのはちょっと怖い、難しそうと感じている人もいるかもしれませんが、こうした女性パトロール隊員と女性社員のみなさんが、しっかり私たちの安全を守るために仕事をしていることを知ると、すごく安心できるのではないでしょうか。
  レインボーブリッジやスカイツリーなど、東京ならではの絶景も楽しめる首都高速道路。「ぜひ多くの人にドライブを楽しんでもらえたら嬉しいです」と笑顔で話してくれた女性隊員の皆さんでした。

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