ホンダPU使いは全員第一セクターがお気に入り! 鈴鹿を前に「レッドブル&アルファタウリ」の4ドライバーがメディアのド直球質問に答えた

2022.10.07 17:00
この記事をまとめると
■2022年10月8日〜9日に鈴鹿サーキットにてF1日本GPが開催される
■レースに合わせてホンダ製PUを搭載するF1マシンを操るドライバー4名が来日
■メディア向けのQ&Aセッションに参加し、ここでしか聞けない話をぶっちゃけた
3年ぶりの鈴鹿サーキットに選手たちは大興奮
  2022年10月8日(土)〜10月9日(日)、日本が世界に誇るテクニカルサーキットである「鈴鹿サーキット」にて、世界最高峰のモータースポーツであるF1の第18戦目となる「Honda日本グランプリ(以下日本GP)」が開催される。なお、同レースはコロナウイルスの影響もあり中止が続いていたため、3年ぶりの開催だ。チケットはすでに完売していることからも、その人気を伺うことができる。まさに日本のモータースポーツ界で最大級のイベントと言っても過言ではないだろう。ちなみに、「Honda」とつくのは、今大会のタイトルスポンサーを務める関係があるからだ。開催地がホンダの聖地とも言える鈴鹿サーキットなので、タイトルスポンサーを冠していることはファンとして嬉しいポイントである。
  そんな日本GPの開催に先立って、ホンダ製PU(パワーユニット)を搭載する「スクーデリア・アルファタウリ」と「オラクル・レッドブル・レーシング」のドライバー計4名が、10月5日に東京の渋谷にて関係者のみを招待して行われたトークショーに参加。その模様をお伝えしよう。
  今回のトークショーは「Q&A」セッションがメインとなっていることから、事前に関係者からいくつかの質問を受け取り、それに答えていくという流れで行われた。
  最初は、久々の日本人F1ドライバーとして大活躍している角田裕毅選手と、日本でSF(スーパーフォーミュラ)での出走経験を持つピエール・ガスリー選手が所属する「スクーデリア・アルファタウリ」のセッションからスタート。
  まずは両名に「鈴鹿で開催される日本GPへの意気込みは?」との質問が始まった。
  ガスリー選手は「鈴鹿はSFで何度も走っている思い出のあるサーキットのひとつとして、さまざまな思い出が残っている。当時ほぼ無名だったはずの僕にも日本のファンが大勢集まってくれたのはとても嬉しかった。今でも日本のファンには感謝しているので、いい走りを見せたいね」とのこと。
  角田選手は。「鈴鹿をF1で走ることは小さい時からの夢だったので、それがようやく叶います。なにせ、ファンとしてずっと通って見ていたレースでもあるので、その思いは人一倍強いです。当日はファンの皆さんに喜んでいただけるようなアグレッシブな走りを見せたいと思いますので、応援よろしくお願いします」と意気込みを語ってくれた。
  続いて、「鈴鹿に対する印象や思い出はありますか?」との質問。
  この質問にガスリー選手は、「印象としては、あんなにアドレナリンが出るエキサイティングなコースは鈴鹿以外ないと思っている。思い出としては、SFに参戦し始めた当時、当時ほぼ無名だったはずの僕にも日本のファンが大勢集まってくれたほか、僕自身でもいつのかわからないような昔の写真を大事に持っていてくれているファンもいてとても嬉しかった。今でも日本のファンには感謝している。嫌な思い出としては、2017年のシーズン終わりにポイントリーダーと0.5ポイント差という僅差だったのにも関わらず、台風で出走できずにチャンピオン争いができなかったことだね。今回の大会でもっといい走りをしてその思い出を払拭して、いい思い出を残したいね」
  角田選手は「鈴鹿はとても思い出深い場所ですね。レーシングスクールなどを含めて世界で1番走ったコースだと自負しています。数千から数万周は走っているほか、コーナーの性質やバンプなどの情報もすべて持ってます。これが今回の日本GPでいい方向に働くかなと。最後に走ったのは2017年にF4で走ったのときですが、この時は2分7秒前後。F1だとこれより40秒近く速いので、2、3倍早送りしたような感じで全然違います。自分にとって新しい鈴鹿が見られるかなと思ってます。ベストレースは2018年の鈴鹿で優勝したことですね。予選ではコースレコードも取れて、決勝も2位から抜き返したあとすぐにクラッシュがあり、セーフティカーが入ってそのまま終わった形で勝てたので、『あの時抜かしておけばなぁ』というモヤモヤが残らなかったのもよかったですね」
  3つ目。こちらは「鈴鹿で好きなコーナーはありますか?」という問い。
  これにはガスリー選手は「1コーナーから7コーナーあたりまでの第1セクターです」とのこと。
  角田選手は「全部好きですけど、やっぱ1コーナーを含めた第1セクターですね。あれほどの場所はどのコースでもないですね。デグナーも一部凹みなどあってマシンが乱れる場所などあるので、そういった場所を探りながら走るのも楽しいですね」と、鈴鹿を知り尽くしたドライバーならではの答えが返ってきた。
  4つ目の質問として、「オーバーテイクのポイントはありますか?」と、世界最高峰のプロドライバー2名に直撃。
  ガスリー選手はここで「トップを走って、そもそも僕が抜くような展開にならないようにしたいね(笑)」と、本気なのか冗談なのかわからない攻めの回答が。「リーダーでなければ最終のシケインから1コーナーまでの間かな」とのこと。
  角田選手は「ピエーエルは知っておいたほうがいいけど、前を走るのは僕だから(笑)」と、こちらも譲らない回答。「もし抜かすなら1コーナーか、シケインでブレーキングを生かして抜きたいし、それがドライバーの僕的には好きな走り方です」と、走り出す前に注目しておきたいポイントを語ってくれた。
  5つ目には「悔しかったレースや良かったレースなど最近の動向はどう思うか」という質問。
  ガスリー選手は「昨年よりマシンの調子がイマイチだったり、チームの方向性を変えた影響で思うような結果にならなかったのは事実。しかし、ここ4レース中3レースは調子いいので、鈴鹿もそのペースで行きたいね」
  角田選手からは「アゼルバイジャンのレースですね。このレースで発生したトラブルの影響でノーポイントなのが痛かった。よかったのは今年前半のイモラでのレース。予選の順位はよくなかったが、決勝では7位だったのでそこがよかった。オーバーテイクが多く決まったので、今後の糧になりました」と語った。
  そのほかに、「日本に来てしたいこと、食べたいものは?」といったF1以外の質問も問いかけた。
  ガスリー選手は「シンガポール直後なのであまり時間がなかったほか時差がキツい。昨日はユウキとカラオケに行ったよ(笑)。今週の思い出は何が起こってもこれが1番だろうね。本当は渋谷とか新宿で買い物もしたいけどちょっと今回は厳しいかなぁ。なので、今シーズン後に日本で開催されるホンダ・レーシングサンクスデイのついでに来ようかなと検討中」と多忙なトップレーサーならではの悩みを吐露。
  故郷に久々の帰還となった角田選手は「昨晩のカラオケは……酷かったのでもっと練習したいですね(笑)。サンクスデイのタイミングでリベンジしたいです。ガスリーが言ってた新宿や渋谷もそうですけど、表参道や原宿、中目黒とかにも連れていきたいですね。ちなみに、僕はもつ鍋が大好物なのでそれは初日に食べました。鈴鹿に行ったら松坂牛を食べたいですねやっぱり。ちなみに食べたいものリストを作ってあります」と、多忙のなかでなんとかして故郷の食べ物を楽しみたいとのことだ。
  最後に両名に日本のファンへひと言を質問。
  角田選手は「来期も走れることになったのでひと安心です。これにより大きな悩みごとも減りました。本田技研工業株式会社やレッドブル・ジャパン、スクーデリア・アルファタウリには感謝しています。ありがとうござます。最近自分で”1発の速さ”に関しては成長できてるなと実感してきており満足しつつあります。もっと上を目指して成長したいですね。あと残り5レースも落ち着いて終えたいなとも思ってます。ガスリー選手からいろいろ学びつつ、来年に繋がるような走りをしていきたいです」
  ガスリー選手からは「日本には多くのファンがいることに、心から感謝したいと思ってます。私のファンには日本の方々が多く、海外のレースにまで来てくださっていることも知っています。鈴鹿に来ていただいた方々にエキサイティングなパフォーマンスを見せて、今まで会えなかった分だけいい結果を残してお祝いできるようにしたいです」
  と、限られた時間ながら多くのことに答えて頂いた。
昨年のF1王者フェルスタッペン選手が来日!
  続いては「オラクル・レッドブル・レーシング」より、昨年ホンダ製PUを搭載したマシンで30年ぶりにドライバーズチャンピオンを獲得したほか、現在ポイントリーダーでもある絶好調なマックス・フェルスタッペン選手と、2021年よりレッドブルにてF1マシンを操り、現在ポイントランキング3位と絶好調なセレジオ・ペレス選手の両名が登壇。
  両名へ最初にぶつけられた質問は「3年ぶりの鈴鹿はどんな気持ちですか?」という内容。
  フェルスタッペン選手は「鈴鹿は世界で見ても素晴らしいサーキットということもあり、この日を凄く楽しみにしていた。また、F1のプラクティスで初めて走ったのが鈴鹿ということもあり思い入れもある。雨が心配だが、それはそれで刺激があっていいかなと。ちなみに好きなコーナーは1コーナーと2コーナーだよ」と語ってくれた。
  ペレス選手からは「鈴鹿は特別なサーキットだと考えてます。雨が心配だが、それはそれで楽しみだね。あと、日本のF1ファンはちょっと特殊で、雨が降っても絶対見てるしね。鈴鹿でホンダが関わるという経験も楽しみにしているよ」とのこと。
  次の質問はアルファタウリの両名にも問われた内容と同じ「鈴鹿に対する印象や思い出は?」というネタ。
  フェルスタッペン選手は「多くの思い出はあるけど、ファンからの応援は凄く印象に残ってるね。プレゼントなんかもいっぱい貰ったよ。とにかく日本のファンはドライバーへのリスペクトが凄いんだ。これほど嬉しいことはないね」と、日本のファンへの感謝を語った。
  ペレス選手からは「僕もファンからの応援かな。世界中で走ってるけど日本のファンはいい意味で特殊だね。今回はこんな環境下で表彰台に立ちたいと思ってるよ。チームにとってもいいレースになるよう頑張ります」と、こちらもファンの熱狂ぶりをドライバー目線で答えてくれた。
  3つ目の質問はフェルスタッペン選手に対してかなりマニアックな内容となった。こちらは「鈴鹿サーキットと、オランダGPを開催しているザント・フォールトサーキットはジョン・フーゲンホルツ氏が設計に関わったコースなんですが、何か共通点など感じたことはありますか?」という質問。
  フェルスタッペン選手は「どちらもオールドスクール(古き良き)なサーキットだね。どこでもそうだけど、このふたつのコースは1ミスがとくに命取りになったりするよ。そういった意味ではドライバーにとってチャレンジングなコースだね。今年はいよいよどっちも走れる年となるので、感慨深いね」
  4つ目は「鈴鹿で好きなコーナーやセクションはありますか?」という内容。
  フェルスタッペン選手は「やっぱ好きなのは第1セクターだね。けどここは、1コーナーでラインを外すと後半どんどんキツくなる傾向にあるのと、雨予報があるのでそこも今は心配かな。世界のサーキットも鈴鹿を真似しようとしてるけど、やっぱりこの”芝や砂利”があるオールドスクールな雰囲気は鈴鹿ならではだね」と、鈴鹿へ対する愛を語った。
  ペレス選手からは「僕も第1セクターかな。マックスが語ったように、全セクション的確にやらないと誤魔化しが利かないサーキットではあるんだけどね。けどこの第1セクターは、まわりのペースに合わすことなく自分のレベルに合わせた走りをしないとなので、自分磨きにもいい場所と思ってるよ」と、こちらも第1セクターがお気に入りな様子。
  結果的に、スクーデリア・アルファタウリと、オラクル・レッドブル・レーシングの4名全員が第1セクターがお気に入りという回答となった。やはり鈴鹿は、世界トップクラスのドライバーから見ても魅力の塊な様子。
  5つ目には「今期はオラクル・レッドブル・レーシングが絶好調ですが、その理由はなんですか?」と直球な質問。
  フェルスタッペン選手からは「秘訣はないけど、チーム全員で最高のマシンを作り上げようと取り組んだ結果だと思っている。僕らはやるべき仕事をして、スタッフ側はスタッフ側でやるべきことをやる。それだけかな。今シーズンはもっと頑張れた展開もあった気がするけど、全体的にいい展開で来れてるね。ベストなチームだよ。この勢いのまま鈴鹿を戦い抜きたいと思ってる」
  ペレス選手は「チームワークが素晴らしい。コンストラクターズチャンピオンも狙えると思うよ。けど、クルマの性能差はそんなに感じなかったかな。とにかくチームワークが特別で、完成度が高いね。残りも頑張るよ」
  6つ目は「先日までのハイライトや、1番印象に残ってるレースを聞かせてください」という問いかけ。
  フェルスタッペン選手は「シンガポールかなぁ……と、言いたいけどひとつ選ぶのは難しいね。ハンガリーとかモンツァみたいに、後ろからスタートしつつもチームワークやピットワークも功をなして順位が上がったようなレース展開になったステージはどれもよかったね」
  ペレス選手は「やっぱりモナコだね。ここで勝つのは僕の夢だったからね。コンディションは難しかったけど、チームのおかげでなんとかなったよ」と、モナコGPでの勝利を振り返った。
  最後の質問は「日本のファンへ向けて意気込みを含めてひと言」
  フェルスタッペン選手からは「もちろんレッドブルのワンツーでレースを終えたいね。コンディションが読めないのが心配だけどね。ようやく鈴鹿で走ることができるので、エキサイティングなレースになるよう頑張るよ」と意気込みを語った。
  ペレス選手からは「いい意味でエンターテイメントになるよう一生懸命頑張るよ。コンディションに関わらず、今までもいい戦いになっているので、よりいいレースを鈴鹿で見せれると思う」と語った。
  今週末は、3年ぶりに鈴鹿サーキットでF1の日本GPが開催されるとのことで早くも関係各所では大盛り上がり。先述したようにチケットは完売しているほどだ。
  また、今回の日本GP開催に併せて、ホンダ及びHRCより、今回の日本GPからの残りの2022年シーズン中、オラクル・レッドブル・レーシングとスクーデリア・アルファタウリのマシンに、HRCのロゴに加えてあらたに「Honda」のロゴが導入されるという朗報が舞い込んだ。「Honda」の名前が再びF1の舞台に戻ってくるのだ。
※画像はイメージ
  そのほか、オラクル・レッドブル・レーシングのセルジオ・ペレス選手が、ホンダ・レーシングスクール・鈴鹿(以下、HRS)のアンバサダーに就任し、11月に開催されるHRSの生徒に向けたドライビングアカデミーへ参加する。
  そして最後に、2022年11月27日(日)にモビリティリゾートもてぎで開催される「Honda Racing THANKS DAY(ホンダ・レーシング サンクスデー)2022」にオラクル・レッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペン選手、セルジオ・ペレス選手、スクーデリア・アルファタウリのピエール・ガスリー選手、角田 裕毅選手の計4ドライバーが参加することも発表された。惜しくも鈴鹿で日本GPが見れなかったファンも、もてぎで彼らの走りが見られるかもしれない(予定は変更の可能性あり)。
  いよいよF1の咆哮が鈴鹿に帰ってくるとのことで、居ても立っても居られないファンも多い勢いることだろう。故郷であるホンダのPUを搭載する「スクーデリア・アルファタウリ」と「オラクル・レッドブル・レーシング」の活躍に注目だ。

あわせて読みたい

歴史的瞬間に立ち会えるかも!! 全長約2.5kmなのにコーナーは20も!! 東京初開催のフォーミュラE波乱の予感!?
ベストカーWeb
世界No.1のノンアルコールビール*1「Heineken(R) 0.0」プレゼンツF1(R)王者と対戦できる世界大会への出場権をかけたesports大会「Japanese Player 0.0 Final」
PR TIMES
持ち運びに便利なハンドルタイプのモバイルバッテリー「700-BTL054シリーズ」発売
PR TIMES Topics
元インディカードライバーの「桃田健史」が、日本初開催の「フォーミュラE」の現場で感じたこと
CARSMEET WEB
2021年、30年ぶりにチャンピオンを獲得したホンダF1の舞台裏を描く!『ホンダF1「歓喜」までのアナザーストーリー』発行
PR TIMES
plus eauより初夏の限定フレグランス“紫陽花”シリーズ数量限定発売
PR TIMES Topics
初の春開催となったF1日本GPはM.フェルスタッペンが独走で完勝! 母国凱旋の角田裕毅が 10位に入りポイント獲得!【F1日本GP】
CARSMEET WEB
【F1 2024】第3戦オーストラリアGPでサインツJr.今季初優勝、フェラーリ1-2フィニッシュ
webCG
【NEW ERA®✕ANEICA】コラボ第二弾!キャップとTシャツ発売開始
PR TIMES Topics
「神の手で作られたサーキット」と呼ぶものさえいる世界の至宝! 鈴鹿サーキットがF1ドライバーからもファンからも愛されまくる理由
WEB CARTOP
F1日本GPは春開催でどうなる……結果は心配なし! 桜満開の鈴鹿がみせた激熱の闘いをカタール航空のパドッククラブから観戦した
WEB CARTOP
「Q SKIP」で楽しむ!東急沿線1日お散歩旅
antenna
【F1 2024】開幕戦バーレーンGPでフェルスタッペン完勝、ペレス2位でレッドブル1-2
webCG
【F1 2024】第5戦中国GPでフェルスタッペン今季4勝目、ノリス2位、ペレス3位
webCG
これがにんじんジュース? 驚きのカゴメ新商品を体験レポート
antenna
【チューダー】約10年ぶりのモータースポーツ界にカムバック Visa Cash App RBとの公式パートナーシップを締結
WATCHNAVI Salon
F1日本GP、初めての春開催で問われるものとは? 好調の角田裕毅、連勝ストップのフェルスタッペンの鈴鹿を占う
NumberWeb[モータースポーツ]
大型連休前 フランス気分を楽しめる「フランス展 2024」伊勢丹新宿店 にて開催
PR TIMES Topics
【F1 2024】第2戦サウジアラビアGPでフェルスタッペン2連勝 レッドブルは2戦連続で1-2
webCG
【F1 2024】日本GP目前! アルピーヌF1ドライバーが東京のカートコースを疾走
webCG
世界最高峰のヨットレース「アメリカズカップ」が追い求める「人の可能性」
antenna*