アポロ以来の月面探索をニッポンの自動車メーカーが支える! トヨタ&日産が市販車技術を「月面車」に活用

2022.09.28 10:00
この記事をまとめると
■現在各分野で計画されている月面探査の分野に自動車メーカーが参入している
■市販車で使われている技術が月面などの宇宙空間で生かせると期待されている
■おもちゃメーカーや家電メーカーもこの分野に参入しつつある
宇宙への進出に自動車メーカーが欠かせないわけ
  JAXA(宇宙航空研究開発機構)は、米国のアルテミス計画に参加する一環として、月面で探査を行う車両(ローバ)の開発を民間企業と進めている。1つは、自動車メーカーを含む月面探査車両開発で、これにはトヨタと三菱自動車工業が法人幹事役を務めるチームジャパン勉強会という組織がある。それとは別に、タカラトミーやソニーグループが関わる変形型月面ロボットの開発も行っている。
  自動車メーカーが関わる月面探査車両は、有人与圧ローバといい、トヨタはMIRAI培った燃料電池(FC)や月面用のタイヤ試作と評価、仮想現実(VR)、原寸の模型による機器の配置などの研究を進めている。宇宙には酸素がないので、車両は電気で動かすことになる。そこに燃料電池車(FCV)や電気自動車(EV)、そして太陽光発電などの知見が活きるだろう。また月の重力は地球の約6分の1なので、タイヤのグリップも別の思考がいるかもしれない。
  日産自動車もローバの開発に関わっており、砂地に覆われ、起伏の多い月面での走破性のみならず、効率的なエネルギー消費も踏まえた走行を研究するため、EVのアリアやe-Powerのエクストレイルで採用したモーターによる4輪駆動制御のe-4ORCEを活用した試作車を、昨年暮れにグローバル本社のギャラリーで公開した。
  有人ローバの前段階として、月面でのデータ採取のため開発されているのが、タカラトミーやソニーグループが関わる変形型月面ロボットだ。球形をしたロボットは、月面へ送り込まれると、球が縦に割れるように変形し、装置を露出して月面の映像などを採取する。有人与圧ローバの開発過程で、より具体的な月面の状況を知る必要が生じ、変形型月面ロボットの開発に着手したとのことである。
  ソニーグループは、小型で省電力のセンサー技術を使った制御技術を提供し、タカラトミーは、子供の夢を育む企業活動の一環として参加するという。
  これらの母体となるのは、米国のアルテミス計画だ。これにJAXAも参画している。
  アルテミス計画とは、1960~70年代にかけてのアポロ計画に次ぐ、月面着陸を目指すNASA(アメリカ航空宇宙局)による挑戦だ。ところが、今年8月に予定された1回目の無人ロケット打ち上げは、エンジンの不具合や、液体水素の燃料漏れなどが生じ、2度にわたって延期されている。
  約半世紀ぶりの月面着陸を目指すアルテミス計画は、アポロ計画やスペースシャトル以後の宇宙技術の中断という重荷を背負っての活動になったといえる。技術は、一度途絶えてしまうとなかなか挽回するのが難しい。しかし、アルテミス計画は日本のみならず民間の技術を活かしての挑戦であり、半世紀の間にいかに科学技術が進歩し、それが民生で発展したかを明らかにする挑戦でもある。実際、米国スペースXのほか、国内でも独自にロケットの打ち上げに挑戦する団体がある。技術は、停滞していたわけではない。
  限られた状況で効率よく移動し、目的を達するためのローバ開発は、地球上においても、将来の人々の暮らしを守る、電気駆動を活かした移動や物流の効率向上と利便性にも役立つことになるのではないか。

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