惜しまれながら国内販売を終了したホンダ・オデッセイのこれまでと今後

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2022.09.17 13:00
この記事をまとめると
■ホンダ・オデッセイは2021年に国内販売を終了
■今までのモデルや人気の理由を振り返る
■国内での復活の可能性についても考察
ホンダ・オデッセイの歴代モデルと今後の展望
  2021年に突如、国内での販売が終了となり大きな話題となったオデッセイ。
  国産ミニバンのパイオニアともいえるブランドの消滅を惜しむ声も少なくありませんでした。
  ただ、販売が終了したのは国内のみ。海外ではまだ販売されているオデッセイについて改めて振り返りましょう。
ホンダ・オデッセイってどんなクルマ?
オデッセイの歴史
  初代オデッセイが登場したのは1994年。当時、ホンダが提唱していた『クリエイティブ・ムーバー』第一弾モデルとして市場に投入されました。
  生活創造車(クリエーティブ・ムーバ)と名乗るモデルだけあって、初代は日常的な扱いやすさや当時、1ボックスワゴンが主流だった多人数乗用車にはない走行性能や乗用車的スタイルを備えたことでデビュー後、すぐに人気車種となります。
  初代は5代目アコードをベースに開発。全長、全幅はほぼアコードと同じサイズなのですが全高を200mm以上拡大。居住空間のフロアやリヤサスペンションを専用設計としフラット式燃料タンクなどを搭載したことで低床化も実現し広々した居住空間を実現しました。
  エンジンもアコードに搭載されていた2.2リッター直4エンジンを流用。ただしミニバンのオデッセイに合わせ中速トルクの向上などが図られています。
  パワーユニットは1997年のマイナーチェンジで2.3リッター直4へ変更。同年には3リッターV6エンジンを搭載するプレステージも追加されました。
  大きな人気を集め大ヒットを記録した初代から1999年にフルモデルチェンジで2代目がデビュー。走行性能を重視したアブソルートが初めて設定されたのがこのモデルでした。
  エクステリアデザインなど初代からキープコンセプトとで開発された2代目ですが初代ほどの人気を得ることができずに2003年に3代目へバトンタッチされています。
  2代目の人気が低迷したことで3代目は従来のイメージを一新。1615mmから1550mmまで下げられた低い全高によりロー&ワイドで精悍なスタイルは「黒豹」をイメージしてデザインされたものです。
  ただ全高は大きく下げられたものの、室内空間はさらなる低床化を勧めたことなどで2代目を上回る広さを実現しています。また機械式タワーパーキングに入る全高を採用したことで利便性も高まり人気も向上しました。
  2008年に登場した4代目はヒットした3代目のイメージを踏襲。走るミニバンのイメージをさらに高めるため足回りやボディの強化など、とくに走行性能を高めています。
  ただ、リヤスライドドアを備えたMクラス&LLクラスミニバンの人気が高まる一方で、オデッセイの人気は低迷。スポーツカー並みの走りを楽しめるミニバンとの評価を得たものの、2013年に5代目へバトンタッチされました。
2021年で生産は終了 大きな反響を呼ぶ
  2013年に発売が開始された5代目は3、4代目の売りでもあった機械式タワーパーキングに収まる低い全高を捨て去り、売れ筋ミニバンと同様に約1700mmまで高められたのが特徴です。
  ただ、3、4代目のユーザーやオデッセイファンからは「らしくない」と敬遠され、ホンダが期待していた他社ミニバンのユーザーからの食いつきもイマイチでした。
  結果、2021年に国内での販売は終了。一時代を築いたオデッセイは歴史に幕を下ろすことになったのです。
オデッセイの特徴
アコードのプラットフォームを活用
  初代オデッセイの全高を決めた理由が生産ラインの都合だったことは有名な逸話です。その当時、ワンボックスなどのラインナップがなかったためアコードやシビックの乗用車が生産できる天井高しか確保できなかったことで全高が1660mmとなったというのです。
  初代と同時期に販売されていたミニバンの日産・ラルゴが1900mmだったことを考えると、たしかにミニバンとしてはそこまで高くはありませんでしたが、結果的に乗用車テイストを盛り込んだ新世代ミニバンとして初代は大ヒットしました。
  そんな初代のベースとなったのが、先程もお伝えしたように5代目アコード。設備投資額が抑えられたことや部品の共有化率を高めたことで、デビュー時はアコードよりリーズナブルな価格で販売されていたというから驚きです。
  2代目も北米アコードのプラットフォームをベースに開発。3代目はアコードのプラットフォームをベースにサスペンションの取り付け位置やパワーユニットの搭載位置などを変更し開発されています。
  このようにオデッセイのプラットフォームはアコードをベースに開発されてきましたが、5代目は専用設計となりアコードとは別物となりました。
ホンダの主力車種の1つであった
  販売が振るわず生産中止となった5代目からは考えられませんが、初代のデビューから2代目へバトンタッチされるまでの5年間、ホンダの屋台骨として売れ続けました。
  累計40万台以上を売り上げた初代は、当時の主力車種だったシビックの約2倍、ベースとなったアコードの5倍以上売れていたのです。
オデッセイの中古車価格
  2021年に生産が終了した5代目オデッセイの中古相場は55〜513万円。
  なかでも「2.0 e:HEV アブソルート」は販売数が少なく390〜515万円。「2.4 アブソルート」は120〜340万円。走行性能を重視しているアブソルートの価格相場は安くはありません。
  ただし、最もお買い得なグレードとして人気だった「2.4G」は64〜245万円。フロントマスクが大きく変わったマイナーチェンジ後には設定されていないグレードですが、中古車で選ぶ場合は販売数が多く価格もお手頃な「2.4G」がお薦めグレードとなります。
オデッセイの末期モデルは買い?
エクステリア・インテリアの特徴
  2021年に生産終了となった5代目オデッセイ。4代目までのオデッセイとは違い全高が高められリヤスライドドアを採用した5代目はファンにとっては“らしくない”と、決して評判が良いエクステリアデザインではありませんでした。
  しかし、運転席の着座位置を高め前方視界を向上。居住空間にはゆとりある頭上空間を確保するなど、実用面では大きく進化したのは確かです。
  5代目のデザインテーマは「ソリッド・ストリームライン」。箱的なミニバンのデザインに落ち着かず流れるようなフォルムで乗用車テイストを取り入れることを目指しました。
  正直、そのフォルムは流麗さを感じるものではありませんが、4代目より存在感は増したデザインであることは間違いないでしょう。
  デビュー時はアコードや3代目フィットなどに用いられた「ソリッド・ウイング・フェイス」をモチーフとしたグリルを採用していた5代目。しかし、アクが強い顔つきのアルファード/ヴェルファイアなどが人気を集めるにあたり、2020年のマイナーチェンジでフロントフェイスを一新。大型化されたグリルや厚みを増したフードなどで迫力がある顔つきに意匠チェンジされました。
  また、そのマイナーチェンジでグレードがガソリン、ハイブリッドともにアブソルートに集約されています。
  インテリアデザインはスッキリとした形状で仕立てられ木目加飾などで仕立てられた上質なインパネが特徴と言えるでしょう。どことなく初代のインテリアを想像するデザインとなっています。
  5代目はシートにも力が入れられており、とくに740mmのロングスライド機構を備えた2列目「プレミアムクレードルシート」の座り心地はミニバンナンバー1とも評されたほどでした。
  また、3列目シートのスペースも十分。収納は女性でも楽に操作が可能で床下に格納可能です。
  ラゲッジスペースもLクラスミニバンとしては広いスペースを備え、ミニバン購入のニーズが高いゴルファーにとってゴルフバッグを4つ立てて積載できることは大きなメリットとなりました。
走りの特徴
  デビュー時に用意されたパワーユニットはK24型2.4リッター直4エンジン。スポーティ仕様のアブソルートには最高出力190馬力のエンジンを、その他のグレードには175馬力のエンジンが搭載されました。
  また、2016年にハイブリッド仕様を追加。「i-MMD」(後にe:HEVと名称を変更)と呼ばれ2つのモーターを搭載するハイブリッドシステムは、バッテリーに充電された電力を用いてモーターのみで走行する「EVドライブモード」、エンジンで発電した電力を使用しモーターで走行する「ハイブリッドドライブモード」、エンジンで前輪を駆動する「エンジンドライブモード」と3つのモードを備えています。
  ガソリンエンジン、ハイブリッド仕様ともにオデッセイの伝統とも言える走りの良さはミニバンにおいては際立っており、とくに専用サスペンションを装着するアブソルートは軽快感を楽しむことができました。
  ただ、先代までのアブソルートよりは抑えられたとはいえ乗り心地はイマイチ。とくに低速時では硬めのタッチを感じるため、好き嫌いがわかれるのではないでしょうか。少なくとも同乗する家族には不評を買うのではないでしょうか。
  しかし、このスポーツテイストを有しているのがオデッセイの持ち味なのは確か。ミニバンで軽快な走りを楽しみたいならオデッセイ・アブソルートが最も適した1台といえるでしょう。
結論:オデッセイは買いか?
  と、5代目オデッセイ最大の魅力は走行性のであることを記しましたが、ミニバンに引き締まった走りを求める方にとって非常に魅力を感じるクルマなのは間違いありません。そんな方には「迷わず買え!」と言いたくなります。
  逆に走りをそこまで重視しないユーザーにとって、5代目オデッセイを勧める理由が弱いのも確かです。
  パワーに力不足は感じませんが、1.8tを超える重いボディにはV6エンジンのゆとりが欲しくなりますし、4代目まで備えていたタワーパーキングに入るボディサイズでもありません。
  上質なインテリアなど細かい箇所で魅力を感じる部分はありますが、あえてオデッセイを選ぶには何かが足りないと感じてしまいます。そういう魅力不足がオデッセイの販売中止に繋がったともいえるでしょう。
  ただ、アルファード/ヴェルファイア、エルグランドに劣っているかと言われればそんなこともありません。5代目オデッセイに魅力を感じた人にとっては買って後悔するクルマではないことはお伝えしておきます。
オデッセイの復活はある?
海外向けの高級ミニバン「エリシオン」の投入はあるか?
  国内での販売を中止したオデッセイですが、中国市場などでは販売されています。
  しかも中国では合弁会社の東風本田では内外装をゴージャスに仕立てオデッセイの上級モデルとなるエリシオンまでラインナップされました。
  一部報道ではこのエリシオンを国内投入する可能性あり、と伝えていますが正直なところその可能性は低いと思われます。
  先程もお伝えしたようにLLクラスのアルファードはまだ人気を保っていますが、同クラスで売れているのは同車だけ。日産・エルグランドや姉妹車のヴェルファイアでさえ販売が低迷しているなか、ホンダがあえてこのクラスにミニバンを再投入する決断をくだすとは思えません。
  ミニバン人気ステップワゴンなどもMクラスをはじめ、いまやその下のフリードや先ごろフルモデルチェンジしたトヨタ・シエンタが人気を集めるなどダウンサイジングされてきています。残念ですが、オデッセイやエリシオンの国内投入は現実的とは言えないでしょう。
まとめ
  一時代を築いたオデッセイの国内販売中止を残念に思う方も多いことでしょう。
  ただ、初代、3代目以外のモデルは数ある国産ミニバンとの販売競争で劣っていたのも事実。
  今後、LクラスやLLクラスミニバンをホンダが国内に投入するかどうかはわかりませんが、アメリカなどで販売されているグローバルモデルをそのまま国内投入しても成功する可能性は低いのではないでしょうか。
  走行性能以外でライバルとなる国産ミニバンとの違いを出さない限り、初代や3代目ほどのヒットは難しいでしょう。逆をいえばその2車は差別化が成功したからこそ人気車種になったといえます。

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