スペーシア・ベース登場で「軽商用車」がいま激熱だった! 「ダサさゼロ」の最新モデル3台を徹底比較

2022.09.15 11:40
この記事をまとめると
■人気の軽商用車3車種を比較
■シートアレンジや荷室の広さが商業以外の用途でも人気を得ている
■先日登場したスペーシア・ベースは過去に前例がない仕立てで注目の1台になっている
仕事に遊びに大活躍な軽商用車が注目の的に!
  なにやら、軽商用車の世界が盛り上がっている。
  後席はあくまでオマケで、前席ふたり乗りが基本なのは軽商用車ならどれも同じだが、クルマ作りの考え方は、ホンダ、ダイハツ、スズキでじつは結構違うのである。
  ホンダN-VANももちろん4ナンバーの商用車だが、本気の商用車となるG、Lグレードのほか、アウトドア派やカスタマイズ用、軽キャンのベース車として活躍させるための+STYLEという、一般ユーザーでも受け入れられるグレードを用意。エンジンもNAとターボを用意し、動力性能にも配慮されているのだ。
  気になる積載性については、荷室フロア地上高525mm、2名乗車時の荷室フロア長1510mm、荷室高1365mm。後席、助手席を倒したときの最大荷室長は2635mmを誇る。ホンダ流儀で後席が床に沈み込むように格納できる点もN-VANならではだ。
  新型となった、パーソナルユースを意識したアトレーとともにダイハツの軽商用車を代表するのがハイゼット・カーゴ。17年ぶりの新型となる11代目ハイゼット・カーゴは、新開発されたFR用CVTを燃費向上のために採用。エンジンはターボとNAを用意しているが、働くクルマとして採用されるのは値段的にNAのはずだ。しかし、CVTの採用もあってNAエンジン+荷物でもけっこうよく走る。
  肝心の積載性では、荷室フロア地上高630mm、2名乗車時の荷室フロア長1915mm、荷室高1250mmとなり、助手席を前倒ししたときの最大荷室長は2650mmに達する。後席左右独立のクルーズターボ、クルーズグレードなら、後席片側だけ倒して運転席側前後2名乗車も可能となる。
  そして、もっとも新しい軽商用車が、スズキのスペーシア・ベース。こちらはほぼスペーシアであり、運転席、助手席の仕様もスペーシア基準。N-VANの場合、運転席は耐久性重視、助手席はオマケの1名乗車が基本の前席だから、2名乗車での快適性では、乗り心地そのものも含め、スペーシア・ベースが有利となる。
  ただし、N-VANとハイゼット・カーゴにあるターボエンジンは未設定。NAエンジンのみとなるが、意外にも”空車”ならけっこうよく走り、ワゴンRスマイルと同じタイヤを装着していることもあって(スペーシアよりは燃費重視のキャラクター)乗り心地もしっかりとしていて、働くクルマとしてではなく、アウトドア用の大容量ワゴンとしてそこそこの荷物を積む限り(MAX200kg)、商用車感はほぼ感じずに済むのが嬉しい。最大積載荷重を軽商用車で一般的な350kgではなく200kgとしたことで、リヤサスをことさら固めずに済んだのも、乗用車的な乗り心地を手に入れた理由だと推測できる。
  ベースはあくまで乗用車のスペーシアとなるスペーシア・ベースの荷室は、フロア地上高540mm、2名乗車時の荷室フロア長1375mm、荷室高1405mm。助手席を前倒しした時の最大荷室長は2030mmだ。なお、助手席シートバックを水平に倒す、車中泊対応のシートアレンジも持ち、その際のフロア長は実測1740mmとなる。
スペーシア・ベースの潜在能力が高過ぎる
  つまり、荷物を積み込む点だけに特化すれば、ポイントはまず荷室フロア地上高で、525mmのN-VANがもっとも重い荷物をラクラク出し入れできる高さで、次にスペーシア・ベースの540mm(これでも十分に低い)、そしてハイゼット・カーゴの630mmの順になる。
  荷室の広さ、とくに後席格納時の容量、広さは、もうどれも広大、大容量で、宅配の仕事でもするのでなければ、一般ユーザーの小さな引っ越し、アウトドア、キャンプ、車中泊の用途などで、どれも十二分な広さと言える。ただし、2名乗車での長尺物の積載性ではさすがに荷室フロア長1915mmを誇るハイゼット・カーゴが有利。また、ソロでの車中泊なら、荷室後端から助手席部分まで完全にフラット化でき、2635mmのベッド長をかせげるN-VANが面白い。
  が、アウトドアなどの遊びに使うのであれば、スペーシア・ベースが際立つ。上下3段にセットできるマルチボード、アレンジ時の隙間を埋めるフルフラットカバー、リヤクォーターウインドウ部分を埋めて物入としたアイディアなど、楽しくも便利なアレンジが沢山あるからだ。しかも、見た目はほぼスペーシアカスタム(MC前の顔)であり、グリル、ドアミラー、ガーニッシュ、スチールホイールなどをブラックパール塗装するなど、商用車にあるまじき(!?)カスタムグレード真っ青なスタイリッシュさがある。
  さらに乗り心地、走行感覚にしても、乗用車のスペーシアNAモデルと大きく変わらず、なによりもスペーシア同等の前席左右のシートのかけ心地の良さが、一般ユーザーにとっては大きなメリットとなる。ターボは3車中、唯一ないものの、NAエンジンでもワゴンRスマイルより静かなぐらい(!?)で、ナンバーの「4」を見なければ、前席に乗って、走って、商用車感覚ゼロなのが、スペーシア・ベースと言っていい(もちろん、一般道、高速道路で試乗済み)。ACCも渋滞追従機能付きだし、運転席側パワースライドドアの装備(スライドドアをよく開け閉めするのは、調査から運転席側だった!)から、スペーシアのスリムサーキュレーターに代わる天井のオーバーヘッドシェルフを含めた収納類の豊富さ、便利さも見事だ。
  とにかくできるだけ多くの荷物を積みこみたい、ターボエンジンのゆとりが欲しい……というなら、ハイゼット・カーゴやN-VANが有利かも知れないが、アウトドアや車中泊程度の荷物の積載(200kg以下でお願いします)と、標準装備の状態で車内をワークスペースにも変身させられるテレワーク、車中泊対応の100V/1500W電源を車内に引ける超ユーティリティ(標準装備のマルチボードとオプションの外部電源ユニットによる)、前席2名乗車時の快適性を優先するなら、もっとも軽乗用車感覚、スーパーハイト系軽自動車感覚で乗れ、自在な使い勝手が可能なスペーシア・ベースは、これまでの軽商用車にないキャラクターの持ち主であり、なかなかの選択と言っていい。

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