誰もが自分らしく生きられる。教師を育て、ライフスキルを学べる場をカンボジア中に!

2022.09.03 17:00
困難にも諦めず、自ら人生を動かすためにがんばり続ける力、ライフスキル。農村で10年以上女性の成長を支え、その価値に確信を持った今、教師を育てることでこの教育をカンボジア全土に届けます。どんな背景の人も取り残さず安心して学べる教室が増え、誰もが人生を自分らしく生きられるように。ぜひ力を貸してください。自分らしく人生を生きるために。「がんばる力=ライフスキル」を身につける工房
私たちSALASUSUは、2008年からシェムリアップの農村に工房を持ち、最貧困層出身の女性たちとものづくりをしながら彼女たちの自立を支えてきました。教育の機会に恵まれなかった女性たちは、何か問題にぶつかったとき、「仕方ない」とすぐに諦めてしまいがちです。
家族を支えるため、学校を辞めざるを得なかった。都会の新しい職場で、仕事をうまく続けられなかった。将来を親に決められ、自分の意見が受け入れられなかった。
そんな経験の中で、「仕方ない、どうせ私なんて」と自信をなくし、自分の人生は自分のものであり、自ら変えていけるものだという意識が薄れていってしまいます。
そんな女性たちが、もう一度自分で人生のハンドルを握り、自分らしく生きていくために大切なのは、困難にも諦めず、自ら人生を動かしていくためにがんばり続ける力。私たちはそのがんばるための力を「ライフスキル」と定義し、さまざまなトレーニングを提供しながら女性たちの成長を支えてきました。
約14年に渡って工房を運営し、これまで受け入れてきた女性たちは250人以上。その中から、1人の女性のストーリーをご紹介します。 学びを通じて見つけた自分〜工房で働く作り手サムナンのストーリー〜 
私は、シェムリアップの農村で生まれました。10歳の時に母親が病気になり、家族を支えるために小学校を5年生で中退しました。
たくさんの仕事を経験しましたが、特に家政婦として働いていた時は人としての扱いを受けられず、辛くて夜はいつも泣いていました。それでも耐えて働くしかなく、家族が電話してきたときは「元気にやっているから大丈夫」といつも嘘をついていました。
19歳でSALASUSUに出会い、初めてミシンで商品を作ることを学びました。最初は使い方も分からず、針が自分の手に刺さってしまうのではないかととても怖く感じたことを覚えています。
働き始めた頃のサムナン(一番右)私が最初に縫った商品はコースターでした。とても難しかったけれど、一緒に働く先輩や先生たちが、側にいてくれて、励ましながら一つ一つ教えてくれました。少しずつ作業を覚えて、約9ヶ月で一人前として認められた時は、言葉にならないほど嬉しかったです。今では本当にたくさんの商品を作れるようになりました。 
工房に来て一番変わったことは、「自分でもできる」と心から思えるようになったことです。
工房に来てすぐは、自分には働くための能力やスキルはないと思っていました。自分にも可能性があるということを、信じようとも思っていませんでした。しかし、工房での経験を通じて、私は変わっていきました。 
周りを見て焦ったり、できない自分に落ち込んだこともあります。そんな時は、周りの人たちができるのだから自分にもできるんだ、と自らを励まし続けました。
以前は自分の人生を他の人と比べてうらやむだけでしたが、工房でたくさんの商品を作れるようになる中で、今はそうやって人と比べるのをやめました。私はお金持ちでも、多くのものを持っているわけでもないけれど、自分や現実の生活を受け入れ、私の方法で自分の人生を楽しめるようになりました。
もう何事も、決して諦めたくないです。
▼今後の夢を語るサムナンを動画でぜひご覧ください!
そんな「ライフスキル」をカンボジア中の人々に届けたい
工房に来る前とは別人のように、さまざまな困難を自らの力で乗り越え、自分らしく人生を歩もうとする女性たち。そんな彼女たちの姿を目の当たりにし、私たちが工房で育んできた教育には本当に価値があるのだと、確信を重ねました。
一方で、その価値を実感すればするほどこんな葛藤が生まれてきたのです。
「カンボジア全土に昔のサムナンのような女性はどれくらいいるのだろうか?」
本来であれば家庭や学校で身に付くライフスキルをこれまで学ぶ機会がなく、苦しい環境から抜け出せずにいる人たちが、工房の外にはまだまだいることに気づいたのです。そんなかつてのサムナンのような女性たちに、ライフスキル教育を届けるためにはどうすべきだろうか。
そんな問いに向き合う中で、浮かんできた一つの答えは「学校」でした。
カンボジアの農村部では、教育格差は少しずつ改善傾向にあり、例えば中学校の卒業率は上昇を続けています。
一方、教育の質は未だ低く、なんと中学校教師のうち大学を卒業して教師となる人の割合は0%。(Cambodia Educational Strategic Plan 2019 - 2023、2018時点)先生が一方的に話すのみの一斉授業に終始した結果授業から置いていかれてしまい、中学校を卒業したにもかかわらず、読み書きが難しいという女性も多くいます。
そんな状況だからこそ、誰もがライフスキルを身につけるためには、学校の質を変えていくべきなのではないか。そのために、工房で女性たちと向き合い続けてきた私たちだからこそ、価値を出せることは何だろうか。活動の根本を何度も問い直し、議論を重ねました。
そしてたどり着いたのは、「人を育てる人」を育てる、つまり「教師」を育てる、ということ。
かつてのサムナンのような女性を支える教育の担い手を育て、安心して学べる場所をカンボジア中に増やしていくのです。ライフスキルを育む教室を作れる教師とは
ライフスキルを育んでいくためには、どんな教師が必要か。工房でたくさんの教師を育ててきた中で、私たちが一番大切だと信じ、こだわってきたのは、教師のあり方です。
生徒が何度間違えても、失敗しても、大丈夫だと受け止められること。どんな背景を持つ人たちでも、必ず学べると信じて、応援し続けられること。良い学びの場を作るために、教師自身も生徒から学び、成長し続けられること。 
どんなに正しい教え方や素晴らしいカリキュラムよりも、教師たちがどのようなあり方で女性たちと向き合い、自ら成長し続けられるかが、ライフスキルの土台となる学び手の自信や自己肯定感を育くむ上で重要です。
女性たちにとって、自分にも学びが期待されているんだ、どんな自分もここにいていいんだ、そんな風に心から安心できる場所があってこそ、学んでみようとがんばる一歩を踏み出すことができるのです。カンボジアの伝統的な価値観を乗り越え、良いあり方の教師を育てるために
 そんな良いあり方を持った教師をどうやって育てるのか、工房では試行錯誤を重ねてきました。
権威主義的な考え方が非常に強いカンボジアでは、教師が言うことは絶対。生徒が少しでも異なる意見をいうとすぐに「違う」「だめだ」と切り捨てられてしまいます。授業は一斉的で、教師がひたすら話し続け、話がわかる人たちだけで授業が進んでいく。 
まさに私たちの工房で働くカンボジア人教師も、その伝統的な授業で育ってきた人たちです。
無意識のうち、女性たちに「そんなのじゃだめだ」「こうすべき」と自分の正解を押し付けようとしてしまったり、「この子はできないから」と諦めてしまったり。長年染み付いてきた価値観に自覚的になり、行動を変えていくことは簡単ではありませんでした。
そんな時、立ち戻るのは「どんな人でも必ず学べる」という強い信念。自分たちの授業を観察しながら「彼女たちはどれだけ学べていたか?」「教師である私たちは生徒から何を学んだか?」を自らに問い続け、粘り強く内省と対話を重ねました。
もちろん「あり方」は、1日で劇的に変化するものではありません。何ヶ月も何ヶ月も、教師としての役割と自らの立ち振る舞いを振り返り、数えきれない議論を重ねる中で、少しずつ、少しずつ、教師たちの接し方や発言、あり方が変わっていきました。それと同時に教室の雰囲気や女性たちの行動も少しずつ変わってきたのです。 
緊張のあまり体を強ばらせ、今にも泣き出しそうだった女性が、みんなの前で手をあげて自分の思いを話せるようになっていく。目の前のことに取り組もうともしなかった女性が、他の人に助けを求めながらなんとか課題を解こうともがいている。高校卒業間近まで進学した女性たちが、小学校を中退した女性から学んでいる。 
どんな背景を抱えている人たちも、同じ教室でともに支え合い、学ぶことができる。誰もが教室の中で期待され、自分の存在を認められる。
まさにそんな場を教師が作れることを目の当たりにし、そんなあり方を持った教師を育てていくことこそが、誰もが安心してがんばる力を学ぶために大切だと確信したのです。そして今、公教育に携わる教師を育て、カンボジアの社会を変革する
「教師を育てる」に注力し始めて約3年。
ついに2020年、私たちの教育手法とこれまでの実績が認められ、「教師育成」を目的としたカンボジア労働職業訓練省との共同プロジェクトがJICA草の根技術協力事業に採択されました。
具体的には、カンボジアの政府が運営する職業訓練校の教師養成を担い、カンボジアの公教育の改革に関わります。提携校は24校、すでにのべ100名近くの教師たちに、私たちのトレーニングを提供し始めています。
これはカンボジアの教育を変えていく、とても大きな1歩であると感じています。
職業訓練校の教師たちと初めてのトレーニングの様子私たちはさらにここから、カンボジアの国を支える小中学校により深く入り込み、教育の仕組みを良くしていくことに本格的に取り組んでいきます。
一方、シェムリアップにある工房は引き続き私たちにとって大切な原点となる場所。工房の教師、作り手の女性たちと良い教育を追求し、提供し続けるモデル校として、進化を続けていきます。そして工房で作り上げた学びとその成果を使い、政府と連携して公教育を変えていくことで、カンボジアの国の仕組みを変え、社会を良くすることに働きかけていきます。
ここからおよそ10年かけて私たちが目指しているのは、カンボジア全土で5,000人の教師を育成することです。この5,000人という数字は、公教育に携わる教師の5%にあたります。
この5%の先生たちが、教室をはじめ、学校や社会をともに変えていくチェンジメーカーとなり、どんどんとライフスキルを身につける場所がカンボジア全土に増えていくと、必ず社会は変わっていきます。
そんな教師を育て、どんな背景を抱えていても、ライフスキルを身につけ自分らしく人生を生きられる人が、カンボジア中に増えていくように。
そんな私たちの挑戦に、ぜひ力を貸してください。誰もが、良い教師との出会いで学び続けられるように 〜代表青木からのメッセージ〜
「あの人のおかげで私は諦めずに頑張れた」
私自身にもそう思える教師がいます。
そんな風に、人々の学びと可能性を豊かに支えられる教師に、カンボジアの全ての人が出会うことができたら。どんな背景を抱えていても、一人一人の存在が認められ、期待され、尊重される、そんな私たちの工房のような教室がカンボジア中に増えていくことが心から楽しみです。
カンボジアでは、貧困家庭ほど家庭の脆弱性が高く、家が心から安心できる学びの場ではないことが多いという悲しい現実があります。まさに、そういう人たちのためにも公教育が変わる事は本当に意味のあることだと思っています。
学校の建設や教科書の作成など、目に見えるものは非常にお金がつきやすいですが、教師育成の分野は変化が見えづらく時間もかかるため、驚くほどお金がついていません。しかし建物や教科書などツールがあっても、それを使える人たちが育っていかなければ、良い教育を作ることはできません。
今この瞬間、一つ一つの教室を作り、生徒たちと日々最前線で向きあいながら学びを作っているのは現役の教師たちです。
少しでも早く、一人でも多くの教師たちを支え、一人でも多くの人たちが安心して学び続けることができるように。ぜひ皆さまの力を貸してください。

具体的な活動、資金使途、送金方法について
皆さまからいただいたご寄付で、具体的に以下のことを実施する予定です。
1) 公教育を担う教師に向けてのトレーニングの実施
公的職業訓練のソフトスキルトレーナーの養成を行います。これまでの現地の繋がりを生かし、10校を目標に公立の小学校・中学校・高校と連携を始め、教師たちのトレーニングを行います。その過程で現場の教師・校長・教育官僚・専門家などと関係性を深め、このプロジェクトに賛同し、ともに活動を進められるネットワークを構築します。
2)モデル校となる農村工房の継続運営、新しい教育手法の開発・実践
シェムリアップの農村にある工房では最貧困層出身の女性たちがライフスキルを最大限に伸ばし、成長できるためのカリキュラム開発を行います。そのカリキュラムを持って年に2回、合計20名を目安に新入生の採用を行い、彼女たちの自立を支援します。工房での学びを公教育改革に反映していくことにも取り組みます。
1、2ともに、日本・世界で活躍する教育分野の研究者をアドバイザーとしてプロジェクトメンバーに招き、現場でのトライと専門家からのフィードバック・議論を重ねて、より良い学びを生み出せる教師育成のあり方を模索していきます。
具体的な資金の使い方は以下を予定しています。
現在申請中の他助成金の取得状況に応じて、一部使徒が変更になる可能性がありますが、全てをカンボジア現地でのプロジェクトのため、大切に活用させていただきます。
●公教育を担う教師たち向けのトレーニング提供費用:約250万円
トレーニングスタッフの人件費、会場費・交通費、専門家からのアドバイザリー費用など
●良い教育の開発拠点となる工房の運営費用:約190万円
新入生を含む作り手女性たちへの手当、給食費や交通費、トレーニング実施にまつわる資材購入費用など
●その他管理費:約100万円(全体の約20%を目安に計上)
カンボジアオフィス賃料、通信費、トレーナースタッフ以外の人件費など
●クラウドファンディングの手数料(9%+税):約60万円
リターン商品の制作・発送費などの経費含む
合計600万円
送金方法については以下の通りです。
皆さまからいただいたご寄付は、主にカンボジア現地での活動費用として使用させていただきます。そのため、日本で登記し本クラウドファンディングを行うNPO法人SALASUSUより、カンボジア現地法人のNGO SALASUSUに海外送金を行います
9月に本クラウドファンディングが終了し、NPO法人SALASUSUに着金次第、日本の金融機関を通じて海外送金の手続きを行います。手数料削減のため、現地活動費用として使用する全額を一度に送金予定です。送金時期は10月下旬〜11月上旬を予定しています。
スケジュールについて
2022 年 9月:クラウドファンディング終了
2022 年 10月:提携している職業訓練校での教師トレーニングの実施(以降毎月実施予定)
2022 年 11月:リターン発送完了、海外送金完了予定
2023 年  1月: 工房にて新規訓練性を採用(予定)、ライフスキルトレーニングの開始
2023 年  3月: 事業報告イベントの実施(予定)
2023 年  4月: 提携校以外の公立学校への働きかけ、ネットワーキングの実施
2023 年  8月: 工房にて新規訓練性を採用(予定)、ライフスキルトレーニングの開始リターンについて
ご寄付に加えて、SALASUSUの工房で製作する商品もリターンとして入れております。商品をお選びいただくことで、彼女たちが働く機会が生まれます。ぜひご検討ください。
※本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
※SALASUSUは認定NPO法人ではないため、今回いただくご寄付は税額控除の対象とはなりません。あらかじめご了承ください。

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