最近ニュースで目にすることの多い車両火災! 「クルマが燃える」ってじつは「身近」にあることだった

2022.08.29 17:20
この記事をまとめると
■最近、車両火災のニュースを目にすることが多い
■その危険は事故や故障の際だけでなく、日常にも潜んでいる
■車両火災の原因と発生してしまった際の対処法を紹介する
エンジンの排気音が大きくなったら要注意
  ここのところ、ニュースで目にすることが多い「車両火災」。道路上で車両が赤々と燃える光景は衝撃的で、とても怖いものです。車両火災は衝突事故や故障などが原因というイメージがあるかもしれませんが、車内にうっかり置き忘れたものが火災の原因を引き起こすなど、その危険は日常にも潜んでいます。今回はそのさまざまな原因と、万が一発生してしまった際の対処法をご紹介したいと思います。
  まず事故の衝撃によって起こる火災としては、燃料ポンプの破損などにより漏れた燃料に火花などが飛び、引火してしまったり、オイル漏れによって高温のオイルが可燃物に接触したりすること。また、漏電やスパークといった電気系統の不具合による出火をするケースが多くなっています。とくに、純正品ではなくクルマの購入後に市販品を取り付けたカーナビやオーディオ、ドライブレコーダーなど、電源を必要とする機器の接続不備が原因となることが多いので、ショートする危険性がないかどうか、今一度確認しておきましょう。
  これらは日頃の点検を怠ったために、故障に気づかず乗り続けていることで火災を引き起こすこともありますので、定められた点検整備、車検の際にしっかり見てもらい、不具合があれば修理しておくことも大切です。認可を受けていないマフラーを取り付けたり、壊れたマフラーを使い続けていると排気の熱が溜まりやすく、火災の原因を作る可能性があるのでカスタムする際にも注意が必要です。
  そして、走行中にこんな症状が出たら、走行を続けると火災を引き起こす可能性があるのが、エンジンの排気音が大きくなったとき。エンジンの振動が大きくなったとき。アクセルペダルを踏んでも、なんだか加速しない気がするとき。バッテリーを交換したのに、エンジンが始動しにくいとき。これらの症状に気づいたら、すみやかに点検整備を受けましょう。
  続いて、うっかりやってしまいそうな行動が原因となる火災について。ランチタイムに駐車場でエンジンをかけたまま、昼寝をしている営業マンなどをよく見かけますね。徹夜で走って遠方へ出かけ、目的地がオープンするまで仮眠をとる、なんてこともよくあることですが、この際に運転席を倒して眠っている人は要注意。寝ている間にアクセルペダルに足がのってしまい、空ぶかしをし続けてエンジンが高温状態となる状況が続くと、車両火災を引き起こすことになる場合があります。仮眠をとる場合は助手席や後席に移動するようにしましょう。
  また、枯れ草やダンボールなど燃えやすいものが付近にある場所でエンジンをかけたまま駐車するのも危険。雪が降っている中で屋根のない場所で長時間駐車をする場合には、降り積もった雪がマフラーを塞ぎ、火災ではありませんが一酸化炭素中毒をおこす可能性もありますので注意しましょう。
発生箇所がエンジンルームの場合、ボンネットは絶対に開けないこと!
  次は、晴れた日に直射日光が当たる車内に放置した場合に、火災の原因になるものがあります。よくフロントガラスに、お守りやキャラクターグッズなど、透明の吸盤で物を吊るしている車両を見かけますが、じつはそれもリスクが高いのです。吸盤が凸レンズ効果で太陽光を集めてしまい、部分的に高温箇所を作り出して火災を引き起こす可能性があります。これは車内でもとくに高温になりやすいダッシュボードに、クリアタイプのペットボトルを置きっぱなしにしていても同様のことが起こる可能性がありますので、置きっぱなしはNG。また、ライターや可燃性のスプレー、灯油やカセットボンベ、バッテリーが内蔵されているもの、飲みかけの炭酸飲料は絶対に車内放置はしないようにしましょう。外気温が26℃程度の日でも、直射日光の当たる車内は50℃近くまで温度が上昇することがありますので、夏が終わっても要注意です。
  近年は突然の豪雨などで道路が冠水することが多くなっていますが、冠水路を無理に走行することものちに火災を引き起こす原因となります。エンジンに水が吸い込まれると、燃焼室に水が入ってエンジンが破損し、飛散したオイルが発火することがあったり、水に浸かった電気系がショートして発火したり。沿岸部で塩分を含んだ水で冠水した車両も危険です。また、水に関する注意点としては、高圧洗浄機も要注意。必ずエンジンを停止した状態で使用することはもちろん、フロントグリルに先端を近づけすぎると、エンジンルーム内に過度の水が入る可能性もあります。
  さて、万が一、車両火災が発生してしまった場合に、どう対処すればいいのでしょうか。まずどんな場合でも、人命救助を最優先に行動するのが前提です。同乗者がいるならば、安全な場所に避難させること。走行中であれば、ハザードランプを点灯して後続車に異常事態が発生したことを知らせ、路肩など追突される危険性のない場所に停車します。慌てて飛び出して後続車に轢かれたりしないよう、安全確認をして車両から脱出し、ガードレールの外側などに避難します。この際、もし余裕があれば車検証など貴重品を持って避難するといいでしょう。自分と同乗者の安全が確保できたら、携帯電話などで119番に通報します。
  そして火の手がまだ弱く、消火活動ができそうであれば、危険のない範囲で初期消火を試みます。ただし、発生箇所がエンジンルームの場合はボンネットは絶対に開けないようにしましょう。空気に触れることで一気に火の手が大きくなってしまう可能性があり、危険です。水やお茶などのペットボトル飲料をかけたり、上着やブランケットなどで炎を覆って鎮火させることができる場合もありますが、できれば万が一に備え、車載用の消火器を常備しておくと安心。スポーツカーの小さな収納スペースにも収まるような、コンパクトなタイプもありますので、この機会に入手しておくことをお勧めします。

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