絶好調「軽EV」の次は「商用軽EV」がくる! 働く電気自動車はメリットだらけだった

2022.08.24 17:30
この記事をまとめると
■軽EVの受注が好調ななかで次に注目されるのは商用軽EVだ
■商用EVの課題は大容量のバッテリーや高性能なモーターの搭載による原価の高騰だ
■EVは屋内でもそのまま走れるため、これまでにない商用利用の可能性を秘めている
2024年にはホンダから100万円台の商用軽EVが登場する
  軽乗用のEVである日産サクラと三菱eKクロスEVの受注が好調ななか、次に注目されるのは、商用の軽EVではないか。ホンダは、小型乗用のホンダeの次として、2024年に軽商用EVの販売を目指している。なぜ、商用車のEV化が注目されるのか。
  乗用車と商用車の違いは、消費財であるか生産財であるか、にある。消費財とは、それを使って暮らしを豊かにするとか楽しむとか、消費者が喜ぶための商品といえる。対する生産財は、それを商売や事業で利用し、利益を生むための仕事で使う製品だ。したがって単にEVといっても、乗用EVなら多少価格が高くても、装備や走行性能などで利点があれば商品性を認められる。しかし、商用EVの場合は、それを使って利益を生むことが前提になる。
  商用EVで最大の課題は原価だ。原価は車両価格に直結し、EVといえども安くなければ利益を生み出しにくくなる。徹底した原価低減策が必要だ。開発が容易でないのはいうまでもない。しかし、もし成果をあげられれば、そこから装備などを充実して乗用EVへ商品力を発展させ、エンジン車と競える車両価格の実現が見えてくる。
  次に、一般的に商用車は原価が優先で、走行性能や快適性は二の次となりやすい。それでもEVであれば、モーター特性によって発進・加速は圧倒的に優れ、静粛性も高く、車載バッテリーの重さで乗り心地も向上する。
  つまり、クルマで仕事をする人の労働環境が改善されるのだ。
原価問題を解決すれば新たな利用方法が生まれる可能性もある
  さらに、社へ戻ったあと一晩充電すれば、翌朝の始業時にはほぼ満充電で出発できる。そうなると、帰社途中でガソリンスタンドに立ち寄る手間が減り、早く帰宅できる。コインパーキングに停車しながら、パーソナルコンピュータや通信を利用した事務処理を行うことがクルマで営業する人の効率化につながっている状況があるが、コインパーキングに充電設備が加われば、事務処理をしている間に充電もできる。
  配送業では、郵政グループが三菱ミニキャブミーブを使い、郵便配達でもホンダの電気バイクの利用がはじまっている。あるいはHWエレクトロというベンチャー企業が、軽および小型商用としてEVの導入をはかっており、宅配業でも佐川急便が7200台の中国製EVを導入するとしている。ホンダは、2024年の軽商用EV導入へ向け、各業界と密接な情報交換をしているようだ。
  大型車では、米国テスラがEVのトレーラーヘッドを開発している。トヨタは燃料電池車の導入を模索しているようだ。そして、ラスト1マイルの軽商用での配送を含め、来年から実証実験を行うとしている。
  大型車は一方で、既存のリチウムイオンバッテリーや燃料電池スタックが、全負荷での走行領域の多い長距離物流では耐久性に懸念があるとの見解もある。
  逆に、構内で利用するフォークリフトや搬送車は、排出ガスを出さないEVの利点を活かし、ことに搬送車では経路が決まっているので、床に配した磁気などの誘導で自動運転も行われている。
  EVのよさは、屋内でもそのまま走れるところにある。物流においても、また福祉車両などでも、いまでは考えられない、道路と屋内の境を超えた移動の自由という使い勝手も、将来的には生み出されていくのではないか。

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