12代続く大衆車、トヨタ・カローラの歴史と今を解説!

WEB CARTOP
2022.08.17 13:00
この記事をまとめると
■12代続く大衆車、トヨタ・カローラの魅力を深堀り
■歴代モデルを振り返る
■現在モデルのグレードについても解説
海外向けと同じプラットフォームだがサイズを変更
  軽自動車やミニバンを除けば国内専売車が圧倒的に少なくなってきましたが、カローラは海外モデルと国内向けモデルを明確に分けてきました。先代の11代目はさらに作り分けが進み、国内モデルは海外モデルのプラットフォームとは違いヴィッツなどと同じBプラットフォームをベースに開発されています。
  このように仕向地向けに異なるボディを用意してきたカローラでしたが12代目となる現行モデルはプラットフォームを集約。しかし、国内向けはグローバルモデルをベースにボディサイズを変更し、日本で使いやすいボディサイズにこだわりました。
  12代目カローラに用意されたボディはセダンとステーションワゴン。この2タイプに先行し販売されたハッチバックのカローラスポーツ、さらに2021年に発表したカローラクロスがファミリーとなります。今回はセダンとワゴンのツーリングを中心に現行カローラを考察していきます。
12代目カローラの魅力を深堀り
12代目カローラのプラットフォームは?
  12代目カローラはプリウスやC-HRに採用されているGA-Cプラットフォームを使用。ただし骨格構造を見直したことなどで剛性を高めています。
  グローバルモデルも同様のプラットフォームを採用していますが、国内向けはセダン、ワゴン(ツーリング)ともにホイールベースを60mm短縮し2640mmに。全長もグローバルモデルと比べ100mm以上短くし(4495mm)、全幅も国内の道路環境に合わせて1745mmにした国内専用のボディとしました。
  また吸音材や遮音材を適切な位置に配置し、ノイズや水はけ音を削減するフェンダーライナーを装着したことで静粛性が大きく高められました。
12代目カローラのパワーユニットは?
  現行カローラに用意されているパワーユニットは3種類。最高出力116psを発揮する1.2L直4ターボエンジン、1.8L直4のNAエンジン、さらに1.8L直4エンジン+モーターのハイブリッドをラインナップしました。
  このなかで一番スポーティな走りを実現しているのが1.2L直4ターボエンジン。1.2Lエンジンには6速MTが組み合わされますが、このトランスミッションは発進時に嬉しいアシスト制御や変速操作を感知しギヤとエンジン回転数を同調させるi-MTシステムを採用するなど優れた機能が満載。また、1.8LエンジンにはCVTが組み合わされます。
  その1.8Lエンジンは吸気側の動弁機構にバルブマチックを採用するなどでパワーと低燃費を両立。エントリーモデルから上級仕様まで幅広いグレードに搭載しました。
  ハイブリッドユニットはトヨタ自慢のTHSⅡシステムを搭載。エンジンに2モーターを組み合わせるハイブリッドトランスミッションを備えているのが特徴です。
  モーターの電力供給元となるバッテリーは駆動方式により異なり、FFがリチウムイオン、4WDがニッケル水素バッテリーを搭載します。
  ハイブリッド仕様のWLTCモード燃費は24.4〜29.0km/L。同じユニットを搭載するプリウスには及ばないものの優秀な燃費性能を備えました。
12代目カローラのエクステリアは?
  先代のイメージを一新する低重心かつダイナミックなスタイロングを採用した現行カローラ。カローラといえば「年配者が乗るクルマ」なんて想像する方も多いのでしょうが、スポーティーでスタイリッシュな現行型のエクステリアデザインはそんなイメージを払拭するものです。
  セダンについてはグローバルモデルと見た目の差は少ないですが、全長や全幅を縮小するためドアパネルなど国内モデルには専用ボディが施されました。
  ただ、ステーションワゴンのツーリングはグローバルモデルと比べキャビン長もかなり短いためけっこう印象が異なります。ワゴンというよりはショートワゴンに近く感じてしまいます。
  ステーションワゴンというカテゴリーにおいては、伸びやかなフォルムを持つグローバルモデルをそのまま用意したほうがよかったのではないでしょうか。
12代目カローラのインテリアは?
  エクステリアとは違い、インテリアはグローバルモデルとの違いはありません。
  水平基調のダッシュボードはシンプルかつ使い勝手や視認性が高いデザインにこだわっています。
  現行モデルは電動アシストパーキングブレーキを全車に採用。エアコンに空気清浄機能をもたせたことや上級グレードには7インチカラー液晶を配したメーターを採用するなど、上質なインテリアにこだわっています。
  運転席は低めの着座位置でスポーティな走行気分を演出。ただ、SUVやミニバンなど着座位置が高いクルマに乗りなれている方にとって乗降性が悪いと感じるかもしれません。
12代目カローラのユーティリティは?
  セダン、ワゴンともに後席のスペースは上々。大人がゆとりを持って座ることができます。
  気になるラゲッジについてですが、セダンの荷室容量はガソリン、ハイブリッドともに429L。ボディサイズを考えるとかなりの大容量なセダンです。
  一方、ステーションワゴンのツーリングの荷室容量はデッキボードがセダンより床が高いため325L。ただし、リヤシートを倒すと最大800Lの大空間が現れます。こちらもガソリン、ハイブリッドで容量に差はありません。
カローラスポーツ、カローラクロスとは
カローラスポーツ
  12代目カローラとして最初に販売されたのが5ドアハッチバックのカローラスポーツ。従来、オーリスとして販売されていたモデルを国内では新たな名称となりました。
  骨格はセダンやワゴンと同じGA-Cプラットフォームを使用していますが、全幅は1790mmとグローバルモデルと同じワイドボディを採用しているのが特徴です。
  パワーユニットは1.2L直4ターボエンジンと1.8L直4エンジン+モーターのハイブリッド仕様の2タイプをラインナップ。
  1.2Lエンジンには6速MTと10速シーケンシャルシフトマチック付きCVT-iが組み合わされました。
  セダンやワゴン同様、エクステリアデザインは低重心のワイド&ロースタイルを強調するスタイリッシュなフォルム。
  インテリアはセダンなどとデザインを共有していますが、上級グレードにはスポーツシートが装備されるなど車名通り、カローラファミリーで最もスポーティな印象を与えるモデルとなっています。
カローラクロス
  歴代カローラで初となるSUVのカローラスポーツ。国内での販売より先に東南アジアで先行し販売されていました。
  日本での販売は2021年9月から開始され、海外モデルとは違う専用のフロントマスクを装備。東南アジアで販売される同車がワイルド志向であるのに対して国内向けはアーバンSUV的な雰囲気に仕立てられています。
  ボディサイズは全長がベースとなるセダンやワゴンと同様の4490mm。ただし全幅は1825mmとかなりワイドになりました。
  パワーユニットは1.8L直4エンジンとハイブリッド仕様の2タイプ。セダンやワゴンに用意される1.2Lターボエンジンはラインナップされていません。
  インテリアはセダンやワゴンと基本レイアウトを共有していますが、SUVらしい佇まいに仕立てられています。ラゲッジルームもワゴンより容量が大きい487L。ユーティリティ性能が高められています。
初代誕生から半世紀! 歴代カローラを振り返る
  1966年に初代が誕生し、現在までに販売累計販売台数が4500万台を超えるカローラ。国内はもちろん、世界150カ国以上の国で販売される世界的大衆車です。
  時代や販売地域のニーズに合わせ進化を遂げてきたカローラの歴代モデルを振り返っていきましょう。
初代カローラ(1966〜1970年)
  当時、トヨタのエントリーカーだったパプリカよりひとクラス上の大衆車として開発された初代カローラ。一足早く登場した日産・サニーが搭載していた1Lエンジンより排気量をやや大きくした1077ccエンジンを積んだことで「プラス100ccの余裕」をキャッチコピーにしたことなど、ライバルより上級なことを売りにしていました。
  また国産車初となる四輪ストラットサスペンションを採用するなど機能面を重視していた割には40万円台後半と割安な価格で売り出したことで大ヒットとなります。
2代目カローラ(1970〜1974年)
  セダンに加えクーペなども用意した2代目カローラ。ビジネスユース向けにバンも初めてラインナップされています。
  またデビューから2年後の1972年にはスポーツモデルのレビンが登場。レビンはクーペをベースに2T-G型1.6LDOHCエンジンを搭載しオーバーフェンダーでスポーツ感を演出していました。
3代目カローラ(1974〜1979年)
  大衆車として大きな人気を集めてきたカローラ。3代目は2代目より高品質かつ、その当時、厳しくなっていた排出ガス規制に対応するなど機能面にも力を入れて開発されました。
  ボディタイプはセダン、2ドアクーペに加え2ドアハードトップをラインナップし、発売から2年後には3ドアリフトバックを追加。バンは先代モデルが継続して販売されています。
  排出ガス規制に対応すべく、モデル途中でレビンが一時生産中止になるなど規制への適合に苦労したモデルとなりました。
4代目カローラ(1979〜1983年)
  初代、2代目、3代目と大きくイメージを変えた直線基調のエクステリアデザインを採用した4代目。セダン、2ドアクーペ&ハードトップ、3ドアリフトバック、さらにバンをモデルチェンジしラインナップに加えました。
  デビュー当時は1.8L直4ガソリンエンジンを用意していましたが、デビューから2年後のマイナーチェンジで改良型1.5L直4エンジンを搭載したことで廃止されました。
  ただし、1982年には1.8L直4ディーゼルエンジンが追加されています。
  4代目はスポーツモデルのレビン、またバンを除きカローラ最後のFRモデルとなりました。
5代目カローラ(1983〜1987年)
  シリーズ初となるFFプラットフォームを採用した5代目。国内向けとしては初となるドアミラーを採用したのもこのモデルからでした。
  ただし2ドアのスポーツモデル、レビンは先代のプラットフォームを踏襲しFRのまま開発されています。
  FF化されたボディタイプはセダンと5ドアリフトバックを新たに追加。1.6Lエンジンを搭載する上級仕様には、このクラスでは当時珍しい4速ATが組み合わされました。
  また1984年にはハッチバックモデルのカローラFXが追加されています。
  新たな大衆車像を提案すべく、装備はもちろん、機能面で大きく進化したのが印象的でした。
6代目カローラ(1987〜1991年)
  1987年に登場した6代目は、カローラ史上最多年間販売台数(1990年)を記録した大ヒットモデル。ハイメカツインカムエンジン、電動格納式ドアミラー、デジタルメーターなどバブル経済真っ只中だった日本の市場に合わせ、装備や機能を充実させたのが人気の理由でしょう。
  ボディタイプは5ドアリフトバックが廃止されセダンのみに。ただし、リフトバックはスプリンターシエロとして販売されました。また3ドアハッチバックのFXもセダンと同時にモデルチェンジされています。
  またバンをフルモデルチェンジ。バンをベースとしたステーションワゴンがラインナップされました。
7代目カローラ(1991〜1995年)
  先代に引き続き、豪華・高級路線を継承し登場した7代目。ハイソカーとして人気を得ていたマークⅡなど上級モデルに匹敵するほどの装備も用意していました。
  パワーユニットは一部の商用モデルを除き、全グレードがDOHCエンジンを搭載。1.6L直4エンジンは5バルブとなるなど装備だけでなくメカニズムも上級モデルに迫る機能を装備していました。
  ただ、時代はバルブ経済崩壊を迎えており、豪華さを誇った7代目は6代目ほどの人気を得ることはできませんでした。ある意味、歴代シリーズの中で一番悲運なモデルだったのかもしれません。
8代目カローラ(1995〜2000年)
  バブル経済崩壊後に登場した8代目は、先代と比べ質素な(?)外観となりデビューしました。無塗装部が目立つ前後バンパーなどコストダウンされた箇所がわかりやすく、ここまで質感を落としてユーザーは購買意欲がそそられるのだろうか、と多くの人が心配したほどです。
  その心配は当たり、デビューの1年後には上級モデルには無塗装だった前後バンパー上部に塗装を施されるなどの改良が加えられ、その後、内外装の質感を向上すべくマイナーチェンジが行われました。
  8代目のトピックスとして1997年にトールワゴンのカローラスパシオがデビューしたことも忘れてはいけません。スパシオは2列シートを備えた4人乗りと全長4135mmと短いボディにもかかわらず3列シートを配した6人乗りを設定。現在、高い人気を誇るシエンタの元祖ともいえるスパシオはデビュー当時、大きな話題を集めました。
9代目カローラ(2000〜2006年)
  先代からプラットフォームを一新し、ボディサイズを拡大して登場した9代目。先代デビュー時の反省を活かし、見た目の質感を重視していましたがリヤサスペンションをトーションビーム式(FF)としたことなど見えない部分はコストダウンが図られました。
  ボディタイプはセダンと、ワゴンのフィールダーを用意。トールワゴンのスパシオも2001年にモデルチェンジされています。ただしスパシオの3列シート仕様は廃止されました。
  パワーユニットは1.3L、1.5L、1.8L直4ガソリンエンジンと2.2L直4ディーゼルエンジンをラインナップ。歴代モデルと比べ車格がやや上に位置づけられました。
10代目カローラ(2006〜2012年)
  車名にアクシオとのサブネームがつけられた10代目。海外モデルの全幅は5ナンバーサイズを超えましたが、国内向けの全幅は使い勝手が良い1695mmに抑えられています。
  ボディタイプはセダンとワゴンのフィールダーのみ。スパシオは廃止されました。
  10代目はとくに機能面の向上が目立ち、1.8Lエンジン搭載車には7速スポーツシーケンシャルシフトマチック付きCVTが搭載されるなど大きく進化。また、装備面が充実していたところも好評を集めています。
11代目カローラ(2012〜2019年)
  11代目の大きなトピックスはグローバルモデルとは違い、ヴィッツなどで使用していたBプラットフォームを用いて開発されたこと。そのため全長が先代より50mmほど短くなりました。
  先代同様、アクシオのサブネームは継承しましたがパワーユニットは1.8Lやディーゼルエンジンを廃止。その代わりではないのでしょうが、2013年にはハイブリッド仕様が追加されています。
  ハイブリッドだけでなくシリーズ初となるプリクラッシュセーフティなどを備えた先進運転支援システム「トヨタ・セーフティ・センス」を搭載するなど機能面に力を入れていたのも特徴でした。
現行カローラのグレードを紹介
  現行カローラのグレードはセダン、ワゴンともに6タイプ。ガソリン、ハイブリッドそれぞれエントリーモデルの「G-X」、「S」、上級仕様の「W×B」と3グレードに区別されています。またハイブリッドモデルは各グレードに4WD仕様も用意されました。
  シリーズのエントリーモデルとなる「G-X」(ガソリン:193万6000円、ハイブリッド:240万3500円〜260万1500円)をはじめ、どのグレードも先進運転支援システムのトヨタセーフティセンス、オートエアコン、4スピーカー、LEDヘッドランプ、7インチディスプレイが標準で備わります。
  これに加え中級グレード「S」(ガソリン:213万9500円、ハイブリッド:257万4000円〜277万2000円)には、トヨタセーフティセンスのACCが全車速追従型になり、フロントグリルがグレーメタリック塗装に。
  最上級グレード「W×B」(ガソリン:231万5500円〜242万4400円、ハイブリッド:275万円〜294万8000円)はシートが合成皮革とレザテックになりホイールが17インチ、リヤスポイラーを備えるなど豪華な装備や加飾を配しています。またオプションでホワイト内装の選択も可能となるのが他のグレードと大きな違いでしょう。
まとめ
  長い歴史を誇るカローラですが、使い勝手が良い大衆車というコンセプトは現行モデルも初代から継承しているポイント。
  他のファミリーカーがグローバル化していく中で、日本の道路環境化において使いやすいサイズにこだわっているところはカローラならではの大きな利点といえるでしょう。
  機能や装備などはもちろんですが、現在でも国内向けボディを作り続けていることが一番の魅力です。

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