かつて0.1km/Lを競った新車の「燃費数値」! いまじゃ「売り文句」にならないけど購入時には「シッカリ確認」しなきゃダメだった

2022.08.15 06:20
この記事をまとめると
■かつてメーカーによる燃費のアピールやライバル車同士の競争をよく目にした
■いまでは各車種の燃費が一定以上の水準に達し、燃費への関心は薄れている
■同じ車種のノーマルエンジンとハイブリッドは依然開きが大きい
各車種の燃費が一定以上の水準に達した
  2010年代の前半は、エコカー減税の施行が本格化した時期で、クルマを選ぶ時にはエコカー減税の該当が必須条件であった。とくに免税を頂点とする減税率が重視され、販売店からは「燃費数値がライバル車と比べて1km/L劣ったら、売れ行きに悪影響が生じる」という話も聞かれた。
  そこで燃費にシビアな軽自動車は、フルモデルチェンジだけでなく、細かな改良を行うときでも小刻みに燃費数値を向上させた。
  たとえば5代目ワゴンRは、2012年に発売された時のJC08モード燃費は28.8km/Lだったが、2013年の改良では30km/Lに向上させた。さらに2014年には32.4km/Lに達している。このような細かな燃費向上は、軽自動車の各車が行った。
  そのたびにエコカー減税額を増やすこともあったが、やがてユーザーからは「実際の燃費がJC08モードに比べて大幅に悪い」という話も聞かれるようになった。そこでメーカーは、燃費数値への執着を次第に弱めていった。
  またユーザーの燃費へのこだわりにも、ブームの様相があり、時間の経過に伴って関心が下がった。各車種の燃費が一定以上の水準に達して、購入時に納める税額の格差が是正されたことも、こだわりを薄れさせた。
  そして2018年から順次採用が開始された今日のWLTCモード燃費は、JC08モード燃費に比べて実用燃費に近い。その結果、以前に比べると、燃費数値と実用燃費の隔たりも小さくなった。
同じ車種のノーマルエンジンとハイブリッドは依然開きが大きい
  また全般的に燃費数値が向上すると、燃料代の差額は小さくなる。たとえばヤリスハイブリッドGのWLTCモード燃費は35.8km/L、フィットe:HEV(ハイブリッド)ホームは28.6km/Lだ。ヤリスの燃費数値は、フィットを25%上まわる。
  そこでレギュラーガソリン価格が160円/Lとすれば、1km当たりの燃料代はヤリスが4.5円、フィットは5.6円だ。1km当たりの差額は1.1円だから、1年間に1万kmを走行して、1年間の燃料代の差額は1万1000円になる。この差額は、ガソリン価格が下がると減少する。
  このような具合だから、以前に比べるとライバル車同士の燃費競争に対する関心は薄れ、10年前のような不毛な争いも見られない。
  しかしその一方で、ノーマルエンジンとハイブリッドの燃費格差は、車種によっては依然として大きい。例えばカローラクロスの場合、2WDのノーマルエンジンはWLTCモード燃費が14.4km/L、ハイブリッドは26.2km/Lだ。ハイブリッドを選ぶと燃料代を45%節約できる。
  その一方でノーマルエンジンとハイブリッドの価格差は35万円だが、購入時に納める税額はハイブリッドが約7万円安いから、実質価格差は28万円に縮まる。そうなるとレギュラーガソリン価格が160円/Lなら、約5万6000円kmを走ると実質価格差を燃料代の差額で取り戻せる。
  以上のように同じカテゴリーのハイブリッド同士、あるいはノーマルエンジン同士では、燃料代の差はあまり開かないが、同じ車種の「ノーマルエンジン vs ハイブリッド」は依然として開きが大きい。今はパワーユニットによる燃費、価格、税額の違いに注意して、車種とグレードを選ぶのが合理的だ。

あわせて読みたい

スズキのユーザーに寄り添ったグレード展開がヤバい! アルトを例にみたらコストにシビアな人は必見の中身だった
WEB CARTOP
スズキ・スイフト ハイブリッドMZ(FF/CVT)【試乗記】
webCG
世界最高峰のヨットレース「アメリカズカップ」が追い求める「人の可能性」
antenna*
クラウンセダンを迎撃! 今年のホンダは本気だ……最新e:HEVを搭載した新型アコードが走りも内装も上質すぎた!
ベストカーWeb
レクサスLBX“クール”(FF/CVT)/LBX“リラックス”(4WD/CVT)【試乗記】
webCG
人気声優・小野賢章が「自分をアップデートさせる」ドライブ旅へ! @江ノ島〜葉山
antenna
ノートシリーズで1番オトクなの「NISMO」ってマジか!! 国産コンパクトカー6台の「コスパ最強グレード」
ベストカーWeb
フォレスター圧巻のコスパ!! ヴェゼルは上級グレードがオトク!? 国産SUV14台の「高コスパグレード」
ベストカーWeb
あなただけの特別な香りが作れるワークショップを開催
PR TIMES Topics
ノアのエアログレードめちゃお買い得!! アルヴェルにセレナは!? 大人気ミニバン4台のコスパ最強グレード
ベストカーWeb
新型スイフトは燃費大幅向上! ライバルのヤリスより優れてるポイントは? お得グレードも大公開!!!!
ベストカーWeb
にんじん本来の味わいを詰め込んだ「カゴメにんじんジュース 高β―カロテン」のおいしさを体験!
antenna
シエンタも超イイんだけど……やっぱり新型フリードが気になるぞ!! 24年8月発売まで待つべきなのか!?
ベストカーWeb
N-BOX買うならソリオもあり!! 年間の維持費は4万円アップだけど……走りも室内空間もいいことだらけだった!
ベストカーWeb
カゴメの新にんじん100%ジュース、そのおいしさの秘密は!?
antenna
【お値段以上の作戦がすごい】スズキ新型「スイフト」は衝撃の“ノー”ストロングハイブリッド!5ナンバーで172.7万円から『小沢コージの遊べるクルマ』
MonoMaxWEB
新車カタログをみると燃費が2種類あるけどナゼ? WLTCとJC08モード燃費の違いとは
WEB CARTOP
【NEW ERA®✕ANEICA】コラボ第二弾!キャップとTシャツ発売開始
PR TIMES Topics
レクサスUXと同車格なのに……LBXが小さくても高級に感じるワケって? 輸入車と比較して意外すぎる結果とは
ベストカーWeb
燃料費はPHEVが安い……アウトランダーは悪路走破性もバツグン!! エクストレイルはパワフルも割高か
ベストカーWeb