トヨタの2ドアスペシャリティカー! 歴代トヨタ・スープラを振り返る

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2022.08.10 13:00
この記事をまとめると
■トヨタの2ドアクーペ、スープラを振り返る
■ルーツとなったセリカXXから現行型までを紹介
■クルマの基本性能を時代ごとに突き詰めたモデル
BMWとの共同開発で蘇った新型スープラ
17年ぶりに登場した新生スープラとは
  4代目の販売終了から17年、長い沈黙を経て復活した現行スープラ。パートナーとしてBMWと手を組み、開発はBMWとのコラボ、基本コンポーネントは同車のZ4と共用、搭載するエンジンはBMW製直6エンジン、車両製造はメルセデス・ベンツGクラスなどを作るマグナ・シュタイナー(オーストリア)が担うなど、歴代モデルとは大きくことなる工程で生み出されました。
  またもう一つことなるのが車名。2017年に生まれたトヨタのスポーツカーブランド『GR』初となる専売モデルとしてGRスープラと名付けられたのです。(ただしGRスープラは商品名で車種名はスープラのまま)
  スープラのボディサイズは全長4380mm、全幅1865mm、全高1295mm、ホイールベースが2470mm。先代からホイールベースが80mm短くなったことが大きな特徴といえるでしょう。
BMW製パワートレインを搭載
  現行スープラに用意されたパワーユニットは2種類。2リッター直4ターボエンジンと3リッター直6ターボエンジンで、いずれもBMW製のパワーユニットとなります。
  B58型3リッターエンジンは最高出力340ps、最大トルク51.0kg-m。3Lエンジンは2020年の一部改良により最高出力を387psに向上。これはエキゾーストマニホールドの変更やピストン形状を変えたことによるもので、同時にボディ剛性の向上やサスペンションのセッティングも改良されました。
  2リッターエンジンはチューニングが異なる2タイプ設定され、ハイパフォーマンスモデルの“SZ-R”は最高出力258ps、“SZ”は197ps 。“SZ-R”にはハイチューン仕様のためエンジンの圧縮比が抑えられています。
  いずれのパワーユニットにはスピーカーから補正音を出すアクティブサウンドデザインシステムにより、大排気量らしいエンジンサウンドが強調されているのが特徴。スポーツカーらしさをさらに演出しました。
  3リッター、2リッターエンジンともに組み合わされるトランスミッションはZF社製の8速AT。2リッターエンジン仕様には振動ダンパーが配備され大きなトルク変動に対応しています。
  また2022年には3リッター仕様にMTが設定されました。
スープラらしいロングノーズ+ショートキャビンのエクステリア
「これぞスープラ!」といったフォルムを採用した現行型。4代目のエクステリアと同様のロングノーズ+ショートキャビンのプロポーションにワイドトレッド、絞り込まれたキャビンなどピュアスポーツカーらしいエッセンスが施されたデザインとなっています。
  ただ、あまりにも絞り込まれたリヤフェンダーは量産に不向きな形状。開発陣自体、実際に生産できるか不安だったようですが、共同開発したBMWから可能だとのお墨付きをいただき実現に至ったそうです。
  またボディに配されたエアロパーツも走行中の揚力を抑えることを念頭にデザインされ、高い走行性能に寄与しています。
水平基調で構成されたインテリア
  エクステリアは先代のイメージを取り入れたデザインとなりましたが、インテリアは大きく変更されています。
  運転席まわりはドライバーを包み込むラウンド形状だった先代と比べ、現行モデルは水平基調へとチェンジ。今どきのスポーツカーらしく横長8.8インチディスプレイをインパネ中央上部に配置。タッチパネル操作も可能なディスプレイは横長パネルの構造を活かし左右分割して情報を表示することが可能です。
  ディスプレイにはナビゲーションシステムの表示はもちろん、先進支援システムや走行モード、はたまたエンジンオイルのチェックまで画面に表示することができます。
  ピュアスポーツにこだわる現行モデルには2シーターのみをラインナップ。後席が配置されていません。またラゲッジルームは燃料タンクを配置したことにより容量が少なかった先代とは違い大型のスーツケースの積載可能な容量を確保。大人2名が小旅行で困らない荷物を現行スープラは積むことが可能となりました。
仕様によるホイールサイズの違い
  先程説明したように現行スープラには2リッターと3リッターエンジンが用意されています。エンジンの仕様による異なるのがホイールで、ベーシックグレードの「SZ」には17インチアルミ、2リッターエンジンのハイパフォーマンスモデル「SZ-R」には18インチアルミ、そして3リッターモデルには19インチが用意されます。
ライバル車比較
  新型スープラのライバルとしてまず浮かぶのが日産フェアレディZ。7代目となる現行型は6月下旬に発売されたばかりですが、半導体不足などの影響により日産は受注の停止を発表。
  それでも最高出力405psを発揮する3リッターV6エンジンや2シーターレイアウトなどスープラと市場では真っ向勝負を挑む相手といえるでしょう。
  とはいえまだメディア向けの市場がテストコースで行われるなどの限られた情報しか伝えられないのが現状。走行性能など、ライバルとしての各種比較はもう少し先にならないとはっきりしません。
  となった場合、比較対象となるのがすでに市場に出回っている輸入車がその対象となります。数あるスポーツカーの中でスープラのライバルといえるのがポルシェ・718ケイマン。最大のライバルとなるのは間違いありません。
  全長4380mmのスープラに対して、718ケイマンは全長4385mm。エンジンはベース仕様の2リッター直4ターボが最高出力は300ps、最高速度は275km/Lと堂々たる性能を誇ります。
  また718ケイマンGT4は最高出力420psの4リッター水平対向6気筒エンジンを搭載しこちらは最高速度304km/L。ハイパフォーマンスモデルのGT4 RSは500psの同エンジンを積み最高速度は315km/Lと圧倒的性能を発揮します。
  GT4 RSとの性能差こそありますが、スープラと718ケイマンはライバルであることは間違いなし。今後、両車がそのように進化していくかを興味深く見ていきたいものです。
ルーツはセリカXXだったスープラの歴史
初代(A40/50型)1978〜1981年
  1978年にデビューした初代スープラ。そもそもスープラとは北米市場で人気車種だった日産フェアレディZに対抗しうる6気筒搭載のスポーツクーペを作って欲しい、との現地販売現場からの要望が登場のきっかけです。
  ベース車種として選ばれたのが4気筒エンジンを搭載していた2代目セリカ。ホイールベースを130mm延長しロングノーズ化。長くなったノーズに直列6気筒エンジンを積み、内装をラグジュアリーテイストに仕立て初代スープラが誕生しました。
  ただ初代の日本名は「セリカXX(ダブルエックス)」。北米で「XX」とは映画視聴の年齢制限を意味する表記だったことで北米版はスープラと名付けられたのでした。
  初代の国内版には最高出力125psを発揮する2リッター直6と140psを発揮する2.6リッター直6エンジンをラインナップ。その後、マイナーチェンジにより2.6リッター直6が最高出力145psを発揮する2.8リッター直6エンジンに変更されています。
  当時最大のライバルだった2代目フェアレディZがスポーツカー路線から豪華な内装を備える、ややマイルドな高級スポーツカー路線に変更されたからでしょうか。初代スープラもスポーツカーというよりはラグジュアリークーペとしてデビューしています。
2代目(A60型)1981〜1986年
  ラグジュアリー路線から一転、リトラクタブルヘッドランプを備えたスペシャリティスポーツカーとして登場した2代目スープラ。国内では初代同様、セリカXXとして販売されていました。
  曲線で構成されていた初代のエクステリアとは違いシャープでCD値0.35と優れた空力特性のデザインを身にまとった2代目は、スポーツカー好きから大きな支持を集めました。
  デビュー時に用意されたエンジンは最高出力125psの2リッター直6と170psを発揮する2.8リッター直6の2タイプ。その後、2リッター直6SOHCターボと2リッター直6DOHCのNAエンジンを追加。さらに1983年に行われたマイナーチェンジで2.8リッターエンジンの出力が175psまで向上しています。
  2代目のトピックスとして当時としては最新のハイテク装備が施されていたことも忘れてはいけません。
  初代のコンセプトを引き継ぎよりラグジュアリー路線に展開した高級クーペのソアラに初めて装備され話題を集めたデジタルメーターやクルーズコントロール、電子チューナー付きオーディオセット、さらに目的地までの距離を自動で算出し方角などを表示するクルーズナビコンと、最先端機器を装備することが可能でした。
  またトピックスとして当時、トヨタとの関係が深かったロータスが2代目の開発に関わっていたこともそのひとつです。
  2代目は1986年に3代目へとバトンタッチしますが、スポーツカー好きを中心にかなりの人気を集めました。
3代目(A70型)1986〜1993年
  セリカXXの名を捨て、国内でもスープラを名乗るようになったのはこのモデルから。車名を変更したと同時にプラットフォームもセリカではなくソアラと共通のものへとなりました。
  先代と比べ大きく進化したのが走行性能。トヨタ2000GT以来だという四輪ダブルウィッシュボーンサスの採用、パワーユニットの性能向上などかなり走りを意識したモデルとなりました。
  デビュー時のパワーユニットは2リッター直6・NAと2リッター直6・DOHCターボ、3リッター直6・DOHCターボの3タイプ。ただ3リッターエンジン搭載車には2リッターモデルにある5速MTが用意されず4速ATのみとなるなど、走りの2リッターエンジン仕様、豪華な3リッターエンジン仕様と設定されていたようです。
  ただソアラとの差別化を図るためかデビュー翌年には3リッターエンジン仕様にMTを追加。同時に海外仕様で採用されていたワイドフェンダーボディも追加されました。
  その後、3リッターはすべてワイドフェンダーボディとなり、1988年にはレース車両のベースモデルとなる500台限定の“ターボA”が販売されるなどスープラの位置づけがピュアスポーツ志向へと変化していきます。
  その流れはそれ以降も続き1990年のマイナーチェンジで3リッターエンジンが最高出力280psを発揮する2.5リッター直6・DOHCツインターボへ変更。ハイパフォーマンス仕様“2.5ツインターボR”にはレカロ製シート、ビルシュタイン製ダンパーなど走りに特化した装備が施されました。
4代目(A80型)1993〜2002年
  3代目が進めてきたピュアスポーツ路線を昇華させたともいえる4代目スープラは1993年にデビュー。3代目ソアラとプラットフォームを共有しつつも、燃料タンクの位置をリヤシート下からトランクルーム下へ移し重量配分を最適化するなどスポーツカーとしてのこだわりを随所に見せています。
  また、いまでは珍しくなくなりましたがドイツのニュルブルクリンクでテスト走行をしながら開発した車両はこのスープラがトヨタでは初のモデルでした。
  デビュー時に用意されたパワーユニットは2JZ型3リッター直6エンジン。最高出力225PSのNAと280psのターボを選択できました。またエンジンに組み合わされたのは6速&5速MTと4速ATを組み合わせています。
  パワーユニットは1997年のマイナーチェンジでターボエンジンに可変タイミングバルブ機構のVVT-iを採用したことで最大トルクが大幅に向上。リヤサスペンションやボディ構造の強化も図られ、より走行性能が高められました。
  しかし、主要マーケットとなる北米市場での販売が伸び悩み、国内では排出ガス規制が強化されるなどの影響から2002年に販売を終了。その後、17年間、スープラの名はトヨタのラインナップから消えることとなりました。
プラットフォームが同じZ4との違いは何か
  先程お伝えしているように現行スープラはBMW・Z4とアンダーボディを共用しています。ただしアッパーボディや内装はまったくの別物。オープンモデルのZ4とピュアスポーツのスープラとはキャラクターが違うだけではありません。
  とはいえ、そこはBMWとの共同開発。前後重量配分が50:50になっていることなどBMWがこだわる走りのポイントはスープラにも注入されました。
  Z4と共用するボディは鋼板とアルミ合金を組み合わせたハイブリッド構造。サスペンションはフロントがマクファーソン・ストラット式、リヤはマルチリンク式を採用しています。
  デビュー時はZ4のみにMTが用意されていましたが、スープラも現在は3LモデルにMT仕様を設定。機能面でいうと、両車に違いはありません。
現行スープラのおすすめグレード
  スープラに用意されているグレードは3つ。それぞれがエンジン(とチューニング)の違いとなります。
  エントリーモデルとなる「SZ」は2Lエンジンを搭載。スープラの中では一番リーズナブルな499万5000円となりますが必要な装備はほぼすべて備わっています。
  2リッターエンジンの高出力仕様を積むグレードが「SZ-R」。エンジン以外に電子制御でショックアブソーバーの減衰力を変化させるAVSなどが「SZ」とは違い備わりました。価格は601万3000円となりますが、旋回性能などスポーツカーらしい走りを求める方には一番おすすめのグレードとなります。
  3リッター直6エンジンを搭載するのが「RZ」。8速ATと6速MTを用意しデュアルテールパイプなど走りを向上させる装備が満載とスープラの最上級グレードらしい内容となっています。
  価格は両トランスミッションともに731万3000円。質が高い走りを求めるならこのグレードが最適と言えるでしょう。
まとめ
  17年振りに復活したスープラは最新の技術とともに、ロングノーズ+ショートキャビン、直列6気筒を搭載するFRなどクルマ好きをくすぐる構成を備えて登場しました。
  国産車としては数少なくなったピュアスポーツカーとして注目を集めるスープラですが、今後、どのように発展していくかにも興味が募ります。
  新たに登場した新型フェアレディZとともに、今後、スポーツカージャンルを引っ張って行く存在となることを期待しましょう。

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