外見・言葉・文化の違いから、外国にルーツを持つ子どもは異物扱いやからかいに遭い、時にとても辛い経験をしています。成長中で心身共に未だ不安定な子どもたちが、周りと違う環境で1人思いを押し殺し奮闘するのではなく、同じ経験をしてきた大人や同世代の仲間と語らい、子どもらしくのびのびできる居場所を作ります。0. はじめに
こんにちは。私たちはRadices (ラディチェス)です。
We areRadices.
子育てをしている外国人や、学校現場や行政などで外国にルーツを持つの子どもと接する機会のある者が集まりました。
私たちは、様々な困難を抱える外国にルーツを持つ子どもたちが、安心感を得ながら、子どもらしく、のびのび育つことができるように、居場所となる保健室を作りたいと思っています。
1.広島の外国にルーツを持つ子どもの現状
2.なぜ「保健室 ラディチェス」なのか
3.どうやって保健室を作るのか
4.これまでの活動の信念、継続性
5.資金の使いみち
6.お礼・リターン
をお読みいただき、子どもたちの笑顔が増え、「国際平和文化都市」広島がもっともっと素敵になるように、
是非ご支援をお願いします。
1.広島の外国にルーツを持つ大人・子どもの現状
2021年に日本で生まれた赤ちゃんのうち、親に外国人を持つ子の割合は、どれくらいだと思いますか?
正解は、24人に1人です。30人〜40人の学校のクラスに、1人〜2人は外国人を親に持つ子どもがいると言えます。
実は日本はすでに、世界第4位の移民受け入れ数を誇る移民大国となっています。
ここ、広島でも、全国的な傾向と同じく、着実に外国人が増えていることが、統計からわかります。
【グラフ左】広島市の人口:棒グラフが人口数、折れ線が増加率 【グラフ右】外国人の人口 (いずれも広島市統計より)
2015年から2020年までの5年間で、広島市の人口は6700人余り増加しました。(増加率0.6%)
一方で、外国人の人口は、同じ期間の5年間で4100人余り増えており、増加率は26.6%にもなります。
外国人は、日本人と同じように働いたり学校に行っています。
例えば、夜中立ちっぱなしで働くお弁当工場、特産の牡蠣や柑橘類の生産、車の部品工場なども外国人が多く働く分野と言われ、
日常生活から広島ブランドまで、外国人の力があって成り立っています。
広島は、戦争で日本人以外の人を深く傷つけたと同時に、原爆で無差別に多くの命が奪われた場所です。
多様な文化背景、言葉、価値観を持つ人たちと「認め合うこと」「支え合うこと」の大切さを深く学び、誓った広島ですが、
海外への「広島の心」の発信やインバウンド(訪日観光客向け)の取り組みが進められてきた影で、
外国人の市民への理解や支援が比較的遅れている地域で課題があることは、あまり知られていません。
外国にルーツを持つ子どもたちが置かれた状況も、その一つです。
外国の子どもが抱える困難として、日本語で学習することの難しさ(教科も学べるレベルの日本語の習得、高校入試など)もよく挙げられますが、
外国人の子どもを持つ・関わる私たちは、学習面だけでなく、「子どもたちの心」、つまり、日本の子ども社会・学校文化への適応の難さとアイデンティティクライシスについても、とても心配しています。
子どもは「みんなと違う人 」がいるときに、そのままその特徴を口に出す、笑いのネタにする、除け者にするといったことを、悪気なしに容赦なくしてしまうことがあります。ひどい時は、そこからイジメに発展することもあるでしょう。
自分が生まれ持った特性や、家族や大切な人との関わりの中から育まれたアイデンティティを、ずっと否定されながら育つ可能性があるということです。2.なぜ「保健室 ラディチェス」なのか
Radicesは、ラテン語で「ルーツ」を意味する言葉です。
外国にルーツを持つために「いつも周りと違う」「笑われたり否定されてしまう」辛い経験をする時も、
子どもたちが、自分のルーツを嫌いになり、否定したり、押し殺しながら気を張り詰めながら奮闘するのではなく、
自分のルーツを肯定し、自分のかけがえのない個性・アイデンティティとしてして大切にできる、そんな場所が必要です。
そして、自分のペースで、のびのびできる、しんどい子どもはまずは休むことができる「保健室」の様な居場所が必要だと、私たちは考えています。
広島には、社会的なこと、ソーシャルグッドについて活発なコミュニティがたくさんあるではないかと思われるかもしれません。
その一方で、当事者として本当に疲れている人、傷ついた人、打ち明け話がある人などが、「話を聞いてもらえる」「静かに受け止められる」場所があまりないと感じています。
また、繊細で微妙な立ち位置にいる外国にルーツを持つ子どもたちが、社会的な議論が白熱するコミュニティで、議論する人たちのイメージや枠にはめられそうになったり、
自分の繊細で大切なアイデンティティについての打ち明け話が、どんどん拡散されてしまったり、自分だけの経験や思いを、話好きな人にどんどん代弁されてしまう、
そう言うことがないようにしたいのです。
「保健室」で大切なことは、「落ち着ける」「自分らしくいれる」「癒される」 ことです。
まずは、事情がわかる大人や、信頼できる同様の立場の仲間が待っている、待っていてくれて、黙って寄り添ってくれる
そんな、ちょっとだけ新しい、小ぢんまりした温かな場所を目指します。3.どうやって保健室を作るのか
「つらいとき保健室に駆けこめる」ためには、場所を整備しなければとかねてから考えていました。
問題はどこにつくるのか・・・
可能性を模索し続けた甲斐あって、東区の牛田駅からほど近い場所に、「小屋と畑を無償で貸します」「コミュニティスペースにしたい」と
言ってくださる方が現れました。こちらです!
奥の白い小屋。一見何の問題もなさそうに見えますが・・・
床が湿気で傷んでいて、歩くとミシミシと言いながら凹みます。もし子どもが飛び跳ねたら・・・
集まった資金は、この小屋の修復に当てさせていただく予定です。
また、このスペースだけでは狭いので、外にウッドデッキを増設したいと思っています。
ところで、難民受け入れ先進国のドイツでは、戦禍をくぐり抜け傷ついた難民の心をケアする国の取り組みとして、
「土いじり」があるそうです。
外国人支援に仕事として関わっているメンバー数人は、この春に戦禍のウクライナから逃れた数世帯と出会い、繋がりがあります。
避難したウクライナの方からいただいたカード「誰もが一度に人生の意味を理解できるようになった」
また、ウクライナの方に限らず、これから出会う、他の国から難民として逃れた方や、他の理由で傷ついている外国にルーツを持つ人が必要とする時には、
ぜひこの畑を一緒に世話しながら、癒されていってほしいなと思っています。
畑で育てる作物の苗や肥料、道具など、そして、小屋で休憩する時にあれば助かる家具・小物なども、出来るだけ揃えたいです。
ご近所の畑百戦錬磨のおじいちゃんが教えてくれます。幼稚園の子どもの畑もあります。
4.これまでの活動の信念・継続性
Radices(ラディチェス)の前身の活動は、2020年の春に興りました。
世界中で巻き起こった Black Lives Matter のムーブメントに呼応し、広島でも1度パレードがありましたが、
支援者や資金の不足による参加者の負担の大きさや、コロナ禍での活動の難しさから、
その後は、時折、元々仲の良かった外国にルーツがある数家庭が集まって、小さな交流会が開かれるにとどまっていました。
この時すでに「活動を最小限に絞るとしても、子どもの心のケアや自己肯定感の向上、エンパワメントのための取り組みだけは外せない」と言う気持ちは一致していました。
また、仕事で外国人支援を行なっているメンバーは、こちらもコロナ禍で活動が難しいながら、
日本語ができない大人の外国人もエンパワメントし、日本人は一番近くの外国人を通して世界を知るための料理教室の取り組みを、細々と続けてきました。
スパイスたっぷり
このような「公正・公平を実現する」「誰1人取り残さない」「自分たちも社会も楽しくなるような活動」といった意思を継続し、経験が活かせるよう、取り組んでいきます。
また、この「外国人がエンパワメントする料理教室」は、これからも続けていく予定です。5.資金の使い道
みなさんが授けてくださった資金は、
・小屋のリノベーションにかかる材料費(ウッドデッキ含む)
・畑づくりにかかる苗、肥料、道具など購入費
・小屋の中に置く家具・家電・小物など購入費
・活動時の子どもの保険代
・子どもと大人の飲み物・おやつ購入費
に活用させていただきます。
スケジュール
2022年
8月下旬頃 可能な部分からリノベーション(解体など)に着手
9年10月 クラウドファンディング終了
9月下旬頃 内装リノベーション完了
隔週で小屋の利用開始、畑での土いじり開始
2023年
年明け頃 「外国人がエンパワメントする料理教室」開催・リターン発送6.お礼・リターン
・子どもたちのお絵かき入りメッセージカード(PDF・紙) をはじめ、
・Lopez の「Okonomiyaki Coffee」
・「外国人がエンパワメントする料理教室」割引や参加機会の提供
をご用意しています。
Lopezは、広島市民にはおなじみ、グアテマラ人の店主ロペズさんが焼く、お好み焼きの名店です。
Lopezでは、今年からグアテマラやコロンビアなどの豆を自家焙煎したOkonomiyaki Coffee の
提供を始められました。
若いころ母国の紛争などで大変な苦労をなさったLopezさんが、日本とであい、地域に生かされ、地域を支えている、
今、悩める若い外国にルーツを持つみなさんにも、Lopezさんのように羽ばたいてほしい、
そんな願いを込めて提供します。
Lopezさんのストーリーは
困難も抱え、傷つきもする、外国にルーツを持つ子どもたち。
でも、彼らが「出る杭」や「おにもつ」とされてしまうのか、
様々な希有な可能性を秘めた、日本社会も豊かにしてくれる存在として羽ばたいていくのかは、
私たちの一人一人の受け止め方や伴奏にかかっています。
私たちと一緒に、カラフルで新しい可能性がいっぱいの、豊かな社会をつくりましょう。