四肢障がい者夫婦の宝物の日々を本にして“心のバリアフリー”の大切さを伝えたい

2022.08.31 02:32
日常生活すべてにおいて、介助が必要な重度の障がい者夫婦がそれぞれに過ごしてきた日々は、涙と笑いの連続でした。皆さんにそんな二人の一コマを知って頂き、誰もが自分らしく生きていけることをお伝えできればと思いながら筆を進めてきました。この作品が出版されることを天国の夫も願っていることと思います。
画像キャプションはじめまして
蛭田眞由美と申します。
亡き夫と私は19年前に結婚しました。
私達には重度の障がいがあり、日常生活全てにおいて介助を受けながらの生活でした。
それぞれに介助者が付いてユニークに暮らしていた我が家は、皆さんから『ヒルタワールド』が繰り広げられていると言われたものです。
そんな二人はスタッフをはじめ色々な方々に協力して頂きながら介護事業所を
営んできました。
未曾有の東日本大震災も乗り越え、順風満帆とまではいかないまでも、仕事も生活も楽しい日々を送っていたのです。
ところが、ある日突然、結婚生活15年を迎えた年に夫は他界してしまいました。
現在私は夫の遺志を継ぎ、スタッフ、ヘルパーさん、家族そして周りの人たちに助けて頂きながら、介護事業所や障がい者を中心とした福祉サービス、
地域とのつながりを大事にする活動を展開するNPO法人の理事長を務めております。
プロジェクトで実現したいこと
生前夫が書いていた半生記が完成しないまま彼のパソコンに保存されていました。
自分が大好きな夫は「
をやりたい!」とよく言っていたものです。
両親はもとより沢山の方々に介助してもらいながら、
自分が望む生活をして夢を叶えてきた夫。
彼の人生こそがコロナ禍の現代に元気と勇気を与えるはずです。
そこで、夫の未完成の原稿を元に私が改めて「蛭田実」の半世紀を書き上げました。


更に、私が10年前に第47回NHK障害福祉賞で優秀賞を受賞した「三人四脚」という体験談も掲載します。こちらの作品は、重度の障がいがある私が、両親を中心に友人や
周囲の人たちに助けられながら過ごしてきた日々の中から学生時代を中心に書き記したものです。
私は障がいをお持ちのお子さんを育てている方へのヒントになればいいな、色々な方に読んでもらえると
嬉しいな、更には子供たちにも読みやすいようと思いながらこの「三人四脚」を書き上げました。


これらの作品は仲間内だけではなくぜひ多くの方々に読んで頂きたいという思いから、風詠社さんから自費出版する予定です。


重度の障がい者が常に感謝の気持ちを忘れず、周りの人たちの支援を受けながら生きて来たさまは、皆さんの心に愛をお届けすることでしょう。
障がいがある方もない方も自分らしく生きることが出来ることを知って欲しいと思っています。




プロジェクトをやろうと思った理由
亡き夫は17年くらい前に自叙伝を出版しようとしました。ある程度完成していましたが、途中で断念してしまい、作品が世に出ることを楽しみにしていた方々を裏切るようなことになってしまい、心苦しく思う日々が続いていたようです。
亡くなる数年前からその原稿に手を入れ始めていました。
両手が全く動かない彼は、棒の先に消しゴムをつけてキーボードを打ちやすいようにしたマウススティックを口にくわえてうつ伏せの状態で作業を進めます。
普通の人よりもかなり時間がかかることはいうまでもありません。でも、いつもそのスタイルのままパソコンで仕事をしていましたから、彼にとっては何ともないことでした。
なのに、夫が亡くなりしばらくしてから、彼のパソコンを開き原稿をみて愕然としました。
文章がめちゃめちゃになっていて、原稿用紙の使い方もおかしいのです。地元の夕刊に随筆を掲載した経験もある彼ですから、文の乱れなどこれまでにはありませんでした。
なぜ?私は気づきました。
前述したように彼はうつぶせの状態で生活して、その状態でパソコンも操作しました。
その体制でいるのが彼のベストだったはずでしたが、苦しくなっていたのです。
亡くなる一年ほど前からベッドに横になる時間が増えていたのも事実です。
だから、キーボードを打つのも辛かったのでしょう。


彼が生前私に「あなたが私の代わりに原稿を完成してくれない?」と言っていたことを思い出しました。日々の生活に追われていた私は、その言葉を聞き流していたのです。
夫の三回忌が済み少し時間にゆとりが持てるようになった私は、彼の原稿を読み返しました。自分の夫である以前に私も障がい者として生きてきた一人の人間として、彼を尊敬できました。彼は強い意志を持ち凄い人生を歩んできたのだと思いました。
以前作品を待ち望んでいた方々はもちろんのこと、彼の生き方を皆さんに知ってもらわなければならないとさえ思いました。
そこで、夫の原稿を元に、彼にこれまで聞いてきたことや
私達二人で築き上げてきたことも加えて、私の言葉で
彼の半生を綴ることにしたのです。






一方、「三人四脚」は出版社さんからの勧めもあり、NHK厚生事業団さんより許可を頂いての掲載となります。
私は、当時(昭和40年頃)としては珍しく養護学校(現特別支援学校)ではなく普通校に12年間通学出来ました。負けず嫌いの私は、母親の飴と鞭のような子育てや友人からの偉大な支援を受け、自分の望む生活を送ってきたのです。
手足が動かないから何もできないのではなく、誰かの手助けがあれば何とかなるし、障がいがある人自身も必要な支援は声に出していいのです。私が作品を通して皆さんにお伝えしたいと考えていたことです。


夫はかつて自分の本が店頭に並ぶことを夢見ていました。
夫亡き後はこれらを実現できるのは私しかいません。
私達の本のタイトル「甘い物とウーロン茶」が完成して皆さんのお手元に届くことを願っています。


これまでのこと
私達夫婦はよく「明るいですねぇ」と言われてきました。この言葉の裏には「障がいがあるのに・・・」という言葉が隠されているのです。障がいがある人は暗いというイメージがあるのかそれとも勝手にレッテルが貼られているのでしょうか。人には性格というものがありますから、私達もただそれだけのことなのです。
一人では何もできない私たちの周りには常に誰かがいますし、やってほしいことを伝えなければなりませんのでしょっちゅう誰かと話しています。幸い二人とも口だけは達者です。口だけで生きているといっても過言ではないかもしれないです。
夫は40年間自宅で両親と姉弟の介助を受けながら生活していましたが、自ら障がい者施設入所を決意し、家族の反対を押し切って未知の世界の扉を開けたのです。これが彼の第二の人生の始まりでした。
施設生活しか知らない入所者には彼は異端児にみえたことでしょう。一方彼は規則に縛られた日常に驚きを隠せなかったようです。順応性のある彼は、施設生活にも慣れこのまま時が流れていくはずでした。
が、彼は更に『自立生活をする』という新たな世界に挑むのです。何度も言いますが、彼は首から下が全く動きません。介助者にすべての介助を受けての生活です。ただ寝ている間は一人っきりになりますので、それは危険との隣り合わせになる時間でもあるのです。
彼の持論「障がい者だって危険を冒す権利があるのです」を胸に秘め彼は第三の人生に突き進みます。
その頃は今のような介助制度もなかったものですから、介助者を探すのが大変だった半面、介助者の資格に縛られることもなかったので、職種に関わらずお仕事の合間に男性介助者が彼の生活を支えてくれていました。
当時を振り返り、夫は「あの頃は楽しかったなぁ。まるで学生の一人暮らしのようだった。みんなには感謝しているよ」と話していました。
私と夫は11歳違います。私は自分が結婚するなんて考えていなかったし、まして同じ障がい者と結婚したいという気持ちになるとは、自分自身の驚きでもあります。お互いのヘルパーさんに支えてもらいながらの生活が彼にとって第四の人生になります。残念ながらこの生活は15年で幕を閉じてしまいました。


資金の使い道
出版費用        約700,000円
リターン製作費     約110,000円
リターン送料      約90,000円
Good Morning手数料  約100,000円


実施スケジュール
令和4年7月上旬          クラウドファンディング開始
令和4年8月下旬          クラウドファンディング終了
令和4年9月下旬    風詠社さんと契約
令和4年10月上旬   リターン作成
令和5年1月下旬    書籍完成
令和5年2月中旬     リターン発送
*書籍については完成しております。編集は出版社との契約後となっており、書籍は四六判で100ページ前後になる予定です。

<募集方式について>
本プロジェクトはAll-or-Nothing方式で実施します。目標金額に満たない場合、計画の実行及びリターンのお届けはございません。

リターン
プロジェクトが完了して本を出版後にお礼状や夫が生前カレンダーにして欲しいと書き記していた言葉を元に作成する
カレンダー
     手作り小物
完成本をお送り致します。
最後に
新型コロナウィルスが流行してからというもの『コロナ』の言葉を聞かない日はありません。気持ちも塞ぎがちになることも多いと思います。
亡き夫が現在いたら「どんなことを言うのだろう?」と考えることがあります。彼は何事も前向きに捉える人でしたから、与えられた環境に不満を言うわけでもなく
「待ちましょう。自分たちにできる最善な方法で対策を取りながら。」と
私達を諭し守ってくれたことでしょう。
一人の重度の障がい者が自分らしく、時には頑固に、それでいて周囲に決して感謝の気持ちを忘れず、楽しく生きてきた人生には彼の両親を含め多くの方々の愛が詰まっています。
私の人生にも彼に負けず劣らずの物語が繰り広げられてきました。今もなお進行中です。
障がいは不便ではありますが、不幸ではありません。二作品を通しいつの時代も心のバリアフリーが大事だということを感じ取って頂けると信じています。


この作品「甘い物とウーロン茶」は皆さんに生きる勇気をお伝えします。
そして、
『ヒルタワールド』へお連れします。
皆さん、是非「甘い物とウーロン茶」の
出版にご支援をください。
皆さんのご支援で作品の出版が実現し、一人でも多くの方の手元に
「甘い物とウーロン茶」が届くことを
願います。
皆さんのご支援を心よりお待ちしております。
ちなみに「甘い物」と「ウーロン茶」は夫の大好物で、常備食でした。

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