カーシェアともリースとも違う!?　いま流行のクルマ関連のサブスク利用で得する人・損する人

■最近、自動車関連のメーカーがサブスクに力を入れている
■クルマだけでなく、タイヤのサブスクも存在
■クルマ関連のサブスクで得をする人について解説する

　　最近よく聞く、クルマ関連のサブスク。正式にはサブスクリプションと言い、身近なところでは月々一定の料金で聴き放題の音楽ストリーミングや、漫画読み放題、映画やドラマ見放題などを利用している人も多いと思います。そこからイメージすると、毎月一定額を支払うならローンと同じでは？　カーシェアとはどう違うの？　といった疑問を持つかもしれないですね。
　　じつはクルマ関連のサブスクには、単に月々の費用が一定となるだけでなく、個人がクルマを所有するにあたって、これまでちょっと面倒だなと思っていたことや、負担となっていたものが、一気に解決するというメリットもあります。もちろん、サブスクには合わない使い方もあるのですが、もし条件が一致する人なら得をすることもたくさん。今回はそんな、クルマ関連のサブスクで得をする人とはどんな人なのか。逆に、サブスクにしない方がいい人とはどんな人なのか、ご紹介したいと思います。

　　まず、サブスクの大きなメリットは3つ。1つは、最初にまとまった大きな出費がなくなるため、大金を準備しなくてもよいということです。それなら、頭金を少額にしてローンを組んでも同じだと思うかもしれませんが、サブスクの場合は契約年数がだいたい3年〜7年程度となっており、その時点での車両価格を予想して、あらかじめ差し引いた金額を均等割していくイメージ。なので、たとえば300万円の車両で5年後に100万円の価値が残っていると予想されれば、支払いは200万円分のみとなります。
　　残価設定ローンも同じ仕組みですが、異なるのはサブスクの場合には、月々の支払額に税金や保険代、車検やメンテナンス費用がまるっと含まれているということ。なので、購入から1年後に任意保険の更新でまとまった金額の支払いが必要となったり、購入後にちょこちょこやってくる出費の波がフラットになるところがメリットです。ローンにしろ現金一括にしろ、購入した場合には、車検費用や税金、保険代などに備えて貯金しておかなければいけませんが、サブスクならずっと支払いが安定しているので、家計にも組み入れやすいというメリットがあります。なので、毎日クルマを使うから本当は購入したいけど、まとまった頭金が用意できない、月々の支払いをローンより抑えたい、という人はサブスクを利用することによって、すぐにマイカーを手に入れることができたり、自己資金のみで買うよりちょっといいクルマに手が届いたり、得をする人といえるでしょう。

　　続いてサブスクのメリット2つ目は、クルマを安全に乗るために欠かせないメンテナンスもお任せで大丈夫というところ。いつどんなメンテナンスをすればいいのかよくわからない、自分で整備工場などを探すのは面倒、費用が心配だという人も、車検や法定点検、オイル交換などの走行距離などに応じたメンテナンスがセットになっているので安心なのです。自分で整備工場に持ち込むと、必要のないところまで手を入れて高額な費用を請求されたりするかもしれない、といった不安もありますが、サブスクなら費用も含まれているし、点検などの時期になると案内が届くので安心です。

　　そしてメリットの3つ目が、購入時、乗り換えや売却時の面倒な手続きをほとんど自分でしなくていいというところ。あらかじめ契約した期間の満了時期になると、別のクルマに乗り換えるか、同じクルマに乗り続けるか、返却するかを選ぶことができるので、家族構成や生活スタイルが変わり、別のクルマが欲しくなったりしても大丈夫。もし自分で購入していたら、今乗っているクルマを下取りに出したり、買取店に買い取ってもらったり、新しいクルマを探したりと、いろんな情報を集めて自分で動かなければならないですが、サブスクならそうした面倒なことはなく、ずっと同じところでお世話になれるのも助かりますね。クルマが欲しいけど忙しくてなかなか動けない人や、何がいいのかよくわからない人は、サブスクを利用することでそうした煩わしい手間が省け、時間を損なうこともないので、得をするといえるでしょう。またサブスクの会社によっては、契約満了時にそのクルマを買い取ることができるところもあります。
　　そして現在、話題となっているのがタイヤのサブスク。これは、豊富な銘柄のなかから好きなタイヤを選び、交換費用やメンテナンス、パンク補償までセットになって、月々の支払いが1000円〜1500円程度に抑えられるというもの。タイヤも一気に新品を購入するにはまとまった金額が必要なので、躊躇してしまう人も多いはず。ネットで安いタイヤを購入する人も増えているけれど、自分でタイヤ交換をするのは重労働だし、取り外したタイヤを保管しておく場所に困ったり、処分するのもとても面倒。それなら、サブスクを利用した方が便利だと感じる人も多いのではないでしょうか。

　　さて、メリットが多いと感じるサブスクですが、当然ながら使い方によっては合わない人もいます。その1つ目が、走行距離が多い人。契約内容によっても多少変わりますが、一般的にサブスクの場合は、1カ月の走行距離を1000km程度以下と想定して、車両の残価を算出しています。そのため、年間で12000km以上走る人だと、プラスの超過料金を支払うか、契約満了時に評価額が下がってしまい、差額を支払うことになる場合があるのです。自分が1カ月にどのくらい乗るのか、想定して判断することが大切ですね。
　　そしてもう1つ、短いスパンで別のクルマに乗り換えたいと思っている人や、ライフスタイルが変わりやすい人は、サブスクには向いていないと考えます。というのも、サブスクはあらかじめ設定した契約期間の途中で解約することは、原則できません。もしどうしても解約する場合には、違約金が発生してしまいます。海外へ転勤するかもしれない、就職や結婚、出産などでライフスタイルが変わるかもしれない、という人は、そのタイミングと契約期間の満了を合わせることができればいいですが、実際にはなかなか難しいと思いますので、サブスクではないほうが良いのではと思います。

　　ということで、サブスクで得をする人と、サブスクに向いていない人をご紹介しました。実際には自分のマイカー（所有車）にはならないけれど、使い方としてはマイカーと同じというのが、サブスクがレンタカーやカーシェアとはちがうところです。ただ、愛車をカスタムして自分好みに仕上げたいと思う人も、サブスクではなく購入したほうがいいですね。自分はサブスクで得をする人かどうか、チェックしてみてくださいね。