北海道・帯広で、個性を楽しみオープンに支え合うシェルター運営を継続したい!

2022.07.16 18:00
北海道・帯広で運営している、行き場のない人を受け入れる「シェルター」を継続したいです。帯広は北海道の地方都市ですが、ここにも生活に行き詰まった人が頻繁に訪れます。いろんな人が集まり、巡り巡って支え合っている関係性を大事にしながら、困った時に頼ることのできる開かれた居場所であり続けたいです。
はじめまして。北海道の帯広市で、コミュニティサロンと就労継続支援B型事業所、地域食堂、そして、このクラウドファンディングの対象であるシェルターを運営しています、中村千代子と申します。
このクラウドファンディングの目標は、昨年から始めた行き場のない人を受け入れるシェルターの運営を継続することです。
私たちのシェルターは、地域の人たちが出入りするコミュニティサロンの隣にあります。15年前にサロンを建ててから、たくさんの個性豊かな人たちに出会い、支えられながら、地域食堂や自立援助ホームなどの活動を重ねてきました。
そのなかで感じたこと、考えたことが、このシェルターの活動へと繋がっています。なので、まず、いままでの活動から紹介させてください。
▲同じ敷地内にある、コミュニティサロンとシェルター。このサロンで地域食堂も開催している。
あがり・框は、2007年にオープンしたコミュニティサロンです。ここをつくったきっかけは、知的障がいを持つ娘が安心して過ごせる場所をつくりたいという思いでした。
障がいがある、ただその一点で、本当にいろんなことがありました。私も娘も、自分らしく過ごせる場所が見つからないなら、自分で作るしかないと思ったんです。
そして、5年後の2012年、就労継続支援B型事業所を立ち上げ、同時期に併設のお惣菜屋さんもオープンしました。現在は12人がこちらで働いています。 
▲帯広らしさも感じる、あがり・框の鉄鍋豚丼。タレは自家製で秘伝の味。
ここで働く利用スタッフたちは、手順よくポテトサラダをつくったり、発注から任されておからのケーキをつくったり、それぞれ得意なことを責任を持ってこなしています。
障がいのある人は社会の隅に追いやられてしまうことが多いですが、ここでは障がいのある人が社会の中で過ごすための環境を、事業所のスタッフみんなで力を合わせてつくっています。
▲2018年6月に行われた映画の上映会。ケニアの子どもたちの自立を支援するNGO、MOYOチルドレンセンターの故・松下照美さんは毎年帰国すると、あがり・框にて活動報告を行い、千代さんと交流していた。
また、この場所に関わるみんなにもっといろんな経験をしてほしいと思い、映画の上映会や写真展、勉強会、ワークショップや音楽ライブなど、いろんなイベントを興味を持ってくれた人たちと一緒に開催してきました。
▲あがり・框の座敷の奥にある部屋そのおかげで、楽しい場所としてここを知ってくれた人が増えた一方、問題を抱えている人の存在も、より見えてくるようになりました。
そういった人たちが過ごす場所としてあがり・框の座敷の奥をシェルター代わりに使っていた時期もあります。ここで寝泊まりしていたのは、虐待や一家離散などで、主に家庭の環境が整っていない若い人たちでした。
▲2017年10月、第5回あったらいいね食堂を音更神社にて開催。以前は、十勝管内の寺院や教会など、さまざまな場所で開催していた。
あがり・框という場所ができ、手を貸してくれる仲間が増えたことで「あったらいいねプロジェクト」というボランティア団体を立ち上げることができました。そのメンバーが中心となって、2017年から始めたのが十勝管内唯一の地域食堂である、あったらいいね食堂です。
この活動の原点にあるのは、あがり・框に来る人も来れない人も、もっと多くの人におなかいっぱい美味しいごはんを食べてもらいたいという気持ちです。
現在は、わたし以外のボランティアの方々が中心となって開催していて、今年の7月で27回目を迎えます。
▲2020年2月、第16回あったらいいね食堂をあがり・框にて開催。コロナ前最後のバイキング形式での開催となった。
子ども食堂とは異なり、家庭環境や障がい、コミュニケーションの壁など、さまざまな理由で孤食となっていたり、食事がとれなかったりする方々が主な対象です。しかし、そういった方達のみならず、あったらいいね食堂は、大人も子どもも、お金のある人もない人も、すべての人に開かれています。
なぜこのようなかたちで運営しているのかというと、まずは、大人でも子どもでも、お金があってもなくても、居場所が限られている人はいるからです。そして、年齢や収入で隔てず、ひとつの場にいろんな人が集まることに、環境や状況に変化が起こる糸口があると考えているからです。
すべての人に開かれているからこそ、わたしたちも来た人も普段会う機会の少ない人々と交流が生まれることもあれば、困っている人には個別に対応し適切な機関に繋ぐことができる場合もあります。
▲今年5月に開催した第26回あったらいいね食堂。カレー弁当を配布した。
 コロナ禍になってからは、年金の支給などがなく支援の谷間になりやすい奇数月に、約150食のお弁当をつくり、50食ほどを社会福祉協議会を通して、母子家庭や独居の方、ファミリーホームにお渡し、100食ほどを生活に困っている方々に配布しています。
社会福祉協議会の担当の方がわざわざご挨拶に来てくれて、「自分がここに繋いで本当によかったです。みんな嬉しいって言っています」と伝えてくださったときには、この活動をやっていてよかったと改めて感じました。
▲いただいた食材。切ったり、皮を剥いたり、使いやすい状態にしてから冷凍保存している。
始めたばかりの頃は食材を持ち寄っていましたが、次第に、農園の方々やフードドライブに力をいれているスーパー、パン屋さん、近所の方々をはじめ本当に多くの人が力を貸してくださるようになりました。現在、あったらいいね食堂で必要な資金や物資は、寄付金や無償提供の食材で賄うことができています。
企業さんにも協力していただいているフードドライブによって、食材がより集まるようになり、食堂に来た人に食材の提供もできるようになりました。
北海道や東北など、寒い地域にはホームレスの方がいないとよく言われてきましたが、こうした活動を通してわかったのは、まったくそんなことはなく、帯広にもそれぞれの事情を抱え、生活に困窮している方が想像以上にたくさんいるということでした。
あがり・框で、いろんな事情を抱えた若い人を受け入れているうちに、彼女彼らのために、そして、わたしたちにはまだ見えていないけど同じように困っている人たちのために、もっとしっかりした居場所をつくる必要性を感じるようになりました。
そこで、緊急宿泊施設であるシェルターをつくろうと思ったのですが、まずは公的な仕組みの中でやってみようと、さまざまな制限があるのを承知した上で「自立援助ホーム」の形を取ることにしました。自立援助ホームとは、居場所を失った15歳から20歳くらいの青少年が自立の準備をするための施設です。そうして6年前に、この建物ができました。
当初、こちらのキャパシティも考えて、まずは18〜22歳の女性に絞って受け入れを開始し、4年ほど、そのような公的な仕組みの中で活動してきました。しかし、やはり公的な仕組みでは制度上支援が受けられない人が見えてきて、コロナも含めた課題が発生したこともあり、運営の方法に悩むことになりました。
一方、先ほどお話ししたように、地域食堂の活動を通しても、コロナ禍で生活に困窮している方が急増していると目に見えてわかってきていました。
これらのことを踏まえて、若い人に限らず生活に困った人全てに開かれた、行き場のない人を受け入れるシェルターにすることを決め、2021年からいまの形態で運営しています。
▲複数の窓から日が差し込む、明るいリビング
シェルターの居住部分は2階で、6つの個室と、お風呂、共用のキッチンとリビングがあります。
▲個室のうちのひとつ
共同のお部屋が用意されているシェルターも多いですが、ここでは、利用する方全員に個室の生活スペースを用意しています。
自分自身のことや、この先のことについて安心して考えられるように、ごはんの心配をせず毎日3食お腹いっぱい食べられること、お風呂でゆっくりと温まれること、暖かい布団で眠れること、この3つを大事にしています。
シェルターの1階は精神科クリニックです。児童精神科の専門医で、日本では数少ないHSPの臨床医でもある長沼睦雄医師が診療を担当しています。
▲大きな窓のある待合室
病院が併設されていることは、このシェルターの重要なポイントです。夜間でも緊急で対応してくださるため、利用される方の安心に繋がっています。
▲千代さんがお料理をお休みしているときの食事。こうして支援する側もしっかり休みを取ることが、運営の継続には大事だと言う。
ここには、保護されて生活支援課からの連絡を通して来る方が7割程度、直接来られる方が3割程度です。お話を聞いて、ここの利用が決まった後は、まずはゆっくり過ごしてもらいます。
みなさん徐々に、「自分はここにいていいんだ」と気づいてくださるようです。
その間に必要な手続きをわたしたちが手伝って、生活保護の受給や仕事が決まってここを出られるようになるまで、2週間から2ヶ月くらいの期間で利用していただいています。
▲シェルターの2階にいるインコ
昨年は33名がこちらのシェルターを利用し、中でも多かったのは派遣切りにあった人でした。また、障がいを持っていたり、親子関係に問題がある人も多くいました。そうした人々に社会のしわ寄せがいってしまう状況が、このコロナ禍で顕在化したように思えます。
▲千代さんたちの活動年表
振り返ってみるとわたしたちの活動は、「居場所をつくる」ということに集約されるのかもしれません。
実は、あがり・框は、倉庫の中に建てられています。野菜の袋詰めの会社をつくり、わたしのように障がいのある子を持つお母さんたちがこの倉庫でその作業をしていました。
わたしが娘を生み育てていた1980年代から90年代は、障がいのある子を持つお母さんは自分の時間を取ることはもちろん、働くこともまだまだ難しい時代でした。その状況をどうにかして変えるために、そういうお母さんたちが働いたり話ができたりする居場所をどうにかしてつくりたかったんです。
▲あがり・框の外観
しばらくして卸先が倒産してしまい倉庫も閉鎖してしまうのですが、誰もいなくなった倉庫の中で、絶対にここに戻ってこようと決意しました。その約4年後、わざわざ倉庫の中につくったのが、いまのあがり・框です。
困ってこの場所を訪ねて来たひとの勇気を無下にしないためにも、わたしはできるだけ、あがり・框にいるようにしています。
それにもし、あがり・框が開いていない時間に誰かが来ても、そのことに気づけるように、わたしの家もここの目の前にあるんです。
そうやって来られた方がいたら、何に困っているのか、まずはお話を聞きます。困りごとは複雑に絡み合っている場合が多いのですが、簡単に言うと、安心して生活する場が必要であればシェルターを利用してもらうし、食事をとれていないのであれば食事を提供し、無料食堂とフードドライブの案内をします。
話す人が必要であれば、そこでたくさん話を聴きます。その方にとって適切な支援を受けることのできる制度があれば、国や市の機関に繋ぐこともあります。
なので、わたしたちの、倉庫も、あがり・框も、無料食堂も、シェルターも、娘を産んだ当時のわたしのように、どこにも居場所がない人たちに手を差し伸べるための場所なんだと思っています。
ただ、一度手を差し伸べただけで支援が終わるわけではありません。たとえばシェルターを利用される方の場合は、こちらに避難し生活保護を受給し、独立しても、それは支援のゴールではありません。
他に頼る場所が周りになくてここにやってきて、一時的な支援を受け、この場所から離れたとき、再度社会の中で孤立してしまう可能性があります。そうやって孤立してしまうことは「関係性の貧困」とも言えるでしょう。
経済的な貧困をサポートしたのちには、「関係性の貧困」に陥らないよう、ここで築いた関係性を継続させていくことが大事だと思っています。「あそこにいったら話す人がいる」「話をしたい人がいる」「なにかあったらまたここに遊びに来よう」、そう思ってもらうことができていたらうれしいですね。
最近もおみやげを持って遊びに来た子の話をすると、彼は高校生のとき、弟と二人暮らしをしていましたが、東北で仕事をしている父の仕送りから月1万程度しか使えず食事をまともにとれていませんでした。そのときに無料食堂に誘ったのがきっかけで、ここに遊びにくるようになったんです。
帯広にも実際にこういう状況にある人々がいますが、それを知らない方のほうが多いでしょう。なぜなら、普段の生活で誰とも接点がなく、どこにも頼るところがない状態こそが「関係性の貧困」だからです。こういった状況にある人に、自分にも居場所があるんだとわかってもらいたいから、わたしはあがり・框にいるんだと思います。
▲撮影をしていたときにも、おみやげを持った方が訪れていた。
 ほかにも、わたしたちの活動に関わってくれた人々が、おみやげを持って遊びにきたり、おしゃべりをしにきたりします。
社会への疑問やもどかしさはもちろんありますが、みんながこの場所に集ってくれること、いろいろな人と出会ってお話できること、それ自体はとてもうれしく、楽しいことだと感じています。
また、わたしの活動自体もたくさんの人に支えられています。
▲左から、衣原さん、千代さん、西部さん
 このシェルターの運営を担う「一般社団法人あったらいいね」の理事という形でサポートしてくれている衣原さんと西部さんとは、2011年に開催した「大地の祭」というイベントの後片付けをきっかけに出会いました。
衣原さん
いろんな人たちが集まるので、ここにいることを僕自身も楽しんでいます。千代さんは、利用されている方や遊びに来た人たちと、たまに言い合いをしたりもしているんですけど(笑)、お互い信頼して、対等な立場で心を開いていないとできないことだなと思い、見守っています。
西部さん
ここのシェルターには制度の網からすり抜けてしまう人がやってきます。千代さんは、やさしいけど甘くないんです。いい人ぶってないから信頼されるんだろうなと思っています。千代さんが倒れたら困っちゃうので、千代さんがひとりでやっていることを、みんなで少しずつ分け合いながら活動を続けていきたいと思っています。


ほかにも、あったらいいねプロジェクトを引っ張っていくボランティアには、福祉関連の仕事をされている人、養護学校の先生などもいます。この地域に住む人々が、わたしが始めた活動を手伝ったり、引き継いだりしてくれているから、活動が続いていますし、活動の幅も手が届く範囲も広がってきているんです。
シェルターもほかの活動と同様、いろんな方々に物資の寄付していただいたり、あがり・框の売上を回したりして、どうにか運営を続けてくることができました。
しかしコロナ禍で、あがり・框の売上が減少し、一方で、支援を必要とする人々は増え、運営が立ち行かなくなってきています。
1泊1500円の利用料を設けていますが、みなさんお金がなく困ってここに来ます。半分くらいの方は生活保護を受けられず、利用料を支払うことができません。また生活保護を受けられる方も、保護費が確定するまでの2、3週間は全くお金がありません。
公的な支援を受けるにも、こういった経験がいままでになかったために来年まで時間がかかってしまう状況にあり、運営の継続が難しくなってしまいました。
私たちとしても今年の目標は、経済的な体制の見直しです。
具体的には、まず現状のシェルター運営に必要な維持費を集めること。そして、それが達成できた場合には次の目標として、現在のボランティアではないかたちで、常勤の方を1人雇用するために必要な人件費を集めることを考えています。そのためにも、まずは維持費を集めて安定的に運営できるようになることがいちばんの目標です。
また、安全な居場所を提供すること、そこで回復してもらうことに加えて、今後、生活を続ける上で必要な就業などのチャレンジができるシステムを作りたいと考えています。
このクラウドファンディングで集まった資金の用途は1円単位で公開をしていく予定です。現在は以下のように利用を計画中です。


500万円で1年間のシェルター維持費がまかなえます
▼シェルター家賃 120,000×12ヶ月 1,440,000
▼シェルター水道光熱費 26,000×12ヶ月 312,000
▼利用者食費 55,000×12ヶ月 660,000
▼リターン原価・企画費用・手数料など|約50%
リターンは、あがり・框で利用できるかまち券(おすそわけも可能です)、あがり・框に関わりのあるアーティストの作品などを用意しました。通常より高い価格設定のものもありますが、シェルター運営のサポートとして考えていただけたらうれしいです。
特に「おすそわけできるかまち券プラン」は、みなさんに見ていただきたいです。「あったらいいね食堂」と同じく、あがり・框にも「ごはんを食べたいけどお金がない」という方がときどき訪れます。そういうときに、この「かまち券」を使ってごはんを食べてもらいたい。リターンとしては2枚から100枚までを準備しました。
かまち券は1枚で、700円〜1,000円程度のあがり・框のごはんをどれか1つ食べられます。もしよければ、かまち券の一部をお店で預かって「おすそわけ」してもらうことで、みなさんが支援してくださったかまち券で、ごはんを食べたい方におすそわけしてあげられたらと思っています。リターンの備考に「◯枚中◯枚おすそわけ希望」とご記載いただくと、その枚数をお店で預かって、希望する方におすそわけする形にしていきます。
できるだけおすそわけできるようにしたいので、備考欄にご記載がない場合は、枚数の半分をお店で預かるかたちにさせていただきます。もちろんすべてお送りする形でもまったくかまいませんので、その場合は「すべて送付希望」とご記載いただければと思います。
シェルターを利用された方々は、「なぜ?」「こんなはずじゃなかったのに」とここに来るまでの話をしてくれます。わたしたちは社会の様々な出来事に翻弄されながら日々を過ごしていますが、その中で、どんな人にもうまくいかないことや、できないことがあります。誰も完璧ではないのでわたしもそうです。
しかし、状況によっては、そのうまくいかないことが生活に大きく影響を及ぼすことがあります。仕事がうまくいかないことで家賃が払えなくなってしまったり、家庭での関係がうまくいかないことで帰る場所がなくなってしまったり。そういうときに、立ち行かなくなるのを食い止める、もしも立ち行かなくなってもやり直す、そのための開かれた居場所でありたいです。
社会には、生活が立ち行かなくなった人を自己責任だと突き放す人々がたくさんいます。人によって様々な考え方があると思いますが、もし自己責任であったとしても、困っている人を助けない理由になるでしょうか。「今助けてほしい」と声を上げた人を助ける。これがわたしたちがやらなくてはと思っていることです。
ここに来るきっかけは皆それぞれ違いますが、過去や家庭環境をジャッジするのではなく、今、目の前にいるこの人がどんなひとなのか、それを見ようとすることが、「ここはあなたの居場所だよ」と伝えることだったと、今までを振り返ってみると思います。
どういうふうに困っていて、何を抱えているのか。シェルターを出たときにどうしたいのか、どういうふうになりたいのか。これまでよりも、今、そして、これからのほうがずっと重要です。
それに、「障がい者」や「少年院にいた」などの偏見なしに、個性が当たり前にみんなにあります。そういう意味でのいろんな人が集まってくるので、ここにいることがわたしは楽しいんです。
あったらいいね食堂を始めた当初、ここにごはんを食べに来ていた少年たちが、いまでは社会人になっています。ここで寝泊まりしていた子が、いまでもボランティアとして手伝いにくることもあれば、通りかかった時に来てくれてお皿洗いを手伝ってくれることもあります。わたしも、ここに来るみんなも、支えている部分と支えられている部分があって、それらが巡り巡って、支え合っているんだと思います。
困ってわたしの前にやってきたひとは、誰であれ分け隔てなく助けたいと思い活動を続けてきました。そうしているうちに、助けてくれる人も、助けてほしいという人も次々と現れて、いろんな人がこの場所に集まるようになりました。だから、ここで起きる出来事がどれも本当に楽しいんです。
もちろん本来であれば、特にシェルターは公的な機関が用意するべきものですが、そう言っている間にも今困っている人がいます。そして、その人たちが何に困っているかは、ひとりひとり、ひとつひとつ違います。公的な取り決めではフォローできない範囲で居場所を失っている人も本当に多くいます。
家庭環境に問題があったり、障がいがあったり、安定した収入が得られない背景があったり、社会的に認められていても居場所はどこにもなかったり、私自身がかつて悩み苦しんだように、生きていると自分ではどうにもならないことがたくさんあります。ですが、それを話して、聞いて、いっしょに考えて、お互いに支え合うことは、お互いの居場所をつくることであり、様々な生き方を受け入れられる社会をつくることに繋がっていると思います。こういう社会のほうがきっと楽しいし、より多くの人にとって生きていきやすいはずです。
様々な生き方が受け入れられ、みんなの居場所がある社会になったらいいなと常々思っています。そういう社会をつくるためのわたしなりの方法として、いろんな人が集まり、巡り巡ってみんなで支え合っているこの居場所を守りたいです。
もうわたしも70歳。周りの人はそんなことないよ!と言っているのですが、どれくらいこの活動を続けられるかわからないですし、この取り組みに賛同してくれる方との関わりが、この場所や活動をいいかたちで続けていくことにつながったら、とてもうれしいなと思っています。
みなさまのご支援、よろしくお願いいたします!

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