[奈良・春日山原始林]貴重な森を守り伝えるアートプロジェクトを開催したい!

2022.09.05 22:36
【目標達成&ネクストゴールへチャレンジ中】春日大社の神域として、千年以上もの間守られてきた春日山原始林。しかし今、様々な理由で存続の危機を迎えています。「春日山原始林アートプロジェクト」では、アートと協働して保全活動を行ってきました。さらにプログラムを広げていくためにチャレンジ中です!★50万円達成!!残り1週間でネクストゴール70万円を目指します!★
のべ72名の皆さんにご参加で、本日、目標金額の50万円を達成することができました!ありがとうございます!
募集期間はあとちょうど1週間残っていますので、ネクストゴールとしてあと20万円、70万円を目標に引き続きこのプロジェクトへの参加を呼びかけさせていただきます。

あと、20万円でどんなことができるの?ということについては以下の通りです。
作家制作費(補填):5万円
記録撮影費(ワークショップ撮影):3万円
郵送費(作品発送など):2万円
展覧会告知・記録誌など印刷物制作:10万円

いずれもより良い展覧会に向けての費用となりますので、ぜひご参加いただければと思います。「支援してください」→「いっしょにやりませんか?」へ
ネクストゴールを目指すにあたって、これまでのクラファンの発信を通じて思ったことをFACEBOOKで書きました。
一旦目標達成したからそれ以上先は欲張りなんじゃないの?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。なぜ、ネクストゴールを目指すのか、という点をご理解いただくためにも以下をお読みいただければと思います。
クラウドファウンディングでは「支援してください」と書いてますが、クラファンは春日山原始林アートプロジェクトに色々な形で関わる「関わり方」の一つです。だから、“一緒に春日山原始林アートプロジェクトをやりませんか?”が自分にとって一番しっくり来る誘い文句だと気付きました。
クラファンでの関わり、投稿をシェアすること、実際に展覧会に訪れること、ワークショップに参加すること、そのほかにも。アートプロジェクトを一緒に作っているという意識を、自分自身がしっかりと持つことが大事だなと思いました。
手前味噌ですが、このプロジェクトは、すごくすごく面白いんです。だから、色々な人に知ってもらいたいし、関わってもらいたい。春日山原始林も大杉も、作家さんもこのプロジェクトに関わっているひとみんなが「おもろ」くて、このプロジェクトがどんなふうに実現するか「ワクワク」しているのが僕の状態です。
ぜひ一緒にこのアートプロジェクトやりませんか?(実行委員 杉山の
より抜粋)
8/20に開催したスプーン造りのワークショップ。作家と参加者が一緒に作品をつくり、プロジェクトへの関わりが広がると考えています。

●はじめに「春日山原始林をご存じですか」
 皆さんはじめまして、春日山原始林アートプロジェクト実行委員会の杉山・高橋・飯村です。
[ 緑の服が杉山、ピンクの服が高橋、黄色の服が飯村 | 春日山原始林にて撮影 ]


 みなさんは、「春日山原始林(かすがやまげんしりん)」をご存知でしょうか。
 春日山原始林は、平安時代に勅命により狩猟伐採が禁じられて以来、
の神域として、1000年以上もの間守られてきた森です。ひらけた都市の近くに今も原生のすがたを残す森は極めて珍しいことから、国の特別天然記念物に指定され、また、日本の伝統的な自然観と結びついて残された森として春日大社とともにユネスコの世界文化遺産「古都奈良の文化財」の一つとして登録されています。
冬の間も青々とした葉をつける常緑広葉樹の森は「照葉樹林」と呼ばれ、大きなシイやカシ、ヤマザクラなどの広葉樹のほか、スギ、モミ、ツガといった針葉樹の巨木も多く残り、他の森とは異なる雰囲気を残した森です。
●私たちの課題「1000年続く、巨木の森が崩壊の危機に!?」
街から眺める姿は、1000年前とあまり変わらず、室町時代に描かれた「
」をみても現在と同じような山容が見て取れます。
しかし、今、この森は崩壊の危機が迫っていると言われています。この危機は、パッとみてわかる変化ではありません。森をよーく見てみると、こんなことに気が付きます。
・低木やササなどの地面に生えている植物が少ない
・次世代を担う稚樹(木の赤ちゃん)が少ない
・突然、大きな木が倒れていて明るい場所がある。
・明るい場所では、シダの他同じ種類の木が多く生えている
昭和46(1971)年 滝坂の道
写真撮影:厚見昌彦氏 奈良県立図書情報館今昔写真WEB蔵
令和4(2022)年 同じ場所で撮影
石柱の後ろにあった薮がなくなっているのがわかる。
これらの現象の背景には、実は奈良のシンボルでもある「天然記念物奈良のシカ」が関わっています。
奈良公園に1100頭ほど生息すると言われるシカは、春日山原始林内にも100頭前後生息すると言われていて、シカが森の地面に生えてくる植物や、森を構成しているシイやカシと言った種類の木々の種(どんぐり)や新芽を食べてしまうため、森の次世代を担う木々が育っていないのです。
さらにそこへ追い打ちをかけるようにさまざまな現象が起こっています。
・街路樹として奈良公園に植えられたナンキンハゼや春日大社境内に献木されたナギなど、春日山の森林生態系にはなかった種(いわゆる外来種)など、シカが食べない植物が生息範囲を広げている。
・どんぐりのなる木に「カシノナガキクイムシ」が入り枯れるナラ枯れが発生し、大木が枯れてしまう。
・台風等の被害により、多くの倒木や土砂崩れが発生している。
台風の影響で倒木したコジイ大きな木々が倒れると、本来は森の循環が始まります。次の世代がぽっかり空いた空間を我先にと埋めることで、また森は元の姿に戻るのです。
しかし、次世代がいないこの森では、強い雨がふると、雨は地下に染み込まず表層を削り土砂を運びます。それにより土砂崩れが発生するなど、すこしずつ森が崩れてしまうのです。
私たち人間の生活や思考が自然に及ぼす影響は計り知れません。
森の豊かな緑が失われることは、結果として、そこに住むシカだけでなく、ムササビや昆虫、原始林に残されている希少な植物など様々な生き物の命が失われることにも繋がります。

こうした状況の中、奈良県では、「春日山原始林保全計画」を策定し保全活動を進め、一部メディアでも取り上げられますが、なかなか認知が進まないのが現状です。
参考記事:

(2020年1月5日 日本経済新聞)
「春日山原始林アートプロジェクト」は、春日山原始林の抱える緊急の課題や魅力・価値をアートの力を通して広く伝え、素晴らしい自然を次の世代へ残すために立ち上がりました。

●プロジェクトを立ち上げたきっかけ
2017年、春日山原始林指定区域の南の境界線を走る「滝坂の道(旧柳生街道)」の「首切り地蔵」の側にあった樹齢およそ600年の大杉が自然倒木しました。近くにある休憩所の屋根に倒れ込み、建物は崩壊。(現在は再建)倒れた瞬間は、雷のような轟音が響きました。
地蔵とともに道標となっていたこの杉は、江戸時代から現代に至るまで、
奈良から柳生の里へと行き来する人々の憩いのシンボルとも言える木でした。
ぺしゃんこにつぶれた休憩舎
奈良公園内の貯木場に運び込まれた春日杉の端材

春日山原始林の保全・啓発活動を進めている
」は、この首切り地蔵の大杉の倒木を生かして、この杉が見てきたであろう景色や記憶を伝えていきたい!と考えていたところ、運良く倒木の端材を公園管理者である奈良県より譲り受けることができました。その後、奈良県内で芸術普及活動を行う「
」と出会い、「アートの力で環境保全を伝えていく」という構想のもと、プロジェクトが始まりました。
[ 春日山原始林アートプロジェクトメインビジュアル | DESIGN:

 2020年-2021年、花王みんなの森づくり活動助成を活用し、展覧会・ワークショップを開催。
 春日山原始林の価値や魅力に共鳴する様々なジャンルのアーティスト12名と実行委員会が協働し、春日山を未来へつなぐの保全活動への理解を深める橋渡しとなるべく活動となりました。展覧会等を通じて1000人以上の方々にに原始林のことを知っていただき、作品は寄付の返礼品として位置付け、2年間で50万円近い寄付を集めることができました。
 これまでご支援くださった皆さまに深く御礼申し上げます。
★これまでの活動はこちらをご覧ください。
●支援金で実現したいこと
 過去2年間の活動経験から、今年は、より深く春日山原始林のことを知っていただけるような展示空間や、子どもたちがアートを通じて春日山原始林や地球のことを深く学べる企画を構想しました。
-------[企画概要]--------
①子ども向けアートワークショップ
 2022年8月から11月にかけて、子ども向けのワークショップを全5回開催。講師は現役で活躍するアーティストたちです。春日山原始林の倒木を削いだり磨いたりして、自分だけのスプーンやモビールなどの小物や本棚を作ります。完成した作品たちは、奈良公園バスターミナルで展示をし、多くの方に見ていただく機会を創出します。
 実際に春日杉に触れながら、森の息遣いを感じてほしい。そして、アーティストたちから自分らしい表現や生き方についても学んでもらえたらと企画しました。
②春日杉を素材とした作品展覧会
 これまで3度開催してきた展覧会も引き続き開催。木工・現代美術・絵画・仏像修復など、様々な分野のアーティストが、春日杉を素材に作品を制作・展示します。会場は、奈良で12年の歴史がある芸術祭「
」の空き町家を予定しています。
2021年12月奈良公園バスターミナルでの展示
----------------------------
 上記企画を元に、各助成金を申請。ワークショップについては子どもゆめ夢基金事業として採択されましたが、一部予算を削減され、展覧会については想定していた助成金の申請が不採択となり、全体を通じて材料費や運営費が不足している状況です。
 私たちは、皆様の支援を活用し、今年度の企画を絶対に実現したいです。


●プロジェクトの展望・ビジョン
1000年以上に渡りこの場所に存在し、豊かな生態系を支えてきた原始林。
 そんな母なる木々たちの営みを、私たちの世代で簡単に無くしてしまって良いのでしょうか。
 危機的状況でバトンを渡された私たちが、森のために、森に暮らす様々な生き物のために、そして次の世代のために。できることが、きっとあります。
春日山原始林を守り、次世代へ伝えたい。
それが私達の一番の願いです。しかし、そのために限られた一部の人間だけで保全活動だけをしているだけでは守りきれません。また、春日山原始林のマイナスな面だけを訴えるのではなく、素晴らしさ・美しさ・身近さを伝えていくことで、皆が楽しく森を知り、愛する、その心が末永く森を育む原動力になると考えます。
そのために、様々な人や分野を柔軟に繋げ、時に未来への指針を示す「アート」との協働は非常に有効な選択肢だと考えています。
奈良市の創業支援施設BONCHIでの展覧会(2021.2)
また、1000年もの間、神域として奈良の景観をかたちづくり、さまざまな命の源となった春日山原始林とともに作品を生み出す経験は、アーティストにとっても、子どもたちにとっても、学びの多い、他では代えられない財産となっています。
春日山原始林を守りながら、かつ、森に関心を寄せてくださる全ての人々の創造性を高めていく。それが私達の目指すビジョンです。

●支援金の使い道
作家制作費:20万円
人件費:10万円
記録撮影費(展覧会):3万円
交通費:3万円
材料費・木材加工費:3万円
イベント保険料:1万円(ワークショップ参加者対象)
書籍代:1万円(ワークショップで参加者が本棚に展示し読書をして森林保全を学ぶための書籍)
郵送料:3万円
手数料:6.5万円(9%+税)
他諸経費:1万円
第一目標の50万円を達成した折には、ネクストゴールとして70万円を設定し、以下の費用に充てたいと考えています。
作家制作費(補填):5万円
記録撮影費(ワークショップ撮影):3万円
郵送費(作品発送など):2万円
展覧会告知・記録誌など印刷物制作:10万円●実施スケジュール
5月末〜6月上旬 春日山原始林を歩く会
8月中  子どもワークショップ「春日杉で小物を作ろう」「春日杉でオリジナルスプーンを作ろう」 開催
10月21日から11月7日 展覧会開催(会場:奈良・町家の芸術祭 はならぁと 2022 天理会場内)
11月中 子どもワークショップ「スクエア型の本棚を作ろう」 
<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

●リターン
・お礼のメール 3,000円
・春日山原始林ポストカード 3種類セット 3,000円
・春日杉の材(小) 3,000円
・春日杉の材(中) 5,000円
・春日杉の材(大) 10,000円
・春日杉の木札(A・B・C) 3,500円
・春日山原始林ガイド付きプライベートツアー(バスターミナル展示期間中) 30,000~50,000円
・アーティストによる春日杉を素材とした作品

●最後に
私たちにとって、初めてのクラウドファウンディング挑戦となりました。
ただ寄付を集める目的ではなく、春日山原始林のことをより多くの方に知っていただくきっかけになれば嬉しく思います。また、私たちのプロジェクトに関わるアーティストは、皆さん、森にあふれるたくさんの生命、人の時間軸を超越した木々たちの長い長い歴史を大切に、作品を制作してくださっています。
そんな、技術・想いあふれるアーティストの皆さんの作品についても、より多くの方に知っていただき、お手元に迎えていただくきっかけになりましたらこれほど嬉しいことはありません。ご支援のご検討、何卒よろしくお願いいたします。

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