ポルシェ911カブリオレってどんなクルマ? その魅力を解説!

2022.07.12 13:00
この記事をまとめると
■ポルシェの911に設定されているカブリオレについて紹介
■日本ではあまり馴染みがないが、欧州や北米では売れ筋モデルとなっている
■中古車相場も高値を維持している
911カレラのカブリオレってどんなクルマ?
・欧米で大人気のカブリオレ
  国内で目にするポルシェ911といえばクーペが圧倒的ですが、北米や欧州市場ではオープンモデルのカブリオレの人気が高く、販売比率は約50%を占めるそうです。
  クーペに比べ開放感が魅力のカブリオレですが、そのラインナップやクーペとの違いを見ていきましょう。
・ポルシェ911カブリオレとは?
 ポルシェ911とは?
  ポルシェ911といえば、自動車好きはもちろん、クルマに興味がない人でもその名が知れ渡っているほど有名なスポーツカーです。
  1963年に開催されたフランクフルト・モーターショーでポルシェ901として発表された初代は1965年からポルシェ911と車名を変更し生産・販売が開始されました。
  901から911へと変更された理由は、プジョーが2行目に「0」を用いた車名を商標登録していたことがその理由です。ただ、プジョーが異議申し立てを行い、ポルシェが車名を911と変更するまで約80台が901として生産されました。
「901型」と呼ばれる初代911のボディサイズは全長4135mm×全幅1600mm×全高1273mm。現行992型の全長4519mm×全幅1852mm×全高1300mmと比べると、とくに全幅のサイズに違いを感じます。
  初代が搭載したパワートレインはデビュー時が2リッター水平対向6気筒エンジン。その後、2.2リッター、2.3リッターと排気量の拡大が続きました。
  1974年にはターボエンジンを搭載した930型がデビュー。930型はポルシェ911の2代目となります。
  その後、964型、993型とモデルチェンジを経た911は、1997年に911シリーズとしては初となる水冷エンジンを搭載した996型がデビューしています。「空冷エンジン搭載モデル以外は911とは認めない…」と発言するファンも少なくありませんが、クルマ自体の完成度は996以降のモデルのほうがパワーユニットを含め、より大きな進化を遂げています。
  空冷化された911は2011年に991型へと進化。さらに2019年にフルモデルチェンジで現行モデルとなる992型が登場しました。
 カブリオレとは?
  ポルシェ911にカブリオレが初めて設定されたのは1983年。930型と呼ばれる2代目からとなります。
  しかし、初代にも1966年から取り外しルーフを備えたタルガトップは用意されていました。
  1960年代は主要マーケットとなるアメリカでオープンカーの安全性が懸念されていたことが、フルオープンではなくタルガトップを用意した理由です。
  ただ、カブリオレが用意される現行モデルにもタルガは用意されています。現行カブリオレはオープンカーの肝といえるソフトトップの改良に力が入れられました。
  開閉時間は歴代モデルとしては最速の12秒を実現。新たに作動から2秒以内に展開・格納が行われる電動ウインドディフレクターも新たに設定されています。
・カブリオレとクーペの性能には違いがある?
  一般的にルーフの開閉を可能としたオープンカーは、ベースとなった標準モデルより走行性能が劣るケースが多いです。ボディを補強するための重量増がネックとなるからです。
  992型となったカブリオレもクーペとパワートレインは共通ではあるものの、カレラS同士で比較した場合は最高時速がマイナス2km/hの306km/hとなりました。この数値の差を誤差と見るか大きいと見るかは人により違ってくると思いますが、ボディのねじり剛性が大きく高まったことでクーペとの差はかなり少なくなったことは事実です。
  現行モデルからクーペ同様に標準モデルより車高が10mm低くなるスポーツシャシーを選択できるようになるなど、いまやカブリオレとクーペとの差はほぼないと考えて間違いありません。
オープン+ハイパワースポーツの世界は魅力だらけ
・新型ポルシェ911カブリオレの人気な車種の特徴とは?
  911カブリオレはクーペ同様、多彩なモデルが用意されています。それぞれの特徴を見ていきましょう。
 911カレラ・カブリオレ
パワーユニット:3リッター水平対向6気筒ツインターボ(最高出力:385馬力) パフォーマンス:最高速度:291km、0-100km/h加速:4.4秒
  スペイン語で「レース」を意味する“カレラ”。その名がつくモデルは元々、名称通りハイパフォーマンスモデルにつけられていましたが、現在では911シリーズのベースグレードとなっています。
 911カレラ4・カブリオレ
パワーユニット:3リッター水平対向6気筒ツインターボ(最高出力:385馬力) パフォーマンス:最高速度:291km、0-100km/h加速:4.4秒
  911カレラ4・カブリオレは、車名に「4」がつくことからわかるようにカレラをベースに4WDシステムを搭載したモデル。濡れた路面で走行を支援する「ウェットモード」を備えるなど、あらゆる路面状況化でパフォーマンスを引き出します。
 911カレラS・カブリオレ
  パワーユニット:3リッター水平対向6気筒ツインターボ(最高出力:450馬力) パフォーマンス:最高速度:304km、0-100km/h加速:3.8秒
  911カレラの上位グレードとなる911カレラS・カブリオレ。エンジン出力が向上しているだけでなく、ブレーキシステムの強化、大径ホイールなどを備えています。
 911カレラ4S・カブリオレ
パワーユニット:3リッター水平対向6気筒ツインターボ(最高出力:450馬力) パフォーマンス:最高速度:304km、0-100km/h加速:3.8秒
  911カレラS・カブリオレの4WD仕様。リヤだけでなくフロントアクスルを駆動することで、より高いパフォーマンスを実現したモデルです。
 911カレラGTSカブリオレ
パワーユニット:3リッター水平対向6気筒ツインターボ(最高出力:480馬力) パフォーマンス:最高速度:309km、0-100km/h加速:3.6秒
  シリーズ内でとくにハイパフォーマンスな仕様となる911カレラGTS。大型エアサイドインテークやスポイラーリップなど専用装備を備えた見た目が、他のモデルと異なり特別感を演出しています。
 911カレラ4 GTSカブリオレ
パワーユニット:3リッター水平対向6気筒ツインターボ(最高出力:480馬力) パフォーマンス:最高速度:307km、0-100km/h加速:3.5秒
  911カレラ GTSの4WD仕様。480馬力の圧倒的なパワーを4WDシステムで路面に伝えることで0-100km/h加速は911カレラ GTSより速くなっています。
 911ターボ・カブリオレ
パワーユニット:3.7リッター水平対向6気筒ツインターボ(最高出力:580馬力) パフォーマンス:最高速度:320km、0-100km/h加速:2.9秒
  エンジンの排気量を拡大し他のモデルよりハイスペックな仕様と位置づけられる911ターボ。カブリオレも用意され最高時速は320km/hを誇ります。
 911ターボS・カブリオレ
パワーユニット:3.7リッター水平対向6気筒ツインターボ(最高出力:650馬力) パフォーマンス:最高速度:330km、0-100km/h加速:2.8秒
  911ターボより、さらにエンジン性能を向上させた911ターボS。ありあまるパワーを吸収するため911ターボ、911ターボSともに駆動方式は4WDを採用しています。
・ポルシェ911カブリオレの価格相場
「新車価格」
  現行型カブリオレの新車価格は下記の通りです。エントリーモデルとなる911カレラ・カブリオレの1728万円から、ハイエンドモデル911ターボS・カブリオレの3362万円まで、当然ですが価格は高価。ただ、価格に見合う性能や価値を有しているのは間違いありません。
・911カレラ・カブリオレ 価格:1728万円
・911カレラ4・カブリオレ 価格:1834万円
・911カレラS・カブリオレ 価格:2059万円
・911カレラ4S・カブリオレ 価格:2165万円
・911カレラGTSカブリオレ 価格2167万円
・911カレラ4 GTSカブリオレ 価格:2273万円
・911ターボ・カブリオレ 価格:2915万円
・911ターボS・カブリオレ 価格:3362万円
・「中古車価格相場」
  先程お伝えしたように、新車を購入するためには諸経費などを含めると2000万円ほど用意する必要がある911カブリオレ。そこで、新車よりは購入しやすいと思われる中古車価格を調べてみました。
  現行モデルとなる992型で調べてみると1960万円(911カレラS・カブリオレ)から2950万円(911ターボ・カブリオレ)と、新車と比べそこまで差がありません。新型となってからの年数がまだ経っていないことや新車の納車状況が良くないことがその理由なのでしょう。
  そこで、先代モデルを検索すると780万円(カレラS)から2150万円(911ターボ・カブリオレ)と、こちらもそこまで値落ちしていません。
  また、現行型、先代とも販売されている中古車自体も少なくそれぞれ20数台です。
  新車がすぐに手に入らない状況のなか、高値が続く911カブリオレの中古車を買うことは時期的にあまりおすすめできません。
・クーペにない魅力や価値を備えたカブリオレ
  911のなかでも特別感を備えたカブリオレ。日本ではクーペほどの人気を得てはいませんが、ハイパフォーマンスオープンカーとして大きな魅力を感じる方も多いかと思います。
  ただ、実用面や走行性能がクーペと比べ劣ることを懸念するかもしれませんが、現行モデルでいうとその心配は皆無。逆にクーペでは味わえない開放感を楽しむことができます。
  そう考えるとパワートレインもグレードもクーペと同じ911カブリオレは、ラーメンではないですが “全部のせ”ともいえるモデル。カブリオレはクーペより高価となりますが911シリーズの大本命モデルなのかもしれません。

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