我慢すらも快感になる! 乗ったが最後抜け出せない「沼感」全開の個性派クルマ5選

2022.06.28 11:40
この記事をまとめると
■個性的すぎるが故に不便な一面を持っているクルマを紹介
■走ることに特化しすぎているが故に普段使いが難しいモデルも多い
■不便な面も愛せればカーライフのいい相棒になってくれるはずだ
楽しいクルマは不自由さもセットでついてくる
  どうせ買うなら、本当に気に入ったクルマを買いたい。
  そう考える人が近年、じわじわと増えているようです。移動のための道具として割り切るならば、わざわざ高い税金や保険代、駐車場代を支払って所有しなくても、カーシェアやレンタカーで十分。だけど、人生を豊かにしてくれるような、心から「欲しい」「楽しい」と思えるクルマになら、お金を払う価値がある。という考えなのだそうです。
  それならばいっそのこと、周囲の人が驚くくらいの、超個性的なクルマに乗ってみるのはいかがでしょうか? 気を遣うことや面倒なこともたくさんありそうだけど、根強いファンがいるからには、とてつもない魅力があるはずのクルマたち。その真実をご紹介したいと思います。
  まず1台目は、すでに本国では次期モデルが発売されていて、日本にももうすぐやってくると言われている、ルノー・カングー。
  現行モデルの新車はすでに販売終了しているため、がぜん活気付いているのが中古車市場。状態のいい個体は高値がついているほど、人気は依然として根強いのだそう。そんなカングーは、もともと日本ではかなり希少な両側スライドドアを持つ5人乗りの輸入ミニバンとして、そのフランスらしいエスプリ香るオシャレさが、高い審美眼を持つ人たちに支持されて広がっていったモデルです。
  本国では郵便配達車をはじめとする「働くクルマ」としても活躍しているだけあって、華美な装備はついていないけれど、だからこそ乗る人のセンスやアイディア次第で、どんなニーズにも合うという懐の深さがあることも、人気の秘密でしょう。
  たとえば、エンジンはいまだにキーをさしてまわして始動させるタイプ。スライドドアには、電動開閉機能はついていません。しかも、開ける時も閉める時もちょっと重めで、「エイヤッ」と引っ張ってバンと閉まる感じです。今時は軽自動車にも、キーをポケットに入れて近づくだけで自動でスライドドアが開く機能なんてのも登場しているというのに、このギャップにはビックリする人も多いかも。
  ドリンクホルダーには600ミリリットルのペットボトルなんて入らないし、気の利いたスーパーUVカットガラスやナノイーが出るエアコンなんてのもナシ。だけど、広くて気持ちのいい空間や、天井にたっぷりの収納スペース、スクエアでフラットな荷室があります。
  バックドアは真ん中から左右に開く観音開きタイプで、180度開いて固定することもできるので、一時期流行したフリーマーケットなどのお店を出すのにもぴったりでした。手作りのトリコロールのクッションや、シートカバーなんかでリビングみたいにくつろげる空間にしているユーザーもいて、思い思いにカングーを自分色に染めていくのがとても楽しそうな印象です。
  2台目は、軽自動車だけど本格2シーターオープンスポーツカーである、ダイハツ・コペン。今年で誕生から20周年を迎えたとのことで設定された、1000台限定のスペシャルモデルが早速完売したニュースも記憶に新しい1台ですね。
  初代は丸目のヘッドライトが特徴的なデザインのみでしたが、現行モデルは外板パネルが付け替えできるようになっており、セロ、エクスプレイ、ローブという3つの異なるキャラクターのデザインに「着せ替え」できるようになっているのが大きな特徴。
  そのほか、トヨタが徹底的に走りにこだわったGRコペンもラインアップしています。男女ともに惹きつけられる理由はその小ささ。男性からすると、小さいのに各部が本格的な作りにこだわっていることから、「まるで1分の1のプラモデルみたいだ」と瞳を輝かせ、女性からすると、大きなスポーツカーは自分には持て余しそうだけど、「コペンなら自分でも乗れるかも」と親近感がわくというのです。
  お天気のいい日に、屋根を開けてドライブするだけで、日頃のストレスも吹き飛ぶ! という豊かな時間をくれるコペン。ただ、小ささゆえに困ること、気になることもあるのは事実です。たとえばふたりでドライブしようとすると、室内にはバッグを置くスペースがまったくないので、助手席の人がふたり分のバッグを膝の上に抱えるか、トランクに収納することになります。
  でも、屋根を閉めている時にはスーツケースくらいは入りますが、屋根を開けるとトランクが塞がり、バックパックくらいしか入らなくなるので、ここが歯がゆいところ。ゴルフバッグもちょっと積むのは難しいので、遠出をしたいけど荷物が……となるのです。
  また、音や剛性感など走行感覚はとてもよく、スポーティな走りを楽しめるコペンですが、パワーやトルク、速度は軽自動車の規制内で設定されていますので、やはりスーパーカーのような怒涛の加速、突き抜けるような吹き上がりなどを期待するのは無理があるというもの。リミッターも140km/hとなっています。
楽しさと引き換えに我慢を強いられる可愛いクルマたち
  3台目は、イタリア生まれの世界的な人気モデルで、ルパン三世の愛車としても親しまれているフィアット500がついに、電気自動車になったと話題のフィアット500e/500eカブリオレ。
  とくに、500eカブリオレは電気自動車で唯一のオープンモデルとして、見た目でキュンと心を掴まれちゃう人も多発中なんです。
  ボディサイズは少しずつ大きくなっているものの、全体的なプロポーションはガソリンモデルと変わらず、イメージを統一したデザインはさすが。インテリアもスッキリと未来的になりつつも、いろんなところにイタリアらしいこだわりが感じられて、センスの良さにうっとり。
  そして、乗ってみると、ガソリンモデルではデュアロジックというミッションが、うまく操作できるようになるには慣れが必要だったのですが、モーター走行になったおかげで誰でも最初から、なめらかにパワフルに走れるようになったのもポイントです。
  でも、走行モードで「シェルパ」を選択すれば、アクセルペダルだけで減速できるようになり、あのガソリンモデルのような走行感覚も健在。なめらかにも、スポーティにも、1台でどっちも楽しめるようになったのも500eならではです。
  500eは一充電あたりの最大航続距離が335km(WLTCモード)で、200Vの普通充電のほかに急速充電器にも対応しているので、街中メインの使い方はもちろん、これならロングドライブにも行けそう。
  と、思う人が多いと思うのですが……。じつは、ボディサイズやデザインの関係で、500eには充電口が1つしかありません。
  これは通常、普通充電に使うところです。じゃ、急速充電を使う時にはどうするのかというと、専用のアダプターが必要。これは自分で用意して持ち運ばなければならず、まだプロトタイプの状態だというそのアダプターを見せてもらったところ、予想よりちょっと大きめでビックリ。
  イメージとしては、楽器のトランペットくらいというサイズでしょうか……。これを常にトランクや後席に置いておくのはちょっと邪魔かなぁという印象。なので、頻繁に長距離を走る人よりは、普段は街中をチョイ乗りするのがメインで、たまにロングドライブに出かけたいな、くらいの人におすすめかなと思います。
  4台目は、公道を走る乗用車のなかで、もっともフォーミュラカーに近いと言われている、英国の古典的なライトウエイトスポーツを守り続けているケーターハム。
  もともとは、オーナーが自分で組み立ててレースに参戦するためのキットカーだったのですが、日本でもワンメイクレースが始まったり、エンスー雑誌で取り上げられたりして人気沸騰。
  現在もスズキ製のエンジンを搭載した「セブン170S」などが販売されています。ほぼ骨格とタイヤのみに近いデザインを見ても予想がつくと思いますが、車両重量はなんとたったの440kg。軽自動車のアルトスポーツよりさらに軽いので、そのドライビングは誰もが笑顔になる楽しさ。
  それにどハマりして、手放せなくなってしまったファンも多いのです。が、楽しさと引き換えにガマンしなければならないモノも多く、公道を走っていると大多数のクルマからは見下ろされるほどの低さで、見ての通りフロントスクリーンもほぼないので、飛石はバンバン顔や身体に当たるし、トラックやバスの後ろについた日には、排ガスをモロに受けてゴホゴホ。
  雨が降ってきたら、一応、幌はあるのですが、取り付けは面倒で、幌をつけると今度は乗り降りするのも至難の業。なんたって、ドアもないんですから。オーナーさん曰く、頭からではなくお尻から先に入れるのがコツだそうなんですが、見ている人はみんな怪訝な顔をするそうです。
  でも、そういう不便なところ、手がかかるところもひっくるめて、ほかでは味わえない魅力なんでしょうね。
  5台目は、2022年6月1日に世界初公開されると同時に話題をさらった、GRカローラ モリゾウエディション。
  同時に発表されたGRカローラ RZも、カローラとして単独でのスポーツカー登場が22年ぶりとなることから、かなり注目度が高いのですが、モリゾウエディションはそれにプラスして、台数限定モデルということもあって、誰もがあっと驚く内容となっていました。
  それが、5ドアモデルなのにリヤシートがない! なんと、軽量化を追求するあまり、ふたり乗り仕様になっているのです。
  まだ価格など詳細は明らかになっていないものの、これまでは5ドアのスポーツカーならば、家族を説得して購入しやすいという考えを持つのが一般的でした。304馬力/400Nmを発揮する1.6リッターターボに、剛性を強化したボディやハイグリップタイヤを採用したモリゾウエディションは、そのスペックから想像するだけでも、骨太な走りを披露してくれそう。
  それだけに、「よし、5ドアなら奥さんに相談できるぞ」と心動いたと思ったら、「2シーターか〜い」とガックリきた人も多いかもしれませんね。
  でも、そこまで徹底した軽量化と走りへのこだわりが詰まったGRカローラ モリゾウエディションは、手に入れることができればきっと大満足の楽しさが待っていることでしょう。
  ということで、いろんな個性を持ち、不便さや困ることなどもある反面、振り切った楽しさが確約されているクルマたちをご紹介しました。「これならお金を出す価値がある」と思うクルマと出会えることは、とても幸せなことですね。

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