オリジナルの軽自動車をヤメても手は引けない! バカ売れジャンルなのにOEMだらけの理由

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2022.06.18 07:00
この記事をまとめると
■現在、軽自動車は売れ筋のカテゴリー
■しかし軽自動車を生産しているのは4メーカーのみ
■好調な軽自動車がOEM車ばかりな理由について解説する
いま軽を生産するメーカーはダイハツ・スズキ・ホンダ・三菱のみ
  今は軽自動車が売れ筋のカテゴリーで、販売ランキングの上位にも、N-BOX、スペーシア、タントなどが食い込む。そして今は、乗用車メーカー8社のすべてが、軽自動車を扱う。
  ただし8社が軽自動車の企画・開発・生産まで行うわけではない。軽自動車を生産するメーカーは、ダイハツ、スズキ、ホンダ、三菱のみだ。三菱については、日産と合弁会社のNMKVを設立して、軽自動車を共同で開発/生産している。実務上は、日産が主に企画と開発を担当して、三菱の工場が生産する。
  そしてトヨタとスバルは、軽自動車の生産は行わず、ダイハツ製のOEM車を導入している。マツダも同様で、スズキ製のOEM車を扱う。
  また日産と三菱の場合、軽乗用車は前述のとおり共同で開発/生産しているが、軽商用車(バンとトラック)は、日産、三菱ともにスズキ製のOEM車を販売する。
  そうなるとスズキの軽商用車は、生産メーカーのスズキに加えて、マツダ、日産、三菱の合計4社が販売する。バンであれば、スズキ・エブリイは、マツダ・スクラムバン、日産NV100クリッパー、三菱ミニキャブバンとして供給される。乗用車メーカー8社の内、半数が同じスズキ製の軽商用車を扱うわけだ。
  ダイハツ製は、トヨタとスバルを含めて合計3社が売る。残りの1社は、軽自動車ではOEM関係を持たないホンダになる。
  軽自動車でOEMが発達した理由は、薄利多売の商品で、なおかつ海外では販売できないことだ。2022年1〜5月に日本国内で販売された新車の内、38%を軽自動車が占めたが、そこまで多く売らないと採算が取れない。
OEMが多いのには切実な事情がある
  とくに今の軽自動車は、昔に比べると安全面を含めて各種の装備が充実しているが、価格の上乗せは小さい。たとえば初代アルトは、1979年に47万円で発売された。当時の47万円を大卒初任給を基準に2022年の価値に換算すると、約90万円になる。現行アルトでもっとも安いAが94万3800円だから、アルトを買う時の経済的な負担は、昔も今もほぼ同じだ。
  ところが装備は大幅に異なる。初代アルトには、4輪ABS、横滑り防止装置、エアバッグ、パワーステアリング、エアコン、アイドリングストップなどは一切装着されず、左側のドアの鍵穴まで省いていた。
  それが現行アルトAでは、前述の装備に加えて、衝突被害軽減ブレーキやサイド&カーテンエアバッグまで標準装着される。このような超絶的な買い得車は、エンジンやプラットフォームを共通化した類似車種を含めて、大量に生産しないと成り立たない。
  軽トラックも価格が安く、衝突被害軽減ブレーキなどを省いたキャリイKCは、5速MT仕様が75万2400円だ。ここまで価格が下がると、OEM車として流通させ、売れ行きを伸ばすことが不可欠になる。そこで日産と三菱は、軽乗用車を共同開発しながら、軽商用車はOEMを導入しているわけだ。
  それならなぜ、OEMを導入しても軽自動車を扱うのか。自社で企画・開発・生産をしないなら、OEM車を販売しなくても良いではないか。
  そこには販売面の事情がある。かつてのマツダやスバルは、軽自動車を自社で生産しており、ユーザーとの付き合いもある。販売まで含めて軽自動車から撤退すると、点検、車検、保険、修理といったアフターサービスの仕事まで失う。
  またマツダが軽自動車から撤退して、その顧客がスズキから購入すると、同じ世帯や法人が併用する小型車まで、マツダ2からスイフトに切り替わる心配が生じる。販売会社は、自社の顧客を失ったり、他社の社員と接触することは避けたい。そこで、いわゆる囲い込みの手段として、OEM車を使う。軽自動車にOEMが多い背景には、切実な事情があるわけだ。

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