この記事をまとめると
■現行車で全幅の広いモデル上位4台をリストアップ
■意外なことにスポーツカーはほとんど入らない結果となっている
■今も昔もトヨタが幅広いモデルを多く手掛けている
今買えるクルマで車幅が極端に広いモデルとは
以前から、道は広くなっていないのに、クルマの全幅は広がり続けていると指摘されている。日本車ではコンパクトカーなどで5ナンバー(小型車)枠を死守しているモデルもあるが、それでも規格いっぱいの1695mmまで全幅が広がっていることが多い。
たとえば日本の国民車といえるトヨタ・カローラの全幅は、初代では1485mmだったが、3代目では1570mmとなり、6代目で1655mm、9代目で枠いっぱいの1695mm、そして現行型ではついに3ナンバーサイズの1745mmまで拡幅してきている。
さらにいえば、カローラのスポーツバージョンである「GRカローラ」の全幅は1850mm。もはや1800mmオーバーでも驚いてはいけない時代だ。
というわけで、今回は「全日本全幅広い選手権」を勝手に開催。現行モデルの国産車で全幅が広いモデル、トップ4をカウントダウン的に紹介しよう。
4位:ホンダ NSX 1940mm
ホンダの現行ラインアップでもっとも幅広いのがNSXだ。全幅1940mm・全高1215mmというボディサイズは、まさにワイド&ローといったスーパーカーの文法に則ったシルエットを生み出している。
すでにファイナルバージョンの「タイプS」は完売しているため現行モデルというのは微妙であるし、国産車とはいってもアメリカで生産されているモデルではあるが、国産4WDスーパースポーツとしてライバル視されることも多い日産GT-Rが1895mmにとどまっているのに対して、1900mmのハードルを軽々と超えてきているのはさすがといえる。
3位:トヨタ・グランエース 1970mm
海外向けハイエースをゴージャスなワゴン仕立てとしたのがグランエース。ボディサイズは全長5300mm・全高1990mm・全幅1970mm。まさに規格外のサイズとなっている。
実際、上級グレードでは3列目スペースに、アルファードの2列目と同等といえるキャプテンシートが配されている。幅広いボディが余裕のキャビンを実現するという物理法則を実感させるモデルだ。
2位:トヨタ・ランドクルーザー 1980mm
新車をオーダーしてからの納期が4年ということが話題になるほど圧倒的な支持を集めているキング・オブ・オフローダーがトヨタ・ランドクルーザー(300系)だ。
世界中の悪路を走破できるよう開発されたボディの全幅は1980mm。まさに威風堂々といった表現がピッタリのスタイルを完成させている。
1位:レクサス LX 1990mm
ご存じ、ランドクルーザーと基本設計を同じくするレクサスの本格オフローダーLX。こちらの全幅は1990mmとなり、現行の国産車では最幅広な1台となった。
ちなみにランドクルーザーでもスポーツコンバージョン仕様のGRスポーツについては全幅1990mmとなっている。いずれにしても、トヨタが全日本全幅広い選手権を制することになった。
さて、現行ラインアップで見ても全幅ランキングのトップ3を占めるなどトヨタは圧勝しているが、過去にさかのぼっても、国産車でもっとも幅広いボディを持っていたのはトヨタ車だった。
それが1996年に誕生した「メガクルーザー」だ。自衛隊向けに開発された車両を民間用にアレンジした本格的過ぎるオフローダーで、ボディサイズは全長5090mm・全高2075mm・全幅2170mmという規格外なものだった。ホイールベースも3395mmと超ロングだが、後輪が操舵する4WS機構を備えたことで最小回転半径は5.6mと常識的なスペックに収まっていた。ちなみにエンジンが4.1リッターの4気筒ディーゼル、乗車定員は6名だった。
対照的に、過去の国産車でもっとも幅が狭いクルマというと、規格によって1295mmとなっていた360cc時代の軽自動車だが、登録車の中で調べてみると、全幅1415mmのスバル・ドミンゴとなる。1994年に誕生した2代目ドミンゴは、当時の軽1BOXサンバーディアスをベースにした登録車で、エンジンを1.2リッター4気筒へ載せ替え、キャビンは最大7人乗りに仕立てられていた。ボディの基本は軽自動車のままで、前後バンパーの大型化により安全性を高めたモデルだった。