商用車で広まればEVアレルギーは減るハズ! それでもビジネスユースで普及しない理由とは

2022.05.29 10:00
この記事をまとめると
■EVが普及してきてはいるが、商用利用目的だとまだまだシェアが小さい
■充電問題や車両価格がまだま高額なことが普及しない要因のひとつ
■商用EV向けの補助金をもっと多く出すことも必要だろう
車両価格の高さが一番のネック
  先日、いよいよ発表された日産と三菱の新型軽EV。低価格かつ小型の電気自動車ということで、電気自動車が持つ強みを生かして人気を集めることになりそうな気配となっている。
  しかし、電気自動車をもっと普及させようと思ったとき、避けてとおれないのが商用利用だ。もともと日本でもクルマはまず働くクルマが先に普及し、遅れて乗用車が普及したという背景もあり、当時は商用車でありながら日常レジャーにも使えるようにと、ステーションワゴン風のバンであったり、後部座席を備えたトラックであるダブルピックアップであったりという車種がリリースされていたのである。
  現在は自家用車が多く普及しているため、乗用車的な商用車は必要ないが、働くクルマとしてガンガン使ってもらうことでより多くの実証データを手に入れることもできるし、日常的に電気自動車を見かけることで電気自動車に対するアレルギーも減少させることができるだろう。
  ただ現実は電気自動車を商用利用しているケースはそこまで多くなく、なかなか電気自動車の普及へのハードルは依然として高いと言える。では、そんなハードルを下げるにはどうしたらいいのだろうか。
  まず、もっとも高いハードルのひとつと言えるのがその価格だろう。国産商用電気自動車である三菱 ミニキャブMiEV(執筆時点では販売を一時中止中だが)の車両価格は243万1000円~となっており、国からの補助金の交付を受けたとしても200万円をわずかに上まわる価格となっている。一方のガソリン車のミニキャブバンであれば103万5100円~とおおよそ半額で購入することができるのだ。
  もちろん大手で何十台、何百台と社用車を持つ企業であれば、燃料代やランニングコストでこの車両価格の差を埋めることもできるかもしれないが、少量の社用車でやりくりしている中小企業ではなかなかそれは難しい。
走行距離も短ければ充電設備を整えるのも一苦労
  そこで、高額な高級EV車に大きな補助金を出すのではなく、軽自動車や商用車などにより多くの補助金を交付してより裾野を広げる努力をして頂きたいところ。
  また、電気自動車は当然ながら充電が必要となるが、業務中にディーラーなどにある急速充電器で充電するというのは現実的ではないし、そもそも容量の少ないバッテリーを搭載した軽商用EVなどは30分充電したところで走行できる距離はたかが知れている。
  そのため、営業所で充電できなければ業務に使うことは難しいということになるのだが、ここで必要となる充電設備の設置にも費用が発生するし、充電設備も電気自動車の台数分用意しなければ、営業終了時に充電をスタートさせ、翌朝には満充電になっているという状態にすることはほぼ不可能だろう。そう考えると車両本体だけでなく、充電設備についてもより多くの補助やサポートが必要になるだろう。
  つまり電気自動車を商用車として導入するための高いハードルとなっているのは、多額となる初期投資の費用であり、そこをなんとかカバーすることが電気自動車普及の第一歩と言えるのではないだろうか。
  一度導入してしまえば、1km辺りの走行コストはもちろんのこと、エンジンオイル交換が不要である点や、軽自動車税もグッと抑えられており、神奈川県の場合は営業用貨物車ではわずか1000円(自家用乗用車でも2700円)であるため、走れば走るほどガソリン車とのコスト差が広がっていくので、いかに導入のハードルを下げるかが急務となると言えるのだ。

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