マウンテンハードウェアアスリート4人の北アルプス山行から学ぶ、夏山登山のウェアリングと装備のTIPS

2022.05.12 09:00
マウンテンハードウェアアスリート4人が歩いた1泊2日の北穂高岳登山。そこには、ウェアリングの基本やテント泊登山のTIPSがたっぷりと詰め込まれていた。
※4人の山旅の様子を追った記事はこちらの記事から
ウェアリングの基本と必須アイテム
登山の際のウェアリングは、よく言われるようにベースレイヤー、ミッドレイヤー、アウターレイヤーの3層構造が基本。クライマーである長門敬明はこう言う。
「特にクライミングではギアが多くなりがちだから、ウェアやそれ以外の装備は少ない量をいかに使いまわすか考えます」
これは、テント泊登山にも通ずることだろう。今回、4人はベースレイヤーのほか、中間着としてフリース、アウターとしてレインジャケット、朝夕の防寒用にダウンジャケットを用意した程度。これを着まわすことで全シーンに対応した。
▲ベースレイヤ―の上にフリースを着用した4人。暑いときはベースレイヤ―1枚で、風が冷たいときはこれにレインジャケットを重ねて対応する。

<フリース>
アプローチの樹林帯の登りなどはベースレイヤー1枚で歩くシーンもあったが、森林限界を超えると4人は主にフリースを着用して行動した。
着用アイテム
『ポーラテックパワーグリッド FZ フーディ』
▲『ポーラテックパワーグリッド FZ フーディ』¥16,500(税込)

保温性と適度な通気のバランスがいいフリースジャケット。素材にはPOLARTEC Power Gridを採用。裏面がグリッド構造になっているため汗をかいても肌離れがよく、行動中も快適に着続けられる。ロフトがあり高い保温性をもちながら、コンパクトに収納可能。暖かい時期の稜線での羽織物としても、寒冷期のミッドレイヤーとしても通年で活躍する。
『ポーラテックパワーグリッドフーディ』は、今回4人全員が着用した。4人がまず着目したのが保温性だ。スノーボーダーで、登山ガイドでもある水間大輔は言う。
「はじめ、ベースレイヤーだけで歩いていたけれど、風が吹いてきて寒いなと思ってこれを羽織った。その瞬間にパッと暖かくなって、まず保温力の高さを感じましたね」
ウェア全体の保温力だけではない。国際山岳ガイド・杉坂勉が挙げたのは細部の暖かさだった。
「いいなと思ったのはフード。首元から頭にかけてがすごく温かくなる。フードを取ったときの寒さがリアルに感じられました」
▲顔にしっかりとフィットし、風が入りにくい構造も保温のポイントだ。

そして、最大の特徴が保温性と並び立つ通気の良さ。裏地のグリッド構造で汗抜けがよく、登りの際も着続けられる。登山ガイドの伊藤伴が言う。
「素材そのものの汗抜け、肌離れの良さが高いうえに、ポケットがメッシュになっているのでベンチレーション替わりにもなります。少し暑いなと思っても簡単に調整できる。森林限界より上では、1日ずっと着続けられました」
<レインウェア>
夏とはいえ、北アルプス、3,000mの稜線では冷たい風が吹きつける。肌寒くなってくれば、レインウェアを着用。薄手でしなやかなレインウェアならば、雨のときだけでなくウィンドシェルとしても活用できて使い勝手がいい。
▲夏の登山では薄手のレインウェアがウィンドシェルとしても活躍する。
着用アイテム
『T3 ジャケット』
▲『T3 ジャケット』¥27,500(税込)
夏の北アルプス登山を想定してつくられたレインウェア。軽いながらも肌面のべたつきが弱点だった2.5層素材にドットの立体加工を施した「2.75層」素材を使用。軽く、コンパクトで肌離れもいい柔らかな着用感に仕上がった。通気性にも優れ、雨の日以外にもウィンドシェルとして活用できる。
今回の山行中、雨は全く降らなかった。だが、休憩時の羽織りものとして、あるいは稜線でのウィンドシェルとして『T3ジャケット』の活用シーンは多い。そして、Mサイズで270グラムという軽さもうれしい。杉坂はこう話す。
「例えば、期間中ずっと晴れ予報で雨の心配はあまりない。とはいえ、レインウェアは一応持っておきたい。そんなときに、この軽さとコンパクトさはちょうどいい。お守り替わりに気軽に持っていけるから、使い勝手がよさそうですね」
<パンツ>
パンツは山行を通してロングパンツが活躍する。岩場では足を大きく動かすシーンも多いため、裁断やストレッチ性にこだわったものがいい。切り離せるコンバーチブルタイプなら、樹林帯のアプローチなどではショーツとして着用することもできる。
▲足さばきのよさは登山の快適さに直結する。立体裁断を施し、ストレッチ素材を使用したものがおすすめ。
着用アイテム
『ベイシントレックコンバーチブルパンツ』
▲『ベイシントレックコンバーチブルパンツ』¥13,200(税込)
ももから下をジッパーで取り外し、ショートパンツとしても使えるコンバーチブルのトレッキングパンツ。シルエットはややゆとりあるベーシックなトレッキングパンツスタイルで、ストレッチ性が高いため足を大きく動かしても引っ掛かりを感じない。登山でも使いやすい中厚手で耐久性のある生地を使用した。
水間ははいた瞬間に『ベイシントレックコンバーチブルパンツ』のよさを感じたという。
「最近は薄手のパンツがはやりですが、これは普通のチノパンのような生地で肌ざわりがよく、はき心地がすばらしい。それでいて、足回り、ヒザ、股の曲げ伸ばしも問題なくストレッチしてくれました。はいた瞬間、『これ、いいぞ』と感じましたね」
テント泊登山の装備選び
同じ1泊2日のテント泊登山だが、それぞれの装備選びからは山のスタイルが見えてくる。今回、バックパックは全員が35~38ℓサイズ。テント泊登山としてはやや小さいが、テントなどのベース装備にコンパクトなものをチョイスすることでそれが可能になった。
<バックパック>
テント泊登山は、コンパクト化された装備を選ぶとはいえ、ある程度の重量を背負うことになる。背負いやすさと軽さの両立が必要だ。また、岩場も含む登山ではある程度の剛性もほしい。4人はそんな視点からバックパックをチョイスした。
▲山小屋泊登山のようなパックサイズだが、テント泊登山に必要な装備がすべて入っている。
着用アイテム
『マウンテンライト38』
▲『マウンテンライト38』¥25,300(税込) ※5月中旬より発売開始
3シーズンのテント泊登山に必要な機能を網羅した中型バックパック。取り外し可能なアルミフレームのフォームフレームシートが過重を支え、バランスよく分散することで長時間の移動をサポートする。背面は中央のチムニー構造で通気を促し、パッド部分にも吸湿メッシュを採用した快適な背負い心地。
今回、水間、伊藤の2人が新作の『マウンテンライト38』をチョイスしている。マウンテンライトは軽さと背負いやすさの両方を追い求めたバックパックだ。軽量商品のなかにはフレームを省略したものも少なくないが、フレーム入りの構造でしっかりと荷重を分散する。伊藤はこう説明する。
「軽さと使いやすさのバランスがちょうどいいバックパックです。1気室のシンプルな構造で癖がない。サイドアクセスなど細かいところも作りこまれています。プライベートでも、ガイド山行でも使いたいです」
<テント>
どんなテントを選ぶかは、テント泊山行全体の成否に関わってくる。軽く、コンパクトな方がアプローチが楽なのは当然。一方で、立てやすさや居住性のよさは快適なテント泊に欠かせない要素だ。
▲軽く、コンパクトなテントが全体の荷物を圧縮する。『ニンバス UL1 テント』は軽さと居住性の高さが魅力。
着用アイテム
『ニンバス UL1 テント/ニンバス UL2 テント』
▲『ニンバス UL1 テント』¥46,200(税込)、『ニンバス UL2 テント』¥52,800(税込) ※7月中旬以降発売予定(オンラインストアでの発売はございません)

1人用(『ニンバス UL1 テント』)は本体・フライ・ポールの合計でわずか788グラム、2人用(『ニンバス UL2 テント』)でも920グラムと1キロを切る超軽量テント。本体をメッシュ地にすることで大幅に軽量化したほか、結露も防ぐ。上部に湾曲するポールデザインを採用し、十分な高さと居住性も確保した。防水シルナイロン製のフライは非染色・難燃剤不使用で環境負荷を大きく軽減した仕様。
テントは今回、杉坂と水間がマウンテンハードウェアの新作『ニンバス UL1 テント』を、長門はその2人用モデルである『ニンバス UL2 テント』をチョイスした。また、伊藤は今回の山行では別のテントを使ったが、ニンバスも愛用している。
長門の言葉が、このテントの軽さをよく表している。
「実は、張るまで2人用だと気づいてなかったんです。めちゃくちゃ軽くてコンパクトだから1人用だと思っていたし、1人用だとしてもずいぶん軽い。長期山行やギアの量が多いクライミング時も重宝しそうです」
伊藤も続ける。
「プライベート山行で、ツエルトを使うかニンバスを使うか迷うことはあるかもしれない。でも、テント選びではもう迷わないですね」
そして、テント以外の装備は各人各様だ。ここでは、それぞれの全装備とTIPSを紹介する。

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