ウクライナ避難民への支援に関する国内・山梨県内の動きを解説

2022.04.26 07:00
2022.04.26 up提供:FM FUJI
FM FUJI『Bumpy』のコーナー「CLOSE UP TODAY」(木曜17:35~)の4月21日のオンエアにフリージャーナリストの松田宗弘さんが出演。ウクライナからの避難民の日本や山梨県の受け入れについて紹介しました。

渡辺)さて今日はどんなお話を伺うことができるんでしょうか。 

松田)はい、本日もウクライナ侵攻に関するテーマで。通算三回目なんですけれども、今日はウクライナからの避難民の日本や山梨県の受け入れについてちょっとお話をしたいと思います。 

渡辺)国連によるとウクライナ国外への避難民の数は19日現在で500万人を超えているそうなんですが、現在日本国内へはどのくらいの方がいらっしゃるんでしょうか。 

松田)法務省出入国在留管理庁っていうところが数字を出しているんですけれども4月17日現在で661人なんですね。で、その内訳をちょっと見ますと、日本に住んでいる在日のウクライナ人の方っていうのが全国でだいたい1900人いらっしゃるんですけれども、その親族とか知人である、まあいえば身元保証が出来る方がこの661人のほとんどを占めていて、で、身寄りのない方がわずか数パーセントという風に見られているんですね。これちょっとまず頭に入れといていただいて、一方で政府は避難民の在留期間というのを、先月、従来までは90日だったんですけども、申請すると一年に延長できるようにしまして、今後なんですけれども戦争が長引いた時、長引いたと国が判断した場合っていうのは、2年・3年・4年とずっと1年ごとに更新ができるようになる仕組みになっているんですね。希望すれば就労もできるし医療保険も使えるということになっているんですけれども、この身元保証があるかないかでその受け入れ方が変わってくるんですよ。まず身元保証の無い方についてなんですけれども、現在ホテルなんかに一時滞在されている方多いと思うんですけれども、今後ですね、自治体とか企業などが提供する住居に移った後、そうすると例えば入居時の家財道具そろえるのに一時金がいるので、政府が16万円支給したりとか、あと生活費は一日最大で一人当たり2400円を支給とか、その他には医療費とか日本語の学習職業訓練等でも国の方が実費負担をするという仕組みが最近できたところなんですね。ただこれだけじゃ足りなくて、実際に一年以上になってくると当然就労っていうことになるので在留管理庁が全国の自治体・企業・団体から具体的な支援の申し出というのを今 集約してまして、それが1200件ぐらい寄せられているんですね。ただその避難民の方っていうのはまだ一時滞在中だし、その人数がとても少ないので、その避難民の方のニーズとその支援策のマッチングっていうのはまさにこれから始まると言うところなんです。 

渡辺)具体的に何を今一番必要とされているのかっていうところは今すり合わせている状況ということですよね。 

松田)はい、そうですね。はい。 

渡辺)身元保証のある方の場合はどのような支援が受けられますか? 

松田)はい、これ在留管理庁の関係者にちょっと取材したところですね、公式見解では無いんですけれども、まず今申し上げたように在留期限期間は申請すると医療保険っていうのは受けられるわけなんですよね。ところがそれ以外の部分っていうのは国の支援っていうのはあまりなくて、基本的には親族がケアすることになるんですけれども、ただそうは言ってもその限界がありますから、そこのところをさっき言ったような、日本語の学習とか就労とか教育とか、その居住先のところの自治体・企業とか団体とか学校などが支援していく必要があるんですね。もう一点注目されることがあるんですけれども、ボートレースの収益金を財源にして公益事業をやっている日本財団が実はかなり経済的な支援を打ち出していて、昨日(20日)から日本財団の支援が欲しいっていうことを要望するかたの受付を始めたんですけれども、この2日間で53件78人のかたが支援要望の申請をしているということなんです。支援対象っていうのは報道発表した当初っていうのは在日ウクライナ人の親族や知人限定だったんですが、これじゃちょっと門戸が狭いだろうということで、対象を広げようと言うことで、例えば日本人の婚約者の方がいてウクライナからやってくる方だとか、あるいは大学ほかの教育機関が身元保証しますよっていうことでウクライナからやってくる方なんかも対象を広げようということになりまして。支援対象っていうのは今1000人を想定しているんですね。3年間で50億円の予算を組んでいて、これは1人あたりで言うと例えば渡航費を30万円補助するとか、あるいは生活費は一世帯まあ3年間計算で300万円を上限に支援をするとか、非常にこう経済的な基盤を支えてくれる非常に大きな力になると言うことなんです。 

渡辺)これは大きいですよね。 

松田)そうなんですよ。 
山梨県内の動きは
渡辺)県内の避難民支援の動きっていうのはどうなんですか。 

松田)はい、山梨県では、まず県庁に聞いたところ県内に住んでいる在日のウクライナ人の方っていうのは4人なんですよ。さっき全国で1900人と言ったと思うんですけど、山梨県1900分の4だから非常にまあ少ないんですけれども。それで一方で、県内の市町村でうちは受け入れますよっていうことを支援表明したところっていうのは4市ありまして、山梨市・韮崎市・富士吉田市・都留市の4市なんですけれども、どの市も例えば市営住宅とか市営団地とか持ってるからそこの住居の提供だとか、あと就労とか生活支援、まあ語学、日本語と例えば英語のできる人とか、そういう人を手当てしようというような方針は一応固めているんですね。ところがおととい(19日)各市に聞いてみたところ全然要望が来てないと言うことで、ゼロなんだそうです。まあそういう状況ですね。一方で山梨県庁は長崎知事が定例会見の場で国から受け入れの要請があれば受け入れますよということを表明されていて、今 県庁内で複数の部局の横断的なチームを編成していつでも対応できるような体制を整えようという形になっています。 

渡辺)こうお話を聞いてると全体的に今要望を聞いて整えているっていう状況のところが多いイメージですよね。 

松田)そうですね。 

渡辺)企業やNPOなどの対応はいかがですか。 

松田)甲斐市に日本航空学園という学校があるんですけども、ここに昨日電話取材したところ、実は石川県の輪島市とそれから北海道の千歳市にもキャンパス持ってるんですよ。甲斐市と全国で三カ所でここのキャンパスがあるので、その学生寮なんかを活用して最大で200人ぐらいまでの受け入れができるということで、それを表明しています。これは必ずしも学生限定じゃないんですよ。つまり学生さんの家族も含めてファミリーで家族ごとに受け入れますよということで、そういうお話でしたね。ここはね、毎年アジアから留学生を受け入れてるんです。実は。だからそういう意味でいうとその経験とノウハウというのはあるので、非常にやりやすかったという面もあるんでしょうね。だから日本語の学習や就労なんかの面でも色々と支援ができるんじゃないかということ。それともう一つ注目したいことがありまして、日本航空学園と連携して、任意団体で東ヨーロッパ支援協会というところがあるんですね。そこの協会の理事長の西本さんっていう方が近日中にポーランドまで出向くそうなんですよ。ポーランドに出向いて今280万ぐらいポーランドにもう避難民の方がいらっしゃるから、そこに行って、ポーランドから出国して日本に避難希望者の方を募集して、現地へ行って現地で対応するっていう、この取り組みはちょっとあんまり聞いたことがないんで非常に私は注目しています。もう一つNPO法人、2つの法人が連携した動きっていうのが、山梨県ボランティア協会っていうところと、それから県内で子供食堂をいろいろたくさん運営しているNPO法人で「にじいろのわ」というところがあるんですけれども、ここが連携しての避難者支援を発表したんですね。実は現在この二つの法人のところには、いろいろ発表してから多分一週間か十日ぐらい経ってるわけなんだけども、県内の27団体とか個人から「わたしたちも協力できますよ」っていう申し出がいろいろきてまして。例えば私ロシア語できるんですけど、とか、住居の紹介できますよ、とか、あるいは食料とか日用品なんかの提供ができるんで、みたいな、そういう話が色々来てるんだそうですね。で、当初の予定通り、まず手始めには、その食料とか日用品の提供、それからあとやっぱり言葉で困るんで、通訳のところ、ここらへんを中心にして支援の体制の準備に今入っている状況なんですね。 
すぐに県内に避難民が来なくても無駄ではない
渡辺)やっぱり準備っていうのがとても大切ですし、何が出来て何が求められて、そこをしっかりクリアにしていくことが本当の支援につながりますよね。その支援なんですが、今後の流れはどうなっていくと思われますか。 

松田)この理不尽な戦争がどのくらい続くか全く分からない状態だし、よってその避難者がどのくらい増えるのかとか、あるいはその山梨県内にどれぐらいの避難者が来られるのかとか、あるいはその避難生活がどのくらいの期間に何年にも及ぶのかとか、全く分からない中ではあるんですけれども、例え、当面、県内の避難者がゼロだとしても、その募金だとか食料とか日用品を現地に送るという活動っていうのはできると思うわけなんですよ。いみじくも「にじいろのわ」の理事長の土屋さんがおっしゃってたことなんですけれども、受け入れの準備(のために用意した)食料とか日用品は(現地に送るなどして)支援などに必ず繋がっていくものだと。ということは、今すぐに県内に避難民が来なくても、そこは二段構えで考えているっていうことで、それを聞いて私は、全く無駄のない対応なんだなという風に思いましたね。日本航空学園の理事長の梅沢さん、「にじいろのわ」の土屋さん、それから現地に行かれる東ヨーロッパ支援協会の西本さんの共通の思いっていうところは、今ウクライナの為に何か自分たちにできることはないんだろうかとこの一点に尽きるような気がするんですね。取材を通じて感じたこの想いっていうのは自分自身も含めて県民・国民で共有していくことができればいいなというふうに強く思いました。
Bumpy放送局:FM FUJI放送日時:毎週月曜~木曜 13時00分~18時50分
※該当回の聴取期間は終了しました。

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