「面倒臭い」とか言わずに「MT」で乗って欲しい国産車3台

WEB CARTOP
2022.03.22 11:40
この記事をまとめると
■MTで乗って欲しいクルマを厳選して紹介
■ただのMTではなく、メーカーがこだわりを持って設定したクルマが多い
■いつラインアップから消えるかわからないが故に今のうちに乗っておくべし
選べるならMTを絶対に選んで欲しいクルマとは
  ポルシェ911がティプトロニック=2ペダルATを搭載したのを一例として、以来、スポーツカーでも堂々とATで乗れる時代がやってきた。しかも、日本ではAT限定免許があり、自販連のデータによれば、今や日本で売られている新車の約99%がATなのである(アメリカでも97%程度)。
  何しろ、レクサスのラグジュアリースポーツのLCだってHVがマルチステージハイブリッドトランスミッションなのはともかく、V8のガソリン車でも10速ATを搭載。トヨタのスープラでさえ8速スポーツATであり、MTを選択することはできない。世界のホットハッチの代名詞でもあるVWゴルフGTIだって、DSGと呼ばれる、基本はMTながら2ペダルで乗れるデュアルクラッチトランスミッションでしか乗れない(日本仕様)のが現実だ。
  が、ごく少数とはいえ、日本車でもATとMTの両方を選べるクルマもある。当然、AT(CVT)が売れ筋となるのだが、待てよ、「このクルマにあえて乗るならMTだろ!」というマニアック!? なクルマも存在する。言い方を変えれば、ATを選ぶとそのクルマの魅力を120%味わえないクルマでもあったりするのだ。で、うっかりATを買おうものなら、クルマ好きの仲間からなにを言われるかわからない。その会話はこんな感じだろう。「おっ、ついにあのクルマ、買ったんだ。もちろん、MTだよね……(仲間)」。「い、いや、ATなんだ(汗)(本人)」。「あっそう……(仲間)」。クルマ好きの仲間をガッカリさせる瞬間と言っていいかも知れない。
  そんな、ATがあったとしても、MTで乗るべきクルマの代表格が、マツダ・ロードスターだろう。メーカーとしてもMTで乗ってもらいたい意思は明確で、カタログの表記も「6MT/6AT」とMTが先に表記されているし、最近発売された特別仕様車、ロードスターの原点ともいえる軽量化が磨かれたライトウェイトオープンスポーツのコンセプトに立ち戻った990Sは6速MTのみの設定だ。
  990の意味は、車重990kgを指し、軽量化によるロードスターの軽快な走りの魅力を最大限に引き出してくれる特別仕様車なのである。初代ロードスターがMTを中心に売れていた時代を懐かしく思うロードスターファン、ライトウェイトスポーツカーファンにとって、まさに待望のグレードと言っていいだろう。
  マツダ・ロードスターを気軽にATで乗る楽しみを否定はしないが、ことクルマ好きの間で「ATにしました」なんて言えば、「コイツ、ホンモノのロードスターファンじゃないな」と思われてしまうに違いない(あくまでクルマ好きのマニア間での話ですが……)。
メーカーが本気で作ったMTマシンは今のうちに味わっておくべし
  トヨタとスバルのリアルスポーツカー、GR86、BRZも同様だろう。6速ATと6速MTが選べるのは、より幅広いスポーツカーファンに買ってもらえるように、楽しんでもらえるようにという配慮に違いないが、自然吸気のガソリンエンジン+MTという、もはや希少な組み合わせを継承してくれたことに、まず両車の価値がある。
  GR86やBRZのイベントに遠路でかけ、帰りに大渋滞に巻き込まれたら(大体、イベントは行楽客で道が渋滞する週末に行われる)、「ATにしときゃ良かった」なんて思うこともあるかも知れないが、希少性という事実、そして純ガソリンエンジンの比較的買いやすいリアルスポーツカーとして最後になるかも知れないことを考えると、今だからこそ、”最後に⁉︎”MTで乗っておきたい1台と言えるのだ。
  とはいえ、ロードスター、スープラ、GR86、BRZにATで乗ったら、クルマ好きの称号はく奪か? と言えば、けっしてそんなことはない。それはそれで堂々と乗ればいい。声高に「自分はスポーツカーを骨まで愛し、乗っています」と、クルマ好きの間で宣言しなければ、どうということはない。ATだってスポーツカーを存分に楽しめるようにつくられているからだ。
  が、国産車のなかに、AT(CVT)で乗ったら「アカン」と言われそうな1台として、GRヤリスが挙げられる。モリゾウさんのトヨタのスポーツカーへの愛、そしてモータースポーツ(WRC=世界ラリー選手権)のために開発された車両を、トヨタのモータースポーツ直系として市販化するという、この時代に男気を見せたコンセプトで登場したGRヤリスは、カタログモデルのラインアップを見てもわかるように、中間グレードのRZ、およびそのハイパフォーマンスグレードのRZ High performance (ともに4WD/1.6リッター、272馬力)は快適なシフトを実現したi-MTとはいえ、6速MTのみの設定だ。
  そしてベースグレードのRS(FWD/1.5リッター、120馬力)がダイレクトシフト-CVT(10速)のみとなっている。RSでもGRヤリスの走りのこだわり、スポーツ度は十二分に味わえるのだが、やはりGRヤリスというクルマの成り立ちを考えると、「男は黙って4WD、MTのGRヤリス」と言いたくなる。実際、約80%がRZ以上のグレード、つまりMTで売れているという(発売初期のデータ例)。
  希望的には、この先に発売されるフェアレディZも、ATとともに6速MTがあり、こちらも日米市場ともにMT人気が沸騰するはずのマニュアルで楽しみたいスポーツカーと言える(2代目のS130はアメリカンなスポーツカーでもあったので、筆者はATで乗っていた過去がある)。ただし、価格的にはATでも許されるキャラクター、クラスと言えるかも知れない。
  逆に言えば、ATで乗ってもまったく恐れることのないスポーティなクルマとは、そう、2ペダルしか設定されていないクルマということになる。スポーツカールックではないものの、スバルWRX S4(CVT)、レヴォーグSTI SPORT-R、ノートオーラNISMOなどなら、堂々とAT(CVT)で、こだわりあるスポーティカーファンとして乗っていられるだろう。

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