美しいスタイルをキープする秘訣は「笑顔」と「姿勢」

2020.11.20 22:30
俳優・田辺誠一さんが番組ナビゲーターを務め、ゲストの「美学」=信念、強さ、美しさの秘密を紐解き、そこから浮かびあがる「人生のヒント」を届ける、スポーツグラフィックマガジン「Number」と企画協力したドキュメンタリー&インタビュー番組『SHISEIDO presents才色健美 ~強く、そして美しく~ with Number』(BS朝日、毎週金曜22:00~22:24)。11月20日の放送は、元アーティスティックスイミング日本代表の青木愛さんが登場。若くして引退を決めた理由、オリンピックへの思い、大切にしている信念などを語った。
■悔しいけれど、悔いはない
競技の技術面や芸術性がクローズアップされた結果、2018年4月、シンクロナイズドスイミングという名称が、アーティスティックスイミングに変更。日本のお家芸として知られる「シンクロ」は、また新たな局面を迎えようとしていた。現在、指導者として後進の指導にあたる青木さんは「選手の成長をダイレクトに感じられるのはすごく楽しいですね。自分が選手だった時は試合でしか自分の成長を感じられなかったんですけど、指導者になってみると、選手たちが1日1日伸びていくのが分かるんです」と、笑顔を浮かべる。
青木さんは23歳のとき、日本代表チームの一員として2008年の北京オリンピックに出場した。厳しい練習を重ねて挑んだ大舞台だったが、結果は5位。惜しくもメダルには手が届かなかった。
大会後、他の7人のメンバーと同様に引退を表明。青木さんは、当時の心境について「チームの中では最年少で、まだ23歳でしたし、次のオリンピックも、もしかしたら行けるかもしれないとは思っていました。でも、先輩方が引退した後、“新しいメンバーとまた一からチームを作って頑張ることができるのか”と自分に問いかけたときに、違和感を覚えてしまったんです。それまでのメンバーとは家族以上の強い絆ができていましたし、自分は後輩を引っ張っていく性格でもない。それなら、私は辞めて、まったく新しい8人でチームを作ったほうがうまくいくと思いました」と打ち明ける。
全力を出し切ったという達成感もあった。「私たちの世代でメダルを途切れさせてしまった、という申し訳なさはあります。でも、一生懸命やった結果の5位だし、これ以上できたかと言われれば、たぶんできなかったと思います。もちろん悔しいですけど、悔いはない。そんな矛盾した感情がありますね」。
■素敵な人は、常に笑顔で姿勢が伸びている
やり切ったと言えるのは、連日のハードな練習をこなしてきたからこそ。青木さんは「毎日、朝の8時からスタートして、終わるのは夜の11時半でした。もちろん練習は嫌でしたよ(笑)。しんどいことが好きな人なんて、いないんじゃないですか。でも、競技を始めた頃からオリンピックに出ることが夢だったので、どんな練習でも乗り越えられたと思うんです。本当に“なんで毎日こんなことやっているんだろう”と思いながら練習していました(笑)」と振り返る。
現在は指導者の他、キャスターやタレント、モデルや講師としても活躍中。様々なことにチャレンジしながら、現役時代と変わらぬ美しいスタイルをキープしている。青木さんは、「生き方がその人のスタイルに現れると思っているので、ちょっと疲れたなって思ったときは、肩を回して“今日も1日頑張りましょう!”と、前向きになるようにしています。生き方が素敵な人って、やっぱり常に笑顔だし、姿勢もまっすぐにピンッと伸びている。逆にどれだけ綺麗にしていても、後ろ向きだったり、笑顔じゃなかったりする人は、良く見えないんですよね」と、メンタル面における“姿勢”の大切さを説いた。
そして“笑顔”も、常に青木さんの中心にある重要なキーワード。「いつもたくさん笑うことを心掛けています。自分だけじゃなくて、人が笑っているとパワーをもらえるし、お互いがいい気持ちになるじゃないですか。人の笑顔を見て、頑張ろうと思ったことも多いですし、なにより笑顔になることで気持ちが高まりますよね」。
笑顔を絶やさずにいたからこそ、辛い練習や苦しい試練を乗り越えて、夢の大舞台に立つことができた。青木さんは、技術と経験だけではなく、前を向いて姿勢を正し、笑顔でいることの大切さも、次の世代へ伝えていく。
次回11月27日の放送は、11月に登場した藤田俊哉さん、大友愛さん、青木愛さんが再登場。3人の「美学」を再び掘り下げる。