大きな成功を掴むためのルーチンは、たった一枚の紙を丁寧に積み重ね続けること

2020.10.30 22:30
俳優・田辺誠一さんが番組ナビゲーターを務め、ゲストの「美学」=信念、強さ、美しさの秘密を紐解き、そこから浮かびあがる「人生のヒント」を届ける、スポーツグラフィックマガジン「Number」と企画協力したドキュメンタリー&インタビュー番組『SHISEIDO presents才色健美 ~強く、そして美しく~ with Number』(BS朝日、毎週金曜22:00~22:24)。10月30日の放送は、十種競技日本記録保持者の右代啓祐さん、女子100mハードル日本記録保持者の寺田明日香さん、トライアスロン選手の佐藤優香さん、リオデジャネイロオリンピック・バドミントン女子シングルス銅メダリストの奥原希望さんのエピソードをプレーバック。4人の輝きの秘密に迫った。
■変化の繰り返しが、自分の成長に繋がる
パワーやスピードなど、さまざまな要素が求められる過酷な十種競技。今年で34歳の右代さんは「選手を続けていくには、変化することが一番大切です。時が過ぎるということは、世の中の流れも変わるし、周りの人たちも変わっていくということ。その中で、自分だけが変わらないと置いて行かれてしまう。ミスした時に落ち込むだけではなくて、どう変化するのか。その繰り返しが自分の成長に繋がっていくんです」と、“変わること”の重要性を説く。
日本記録を更新できたのも、自分自身をアップデートしてきたからこそ。かつて指導を受けた、十種競技の元日本チャンピオンの武井壮さんからは「今日1日、自分史上最高の1日を」という言葉をかけられた。右代さんは「ものすごくいい言葉だなと思いました。武井さんは“毎日少しでもいいから、自分にプラスを作れ”とおっしゃっていて。今もその教えを胸に競技を続けています」と打ち明けた。
■母親とアスリートが両立可能であることを、自分の活躍で証明したい
寺田さんが100mハードルを続けるモチベーションの一つは、愛娘の存在。「6歳の娘からは“ママは足が遅いからダメなんだよ”と厳しい言葉をかけられています(笑)。やっぱり“ママ、速かったんだ。カッコいい”って言ってもらいたいですし、そのために頑張れているというのはありますね」。
海外では出産や育児を経て、選手として復帰するアスリートも少なくないが、日本での例はそれほど多くない。母親とアスリートの両立をテーマに掲げる寺田さんは「女性としてのライフプランを作る上で“競技のせいで諦めなければならない”ものが、なくなればいいなと。私が選手として活躍し、母親とアスリートは両立できるんだと証明することで、もっとママアスリートが増えればいいですね」と意気込んだ。
■毎日、丁寧に積み重ねていくこと
2021年の東京オリンピック、トライアスロンの金メダル獲得を目指す佐藤さんは、さらなるレベルアップのため、練習に勤しんでいる。監督からかけられた、「たった一枚の紙でも丁寧に積み重ねていったら厚みが出る」という言葉を大切にしている。佐藤さんは「毎日の終わりに“もう少しこういう動きをすればよかったな”、“これが足りなかったな”などと反省しながら、それを次の日に活かすというのを繰り返しています」と語る。
「もうこれ以上はない」という万全の状態でスタートラインに立つのが佐藤さんの理想だ。好きな言葉は「人事を尽くして天命を待つ」。佐藤さんは「あとはレースを戦うだけという状態になっていれば、自然と結果はついてくると思います。最後は表彰台に立って、笑顔で終われるようにしたいですね」と決意を新たにしていた。
■ありのままの自分で勝負する
2019年にはバドミントンの世界ランキング1位に上り詰め、2020年10月18日に行われたデンマークオープンでも優勝を飾った奥原さんは、2021年の東京オリンピックについて、「ありのままの自分で勝負していくことが一番美しくて、強く見られる秘訣だと思います。大会は延期になってしまいましたけど、この1年間で絶対にパワーアップできたと思っていますし、すごく今から楽しみですね」と笑顔を浮かべた。
しかし、選手として、東京オリンピックをゴールには設定していない。奥原さんは「後輩から“私たちに任せて”と言われたら辞めようかな(笑)。有終の美を飾って終わるのは、私の美学ではないんです。後輩たちにコートの外から教えられることもあると思うんですけど、私は、現役の選手としてコートの中から羽根を交えて伝えていきたいですね」と、思いを明かした。
次回11月6日の放送は、サッカー元日本代表の藤田俊哉さんが登場する。