マンション経営を始めるための初期費用はいくら必要?費用を抑えるためのポイントも解説
Log Renove
2020.10.18 19:00
不動産投資を始めるためには、投資用物件の購入費のほかにもさまざまな費用が必要です。どんな初期費用が必要なのか理解していないと、予想外の出費がかさんで経営に悪影響が出る可能性もあります。そこでこの記事では、不動産投資を始めるために必要な初期費用の種類と相場、初期費用を安く抑えるポイントもあわせて解説します。
マンション経営を始めるために必要な初期費用の相場
マンション経営を始めるために必要な初期費用は、マンション購入費だけではありません。マンション購入に伴いかかる税金や諸費用なども多くあります。まずは、マンション経営で必要な初期費用の内訳と、その相場を見ていきましょう。
物件の取得費用
マンション経営でまず必要になるのは、物件の取得費用です。不動産投資用のマンションは、すでに建築されたもの1棟や分譲マンションの1室を購入する場合と、新たに建築する場合とがあり、どちらを選ぶかによって物件の取得費用は変わります。
すでに建築されたマンション1棟や分譲マンションの1室を購入する場合は、その購入費がかかります。不動産投資のために新たにマンションを建築する場合には、次の費用を用意しなければなりません。
・建築費:マンションを建てるための費用
・別途費用:車庫、フェンス、門など建物そのもの以外の費用
・付帯工事費用:給排水設備・電気設備・ガス工事の費用
建築費はマンションの構造によって相場が異なります。坪単価で比較すると、次の通りです。
・鉄骨造:50万〜80万円程度
・鉄筋コンクリート造:70万〜100万円程度
不動産取得税
不動産取得税とは、不動産の取得に際して課される税金で、固定資産税評価額の4%です。ただし、2021年3月末日までの取得なら、税率は3%です。新築マンションで、なおかつ1戸当たりの床面積が50~240㎡以下の場合、1200万円の控除を受けられます。固定資産評価額は、土地は時価の70%ほど、建物は時価の50〜60%程度で、不動産そのものの時価よりも安くなっています。不動産取得税については、以下の2点に留意しましょう。
・不動産購入後、半年〜1年後に課税される
・改築・増築により固定資産税評価額が上がった場合にも課税される
これらの点に注意しておかなければ、忘れた頃に課税されて資金が用意できない可能性があるので気をつけてください。
印紙税
印紙税とは、経済取引の際に作成される文書に対して課される税金です。不動産投資を始める場合は、次の文書に対して印紙税が課されます。
・不動産譲渡契約書
・金銭消費貸借契約書
・建設工事請負契約書
不動産譲渡契約書・金銭消費貸借契約書・建設工事請負契約書に課される印紙税の金額は、契約金額に応じて決まっています。契約金額と印紙税の金額は、次の通りです(表示は「契約金額:印紙税額」)。なお、2022年3月31日までに作成された契約書については、軽減措置により()内の金額が適用されます。
【1】不動産売買契約書、金銭消費賃貸契約書(軽減措置は不動産売買契約書のみ)
・5000万円以下:2万円(1万円)
・1億円以下:6万円(3万円)
・5億円以下:10万円(6万円)
・10億円以下:20万円(16万円)
・50億円以下:40万円(32万円)
・50億円超:60万円(48万円)
【2】建築工事請負契約書
・5000万円以下:2万円(1万円)
・1億円以下:6万円(3万円)
・5億円以下:10万円(6万円)
登録免許税
登録免許税とは、不動産の登記でかかる税金のことで、以下の登記に対して課されます。
・抵当権設定登記:不動産投資ローンを組むときに抵当権を設定するための登記。債権金額の0.4%
・所有権保存登記:物件の所有者を登録するための登記。固定資産税評価額の0.4%
・所有権移転登記:物件の所有者変更を登録するための登記。固定資産税評価額の2%
不動産取得にあたっては、ほかにも建物表示登記(未登記の新築物件を購入したときの登記)が必要な場合もあります。建物表示登記は、物件完成後1ヶ月以内に手続きしなければ10万円以下の過料が課されるので、注意しましょう。
登記費用
登記費用とは、上で紹介した登録免許税と、登記を依頼した司法書士の報酬を合わせたものです。不動産取得に関する登記を行うためには、専門知識が必要です。また、何度も法務局に行かなければならないので、一般的には司法書士に登記を代理してもらいます。
このため、登録免許税だけではなく司法書士への報酬が必要です。登記費用の目安は10万円程度ですが、登録免許税の金額や司法書士事務所の料金設定によっても左右されるため、事前によく確認しておきましょう。
不動産投資ローンの諸費用
不動産投資を始める場合、不動産投資ローンを組んで投資用物件を購入することが多いでしょう。このとき、事務手数料や保証料といった諸費用がかかります。
・事務手数料:不動産投資ローンを組む際に金融機関に支払う手数料
・保証料:借り手がローンの返済をできなくなった場合に、返済を肩代わりしてくれる証会社に支払う料金
事務手数料は、借り入れ金額によって決まる場合と定額とがありますが、定額の場合は3万〜6万円程度が相場です。保証料は、一括で支払う場合は借入額の2%程度、金利を上乗せして分割で支払う場合は年0.2〜0.3%が相場とされています。
火災保険や地震保険などの各種保険料
投資用の物件を購入する際は、火災保険への加入が必要です。火災保険に入っておくと、火事や水害、風害、雪災、落雷、破裂、爆発などで物件が被害を受けた場合に補償を受けられます。また、火災保険では地震による火災などは補償されないため、地震保険への加入も検討しましょう。
これらの保険の保険料も、不動産投資を始めるための初期費用として必要です。保険料は物件の広さや造り、築年数、保険会社によっても左右されますが、分譲マンションの1室を経営するのであれば、10年間で火災保険・地震保険合わせて10万円程度が相場といわれます。
マンション1棟経営の場合は、火災保険10年、地震保険5年の契約で総額200万円程度が相場です。火災保険や地震保険の保険料は経費に計上できます。数年単位で契約をした場合、保険料は初年に一括で支払いますが、経費には契約年数で分割して計上します。
税理士や弁護士への相談料
不動産投資をする場合、投資家は家賃収入や経費などを帳簿につけ、翌年には確定申告をしなければなりません。帳簿は節税対策にもかかわる部分であるうえ、帳簿のつけ方は複雑になりです。そのため、不動産投資に関する会計は税理士に任せる投資家も多く、そうした場合は初期費用として税理士への相談料が必要です。
不動産投資では、入居者が入ったあとに家賃滞納や騒音トラブルといった問題が起きる可能性もあります。問題が起きたときにスムーズに対応できるよう、早い段階で弁護士とコンタクトを取っておきたい場合は、初期費用として弁護士への相談料も必要です。税理士や弁護士への具体的な相談料は各事務所により異なります。事務所によっては無料で相談できる場合もあるので、どの事務所に相談するかよく検討しましょう。
物件を管理を委託する場合の手数料
不動産投資を開始したら、物件の管理もこまめに行いましょう。空室を減らし、安定して家賃収入を得るためには、定期的に清掃をして建物をきれいに保ったり、設備点検をして物件の安全性を高めたりすることが重要です。ただし、こうした管理は管理会社に一括で任せたり、清掃会社・設備会社など個別の会社に委託したりすることがあります。そのためにかかる手数料も、不動産投資の初期費用に含まれます。管理を委託する場合の手数料は、その物件の賃料の5%程度が相場です。この費用は経費にできるので、忘れず計上しましょう。
新規入居者を募るための広告費用
投資用の物件を購入したら、次は入居者集めが必要です。入居者を募集する際には、不動産会社に依頼してポータルサイトに物件情報を掲載したり、チラシを作ってポスティングしたりします。そのため、初期費用として不動産会社への依頼費用を用意しておきましょう。
不動産会社に頼まず個人でチラシの作成・ポスティングをする場合は、紙代や印刷代、必要であればパソコンやカメラの購入費などが初期費用として必要です。入所者募集のための広告費用は経費に計上できますが、パソコンやカメラの費用は家事按分や減価償却が必要な場合もあるので注意しましょう。
不動産会社への仲介手数料
投資用の物件は、通常の住宅と同じように不動産会社を介して購入することが一般的です。仲介手数料は不動産会社の料金設定や交渉によっても変わりますが、上限額は宅地建物取引業法によって、次のように定められています。
・不動産価格のうち200万円までの部分:金額の5%+消費税
・不動産価格のうち200万超〜400万円までの部分:金額の4%+消費税
・不動産価格のうち400万円を超える部分:金額の3%+消費税
段階的に費用が変わりますので、簡易式として次が用いられます。
・売買価格×3%+6万円+消費税
マンション経営の初期費用を抑えるためのポイント
入念に調べれば初期費用を大きく下げることができる
マンション経営の初期費用を見てきましたが、これらはポイントをつかめば安く抑えられる可能性があります。その方法を5つ解説します。
仲介手数料が必要ない物件を探す
不動産投資用物件は、不動産会社を介して購入することが一般的ですが、仲介手数料がかかってしまいます。しかし次の方法で物件を購入すれば、仲介手数料はかかりません。
・売主と直接取引をする
・販売代理を通じて物件を購入する
売主と直接取引をすれば、間に不動産会社を挟まなくて済むため仲介手数料は発生しません。販売代理とは、売主が代理を委託した不動産会社と取引をすることです。この場合、不動産会社に対する仲介手数料は買主ではなく売主が支払います。
必要のない保険は外す
不動産投資ローンを組むためにも、入居者の安心感を高めて空室率を下げるためにも、火災保険や地震保険に加入することは大切です。しかし立地や周囲の環境によっては、付帯しなくてもいい補償もあります。高台に位置する物件であれば水害に関する補償は不要だと考えられますし、雪の降らない地域の物件であれば、雪災に関する補償は付帯していても役に立つ可能性は低いです。このように立地や周囲の環境を考慮し、不要な補償を外すと、初期費用が抑えられます。
賃貸併用住宅を建てて住宅ローンを使う
不動産投資用の物件を購入する際は、不動産投資ローンを組むことが一般的ですが、賃貸併用住宅を建てて住宅ローンを組めば、初期費用を抑えられます。住宅ローンは不動産投資ローンよりも金利が1〜3%低いため、その分利息を減らせるからです。賃貸併用住宅は、不動産投資として人に貸し出す部分と、投資家自身が自宅として住む部分が併設されています。投資家の自宅部分が延床面積の50%以上を占めていれば住宅ローンを利用できます。
高い利回りが期待できる場合は政府系の金融機関を利用する
投資用物件を購入する際のローンは、政府系金融機関である日本政策金融公庫でも組めます。政府系金融機関はほかの金融機関よりも金利が低いので、その分支払い利息が少なくなります。固定金利制であるためローン返済中に金利が上がるリスクがない点も魅力です。
ただし、政府系金融機関はほかの金融機関に比べて融資期間が10〜15年と短いものです。その分、毎月のローン返済額が大きいので、多額の返済額にも余裕を持って対応できるほどの家賃収入が見込める場合でないと、返済に苦しむ可能性があります。実際、政府系金融機関で不動産投資用のローンを組む際は、審査でその物件の利回りが重視されます。高い利回りが期待できる場合には、政府系金融機関の利用も検討してみましょう。
投資不動産のグレードは妥協しない
投資用物件のグレードを下げ、安い建物を購入すれば、その分購入費用は下がります。しかし、投資用物件のグレードを下げて初期費用を浮かせることは、長い目で見ればいいとは言えません。安価な分、さまざまな部分に不備があって、高額な修繕費や維持費が必要となり、かえって初期費用がかさむ可能性があるからです。
グレードの低い物件は、賃貸を探している人からの人気が低いので空室率が高くなると予想されることから、将来経営が苦しくなると考えられる点にも注意しましょう。不動産投資は借りてくれる人がいてこそのものであり、物件は重要な資本です。建物のグレードは妥協せず、長い目で見たときにかかる修繕費や維持費、利回りを重視しましょう。
初期費用ゼロでマンション経営は始められる?
不動産投資ローンや住宅ローンを組んで不動産投資を始められるということは、初期費用ゼロでもマンション経営を始められるということなのでしょうか。詳しく解説します。
フルローン(頭金なし)でもマンション経営は始められる
不動産投資ローンや住宅ローンは、自費で頭金を支払って組むことが一般的です。しかし、頭金なしでローンを組む「フルローン」でもマンション経営を始められます。しかし実際にはリスクも伴うため、メリットだけではなくデメリットまで理解した上で、フルローンを検討しましょう。なお、不動産取得税や登録免許税など、不動産購入に伴い課される税金はローンに組み込めないので、要注意です。
フルローンでマンション経営を始めるのが現実的ではない理由
一見メリットが大きいように思えるフルローンですが、実際には「金利上昇のリスクが高い」、「キャッシュフローが悪化しやすい」、「減価償却期間とローン返済期間の調整が難しい」というデメリットもあります。こうしたデメリットを考えると、フルローンは現実的には難しいでしょう。それぞれのデメリットについて詳しく解説します。
金利上昇のリスクが高い
不動産投資ローンや住宅ローンの金利には、固定金利制と変動金利制がありますが、多くの場合、選択されるのは変動金利制です。変動金利制は固定金利制よりも金利が低いこと、金利が下がれば利息が減ることが魅力です。
ただ、フルローンは借入額が大きい分、少しの金利上昇でも影響を大きく受けます。もともと借入額が大きいのに、金利によって利息が大幅に増えると返済が厳しくなります。不動産投資による収益が手元にほとんど残らなかったり、赤字経営に陥ったりする可能性もあるのです。
キャッシュフローが悪化しやすい
キャッシュフローとは、お金の出入りのことを指します。出るお金よりも入るお金の方が大きい場合はキャッシュフローがいい、出るお金よりも入るお金の方が小さい場合はキャッシュフローが悪いと言います。フルローンを組んだ場合は、借入額が多い分月々の返済額も大きくなるため、キャッシュフローが悪化しがちです。
金融機関の融資の審査では、過去のローン返済実績や経営実績なども見られるため、キャッシュフローが悪いと、新たに別のローンを組みたくても融資が下りないリスクも考えられます。このようにキャッシュフローの悪化は、経営不振や金融機関からの信用低下を招きます。こうした面からも、フルローンによる不動産投資は、よほど高い利回りが期待できる場合以外はリスクが高いものです。
減価償却期間とローン返済期間の調整が難しい
不動産投資ローンや住宅ローンの返済は、節税効果の高い減価償却期間中に終わらせることが望ましいものです。しかしフルローンの場合は借入額が大きく、返済期間が長くなりがちです。ローンを完済する前に減価償却期間が終わってしまうと、その後は所得税や住民税の負担も増えるので、ローン返済が苦しくなると予想されます。一方、減価償却期間中にローンを完済しようとすると、月々の返済額が多くなり、マンション経営が苦しくなる可能性が高いです。このように、フルローンを組むと、返済期間と減価償却期間の調整が難しいというリスクもあるのです。
アパート経営とマンション経営の違い
マンションとアパートの大きな違いは構造だけ
不動産投資のメジャーな方法として挙げられるのがアパートの経営とマンションの経営です。両者の違いについて確認しましょう。一般的にマンションとは、4階建以上の鉄筋コンクリート造の物件を指します。マンション経営で期待できるメリットは、次の通りです。
・アパートよりも部屋数が多く、賃料も高い傾向にあるため、より多くの収益が見込める
・遮音性などが高いため、入居者同士のトラブルが少ない
・安全性の高さから、賃貸としてのニーズが高く、空室率が低い傾向にある
・老朽化しにくいため賃料が下がりにくい
節税対策の面から見ても、マンション経営は有利です。建物購入費は耐用年数で減価償却して経費に計上していきます。鉄筋コンクリート造の物件は耐用年数が47年と長いため、マンションなら長期間、減価償却による節税が可能なのです。
一方、アパートとは一般的に、2〜3階建の木造または鉄骨造の物件を指します。アパート経営では、次のようなメリットが期待できます。
・購入費がマンションよりも安い
・部屋数が少ないので管理がしやすく、修繕費も抑えやすい
・建て替えをする場合はマンションより費用がかからない
とくに、建物購入費が安いという面では、アパート経営の方が初心者向きです。しかしマンション経営でも、マンション1棟ではなく分譲マンションの1室〜数室を購入して貸し出す区分マンション経営であれば、購入費を安く抑えられます。さらに区分マンション経営なら、空室率の低さや賃料の下がりにくさなど、マンション経営のメリットもそのまま享受できるのでおすすめです。
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