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柴咲コウが”いま”カバーアルバムを出す理由とは
ビクターエンタテインメント
2015.06.16 21:00
女優であり、アーティストでもある柴咲コウが、キャリア初のカバーアルバム『こううたう』をリリースする。

1998年に女優としての活動を始めた彼女は、映画『バトルロワイヤル』や『GO』で注目を集め、2002年にシングル「trust my feelings」でシンガーとしてもデビューした。以降、彼女はフィクションである“演じること“とノンフィクションの度合いが高い“歌うこと“を明確に分けた活動を行ってきた。歌う女優ではなく、あくまでいちアーティストとして、自己表現し、独特の世界観を築き上げてきた。特に、作詞面では、自身の人生観や哲学を根底に、その時、その瞬間の自分の心境をさらけ出すことで同性からの絶大な支持や共感を得ていたように思う。そんな彼女がなぜ、他のアーティストの曲を歌う気になったのだろうか?

「今、この時であれば、既存の曲を歌うことで、逆に自分が見えてくるんじゃないかってシンプルに思えたんですよね。歌い始めてから13年経って、少しずつ歌う自分が確立したっていう自信がついたのかもしれない。また、内に秘めたものをアウトプットしたいという欲もなかったんです。昨年が忙しすぎたっていうのもあるんですけど(笑)、歌詞や文章にしたくなるような感覚がなかったというか……。あまり心がゆらゆら揺れ動かない1年だったなと思ってて。だからこそ、カバーアルバムに臨めたのかもしれませんね」

最も独自性を出しやすい選曲に関しては、“自分の思い出に残ってる曲““歌詞に共感できる曲““自分らしく歌える曲“などの要素に加えて、“素直“というキーワードを意識したという。

「素直な1枚にしたいという思いがあったんですよね。私は常に偽りなく生きたいと思っているけれども、要望や欲求に応えようとして、少し自分にプラスしたり、着飾ってしまうところがあって。そういうものを全て削ぎ落として、自分はこういう人ですというのをきちっと打ち出したいと思ってたんです。もちろん、原曲のアーテイストの方々に失礼があってはならないという思いもあったので、それぞれの曲に込めれられた思いや感覚的なものを大切にしつつ、自分の気持ちと声がマッチするように集中できたんじゃないかと思う。そういう意味でいうと、どこか“演じる“という要素も入ってますね。『笑顔を探して』や『きみはぼくのともだち』は幼げに歌ってるし、『アイ』や『未来へ』は母性というか、見守る愛で歌ってる。全部、自分が曲の主人公になって気持ち良く歌ってしまってるので、それぞれの曲の主人公を演じてる部分がありますね」

“素直であること“と“演じること“は、相反することのように感じるかもしれないが、それぞれのフィールドで独自のスタンスを貫いてきた彼女の発言であれば納得できる。本作で彼女が挑んだのは、女優だからこそできる、歌の演じ分けである。女優・柴咲コウとして、アーティスト・柴咲コウとして、30代の女性として、あの名曲を、こう演じる、こう表現する、こう歌う。女優とアーティストという2つの道を初めて交錯させた本作は、結果的に、柴咲コウという人間像――彼女がどんな幼少時代を過ごし、青春時代にどんな歌に励まされ、これからどんな人生を送りたいたいと考えているのかが浮き彫りになる貴重な1枚となっている。

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