「足るを知る」。幸せの域値が低ければ、どんなときでも楽しむことができるから。
これが私の生きる道!
2020.03.23 00:00
アイディアを形にしていくゼロイチが好き
平田麻莉さん(「プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会」 代表理事)


――あなたのお仕事は?
 フリーランス協会の運営が8割、企業の広報アドバイザーや出版プロデュース、ビジネススクールの教材制作などが2割です。

――フリーランス協会はどんなことをしている?
 法人成りや副業も含めて、フリーランスの方々のインフラコミュニティを標榜しています。福利厚生や保険をインフラとして提供したり、実態調査をして政策提言を行っています。

――立ち上げたきっかけは?
 仕事の形態自体はすごく気に入っているのですが、妊娠、出産、病気をしたことで、フリーランスというのは日本ではマイノリティだと気づかされたんですね。例えば会社員であれば、出産手当や育児給付金があります。

 ところが、協会でも調査をしたのですが、フリーランスの女性経営者の場合、産後1カ月で44・8%、産後2カ月以内だと6割近くの人が仕事に復帰しているんです。会社員であれば法定で産休期間が決められているのに、フリーは経済的事情もあって、復帰せざるを得ない。健康保険料も会社員は免除になりますが、フリーランスは収入がなくても健康保険料や介護保険料は払わなくてはいけない。保活も内職扱いで点数が下がったり、書類をやたら出さないといけなかったり……。少しずつ改善されてはきていますが、フリーを取り巻く状況は厳しかったんです。

 それが2016年10月に経済産業省が〝「雇用関係によらない働き方」に関する研究会〞を立ち上げたんです。だけどそこに呼ばれていたのは、クラウドソーシング会社や有名人のフリーランスの方で、一般的な人たちの声を代弁する人がいなかった。ただ、政府からしたら個々で動いているフリーランスとの接点もないし、業者に聞くしかないわけです。そんな話を2016年の11月に同じフリーの友人たちとランチをしながら話していて、じゃあ窓口作る?となったんです。

――立ち上げのときからビジネスプランは考えていた?
 そうですね。ランチした日の夜、子供を寝かしつけながら、アイディアがわいてきて、眠れなくなってしまって。ベッドから起きて、設立指示書みたいなものを作って、2017年1月に設立しました。

――当初、企業規模は考えていた?
 いいえ。2カ月で立ち上げたのでスモールスタートでいいと思っていたんです。ただ広報の経験がありましたから、設立の記者発表会にめっちゃ気合を入れたら、とても多く報道していただいて、1週間でメルマガ会員登録が1500人ぐらいになったんです。その備考欄に、解決してほしいことなどの要望がぎっしり書いてあって。これは片手間でやることではないと身が引き締まって、慌てて他の仕事を店じまいしました。

――あなたにとって理想の仕事(働き方)とは?
 何にも縛られたくないというのはあります。当初は協会も3年ぐらいで離れるつもりでしたが、規模が大きくなったので、あと3年はかかりそうだと思っています。

 私はアイディアを形にしていくゼロイチが好きで、ポジションには興味がないんです。持続することも尊いけど、私じゃなくてもやれることは、別の人がやればいい。だから友人にはキャリアを定期的に棒に振っていると言われます(笑)。あと、協会の仕事は無報酬でやっています。社会課題解決のためにやっているのに、それが収入源になると組織の存続やポジションが目的になってしまいやすいんです。ただ、無報酬のままだと私の業務を引き継いでもらうことは難しいので、きちんと報酬を払える形を作ることが課題ですね。

何を選ぶのか、何をするのかは、自分で決めたい。
――好きな言葉は?
 人生成り行きと、足るを知る。幸せの域値をいかに低く過ごせるかを大事にしたいと思っていて、そうすると何があっても、どんなことも楽しめるじゃないですか。

――ご自身のキャリアプランはどう考えている?
 私はキャリアデザインはできないと信じています。私たちの世代は就活のときに自己分析や適性診断をするのが一般的でしたが、当時から怪しいと思っていて。だって、入社したら全然違う部署に配属されることは普通だし、私の場合は妊娠しましたし、そういうのってアンコントローラブルですよね。ただ何を選ぶのか、何をするのかは、自分で決めたいですね。

――これから何かを始めたい人へのアドバイスは?
 まずこの協会はフリーランスを増やしたいと思っているわけではありません。完全な成果主義だし、すごくシビアな世界。むしろ大事なのは、会社員であっても会社によらないキャリア自律。会社の理論に応えて長年働いた結果、退職したら他では何もできませんでした、となったら残念じゃないですか。それを前提にしつつ、何かをしたいと思ったら、小さくてもいいからアクションを起こしてみる。いきなりお金をもらおうと思わなくても、興味があるコミュニティに参加してみたり、SNSでやりたいことを発信してみるだけでも反応があったりすると思いますよ。



Profile
平田麻莉さん(「プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会」 代表理事)
1982年生まれ、福岡県出身。PR会社に約5年勤務した後、慶應義塾大学大学院に進学。出産を機に退学し、フリーランスでPRプランナーや出版プロデュース、ライターとして活動。2017年1月、プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会を設立し、現在代表理事を務める。


※このエピソードは書籍『これが私の生きる道! 彼女がたどり着いた、愛すべき仕事たち』に収録されたものを一部抜粋しております。

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