映画監督をしながら会社員として働く理由。なぜ彼女は二足のわらじをはき続けるのか?
これが私の生きる道!
2020.03.23 00:00
「何か表現したい」とはずっと思っていました。
穐山茉由さん(監督・脚本/外資系ファッションブランドPR)


――あなたのお仕事は?
 外資系ファッションブランドのPRと映画監督の二足のわらじを実践しています。PRの仕事は結構長くて、社員歴は14年以上。担当しているブランドを世の中に広く知ってもらうため、スタイリストさんに新商品を紹介し、雑誌やWEBといったメディア掲載につなげるのが仕事です。

――映画監督になった経緯は?
「何か表現したい」とはずっと思っていました。ただ私の場合、その手段を見つけるまでにかなりの時間がかかってしまって。写真や音楽、小説など、興味があることは片っ端から試しましたね。

 そんな中、一番しっくりきたのが映画でした。最初はネットで見つけた映画作りのワークショップに参加したんです。未経験の人が集まって、講師に教えてもらいながら1本の映画を撮るというもの。そこで監督をやらせてもらったのですが、自分が思ったようには全然撮れなくて。これはもっと勉強が必要だと実感しました。

 ちょうどそのタイミングで私生活でも転機が。当時、結婚を考えていた人がいたんです。いざ現実になり、いろんな条件を突きつけられると、「私、そこまでして結婚したいのかな?」と冷静になってしまい、結局、結婚することを断念。そうなって初めて、「結婚って、自分でするかしないか選べるんだ!」ってことが、ストンと理解できた。それまでは、 自分の価値観ではなく、〝女性として生まれたからには、結婚して子供を産まなければいけない〞という、世間の価値観に執着していたのかなって。自分のこれからの人生は、やりたいことを突き詰めたっていい。自分の責任で選択すべきだと思い、その勢いのまま、映画美学校の門をたたきました。

 入ったのは30過ぎ。周りは若い人たちばかりだったこともあり、「悠長にやっている余裕はないぞ」という気持ちはありましたね。週3日の夜間コースにもかかわらず、ほぼ毎日通っていたほどです。そのかいあってか、2年目の学校修了制作で撮った『ギャルソンヌ―2つの性を持つ女―』が、若手の登竜門と呼ばれる、田辺・弁慶映画祭で上映されることに。ようやく、映画学校だけの閉ざされた世界から、広い世界へ羽ばたけたという気持ちでした。その縁で知り合った人がプロデューサーとなり、『月極オトコトモダチ』を制作。記念受験みたいな感じで出品した東京国際映画祭が決まったときは、本当にうれしかったですね。レッドカーペットなんかもあるので、周りもちょっとしたお祭り騒ぎでした(笑)。

自分の好奇心が満たせて、誰かを幸せにできるものがいい。
――会社には、どのタイミングで話した?
 東京国際映画祭での上映が決まったころです。映画を撮っていることは、なんとなく話していたのですが、さすがに一般公開となると、映画監督として名前も出るし、改めて話さないといけない。まずは上司に話したところ、すごく喜んでくれて。「やれるところまでやってみて、その着地点を人事部と相談したらいい」。そう言われて、肩の荷が下りた気がしました。その後も話し合いを重ね、現在は週3日勤務の契約社員に。残りの4日で映画制作に携わる日々です。

――会社を辞めるという選択肢はなかった?
 仕事は仕事で好きなんです。それとは別に「表現したい」という欲求を叶える手段が、私にとっては映画なのだと思います。

 ファッションの仕事は長く携わっていることもあり、自分にとっての基盤です。作品を観た方に、「会社員の経験があるから、こんな作品が撮れるんですね」と言われたことがあって。私は自分の内面を掘り下げるよりも、世の中がどうなっているのか、俯瞰で見ていたいタイプ。なので、普通の生活者の視点を取り戻せる、会社員の仕事も必要なのかも。その分、大変ではありますが(笑)。

――これから、Wワークを始めたい人へのアドバイスは?
 社内に理解してくれる味方を見つけること。あと、無理やりでも休みの日をつくること。そうしないとパンクしそうになる。私の息抜きは、もっぱら銭湯通いです!

――あなたにとって、理想の仕事(働き方)とは?
 自分の好奇心が満たせて、誰かを幸せにできるものがいい。それが、映画なんだと思います。



Profile
穐山茉由さん 監督・脚本/外資系ファッションブランドPR
1982年生まれ、東京都出身。外資系ファッションブランドのPRをする傍ら、30歳で映画美学校に通い、映画監督と二足のわらじをスタート。修了制作作品が田辺・弁慶映画祭で入選、『月極オトコトモダチ』が第31回東京国際映画祭(TIFF)日本映画スプラッシュ部門に選出された。


※このエピソードは書籍『これが私の生きる道! 彼女がたどり着いた、愛すべき仕事たち』に収録されたものを一部抜粋しております。

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