190名がリモートワークで臨む「働き方」に迫る!

2020.04.08 00:00
J-WAVE(81.3FM)の人気モーニングワイド「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」内で様々な企業が取り組んでいる「働き方」から、これからの変化や未来を考える「RECRUIT THE WORK SHIFT」。1日のスタートに「新しい働き方」のヒントをシェアしています。

3月9日~3月12日の放送では、190名のスタッフが「完全在宅勤務」を実践するコグニティ株式会社の働き方に注目しました。

コグニティは、会話(ト―ク)を数値化するAI(人工知能)「UpSighter」などのソリューションを開発・提供している企業で、2013年に設立されました。
お話を伺った代表の河野理愛さんは、ご自身が前職でメーカーに勤務している時、海外とのやり取りが多く、その時に感じた、「対面しなくても仕事ができる」という経験から、コグニティ設立時から、「完全在宅勤務」を条件の1つとして掲げたそう。実際に、現在は190名のスタッフが、国内外、さまざまな地域で、完全在宅勤務を実践しているということです。
河野さんによると、190名の内、女性が82%、都内在住者は15%、そして、驚きなのは、「ほかの社員にあったことがない」という人が45%に上るとのこと。
ただ、こうしたリモートワークを実践する中で、「対面したことがない不安」が業務における課題の1つになった時期もあったそうです。
具体的には、相手の顔色が見えない中で、コミュニケーション不足が起きたようですが、コグニティでは、チャットやメールといったテキストでのコミュニケーションを行う際に「“絵文字”を必ず入れる」というキャンペーン期間を設けるなどして、こうした課題を乗り越えたそうです。
業務において“絵文字?”と思われる方もいるかもしれませんが、シンプルに感情を伝えるためにはわかりやすいアプローチですよね。最近は新型コロナウイルスの感染対策で、リモートワークを実践する方が増えていますが、相手の顔色がみえない不安を解消するのに参考にしてみてはいかがでしょうか?
そのコグニティでは、どんな業務をリモートワークで行っているのか?
AI開発を手掛けるコグニティならではの業務としてはデータのアノテーション作業が最多ということですが、人事や広報、営業、営業統括まで、ほぼすべての業務をリモートワークで行っているそうです。
こうした完全在宅勤務制度を実践する中で、リモートワークを成功させるヒントの1つとして、コグニティでは、意思疎通を取る時にお互いがリアルタイムで議事録を必ずまとめることをルールの1つとしているそうです。これによって、「言った!言わない!」というミスを解消し、お互いの仕事の整合性をとることができるようになっているとのこと。
一方で、コグニティでは、東京の本社の他、徳島県などにサテライトオフィスも設けています。完全在宅勤務を前提としているのに「なぜ?」と思うかもしれませんが、河野さんによると、こうしたオフィスでは、月に1回、勉強会を開いたり、会社の今後のビジョンを共有するイベントを行ったりすることに活用しているそうで、参加できる人が参加することで、普段、対面しないで業務を行う仲間と交流する場として利用しているそうです。
こうした「対面する場」があることも、通常業務で課題だった「不安の解消」に一役買っているようです。
では、実際にリモートワークでコグニティに勤務する社員の方は、どうようなワークスタイルを送っているのか?番組では、現在、富山県でリモートワークを行っているコグニティ・基盤事業部の田中友理さんにもお話を伺いました。

もともと、前職では東京で働いていたという田中さんですが、ご主人の転勤に伴い、富山県にお引越し、そのタイミングでコグニティに入社されたそうです。
1日7時間勤務の田中さんは、ご自宅で業務を行っています。最初は、ひとりで業務を行うことについて「誰にも見られていない不安」があったそうですが、2~3週間で、その不安を解消。現在はリモートワークで営業もこなしているそうです。
実際にリモートワークを通じて、どんな気付きがあったのか?ご主人の転勤が多いという田中さんは、その転勤の度に、異動願いを出したり、キャリアをリセットするのではなく、
こうしたリモートワークで働くことで「自分のペースで自分のキャリアを積み上げていること」が1つの成果だとお話してくださいました。
また、時代の進化の中で「リモートワークでできないことは減っている」とも実感したそう。最初からあきらめるのではなく、みなさんも自分の職種、業態に合わせてできる「リモートワーク」を一度、見つめ直してみてはいかがでしょうか?
さて、AIソリューションを開発、提供するコグニティですが、テクノロジーを使った「働き方」も提案しています。その1つが、コグニティが開発したAI「UpSighter」。
代表の河野さんによると、UpSighteはトーク(会話)やコミュニケーションを数値化できるソフトウェアで、例えば、営業の方の会話が、どのような構成で行われているのか?ということを数値で解析できるそうです。数値化することによって、新入社員の指導を効率的に行えたり、地方拠点を起ち上げる時のノウハウの共有が容易になったり、また、人事評価において“フェア”な評価を行うことができるようになるとのこと。
実際に、コグニティの自社研修でも活用しているそうで、その用途は、プレゼンテーションの練習や採用面接など多岐に渡っているそうです。
4日間に渡って、コグニティ株式会社の完全在宅勤務制度、ご紹介してきましたが、
今週のお話から番組が導き出した WORK SHIFTのヒントは、
『できない!と決めつける固定概念から卒業してみよう!』でした。

“私の仕事ではリモートワークなんかできない!”と、最初からあきらめるのではなく、「やってみること」、「実践するための工夫」に取り組むことを忘れていませんか?リモートワークに限らず、いままで「当たり前」としてきた働き方のリズムを一度「転調」させてみてはいかがでしょうか?
今まではと違うワークスタイルのヒントがみつかるかもしれません。